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2話:退職後、ソニー株投資と塾経営

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 しかし主治医の神経内科の医師が大学の神経内科を受診するように奨めて、救急病院を4月7日退院した。翌週の4月12日に大学病院の神経内科を受診し30分間、医師と面談して極度の心身症で長めに休息を取らないと、取り返しの着かない重症の心身症になると忠告された。

 その後、診断書を書いてもらい5月12日まで1ケ月間の病欠届けを提出。佐野公康は自宅から毎日、朝6時半に家を出て会社に通った。自分は小さい頃から佐野家の跡取り息子として新年の挨拶に父と行くと行く先々でお年玉をもらい、それを全て貯金していた。その貯金とソニーの給料と報奨金を合わせ500万円を貯めた。やがて5月7日、営業部に出ると営業課長に呼ばれて、佐野君がいないと業績が下がって困ると言われた。

 そして、以前にも増して頑張って欲しいと聞かされると急に頭痛がしてめまいを起こし医務室へ行った。そのまま近くの大学病院の神経内科に行くと担当した医者が来て実情を話すと、その会社に勤め続けるの厳しいと言われ転職を奨められた。人生長いから、一度、1-2年、自分のこれからの人生を見つめ直したら良いと言われ、資金があるか聞かれ、ありますと答えた。、すると、先生が君みたいな将来性のある若者が、猛烈社員の上司に潰されるのを私は多く見てきたので退職を奨めるとあっさり行った。

 それを聞いて、佐野は、両親とも相談して結論を出しますというと、絶対に無理しないでねと言うので無理したらと聞くと死を選んだ患者さんもいるんだと、声を詰まらせて言ったのを聞いて背筋が凍る思いをした。その後、会社に電話入れて気分が悪いから自宅に帰りますと言い、中央線で八王子郊外の実家へ帰った。

 その晩、その話をすると、両親が無理するな人生長いから、きっと、またチャンスがあるよと言い、会社を辞めて、次の人生を考えたら良いと言ってくれた。これを聞いて佐野公康は、ぼろぼろと泣き出した。そして翌日、父が久しぶりに大渡の湧水でも飲みに行くかと言い家を出て相模湖へ向かい周辺をドライブし、橋を渡り、道志村へ入り40分程で「大渡の湧水」をポリタンクに入れた。

 その後、湧水を飲むと心がすっきりとした。その後、道志の道の駅でアユ定食を食べて冷たい道志川の浅瀬で遊ぶと小さな頃の事が思い出され自分の居場所は都会でなく、この様な自然の中だと再認識した。すると不思議に頭がすっきりして身体の調子が良くなってきた。やがて1週間、ソニーに退職すると連絡し自宅に書類が送られてきて、書いてハンコを押して、提出して、退職となった。

 やがて、夏に入り自宅の部屋でポリタンクの湧水を新しいアイディが欲しいときは冷たい水で決断したことを継続したいときには火にかけて熱くして飲んで、今後の生き方を考え始めた。そして1週間し自分の人生を自分で制御したい、そのためには自活する術を身につけるしかないと考えついた。そして得意の数学を駆使して日本の優良企業、ソニー、松下、トヨタ株を中心に投資しようと考え、将来性も考え合わせるとソニー株と決めた。

 また、今後、将来性のある企業を見つけて投資を考えた。現在の持ち金が550万円で200万円を原資に日本株投資を始めるためにN証券八王子支店に口座を開き200万円を入金した。そして1974年11月にソニー株を490円で2千株、98万円で買い佐野公康の資金が102万円となった。その後、弟の佐野泰之家と共に実家の農業を手伝った。

 そして給料の代わりに米や野菜、果物をもらった。1975年となり耕運機の運転を弟に教えてもらい始めた。また、実家では梨、栗、ぶどうを栽培し、米、サツマイモ、ジャガイモ、ナス、ピーマン、きゃべつ、白菜を植えていた。やがて秋になり稲刈りが終わると、山できのこを取りにいった。そして1976年を迎えた。

 すると佐野公康は梨栽培を中心にやってくれと父に言われ、やり方を覚えて9月前に幸水、豊水を収穫して八王子の駅近くの農協の売店で売る手伝いをした。そして1977年が終わり1978年を迎えた。1978年藤野駅の近くの芸術家の人が訳あって自分のアトリエを売りに出しているが、買い手がつかないと話題になっていた。それを聞いて佐野公康が興味を持って見に行った。
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