都会から自然の懐へ

ハリマオ65

文字の大きさ
上 下
12 / 29

11話:春子さんの隠居生活と埴輪の新婚旅行

しおりを挟む
 そこで、春子さんも手伝って食事の支度をしてワインをあけて、乾杯した。そして、野菜と肉の炒め物、ちらし寿司を皿に取って食べ始めた。富子さんが、美味しいと笑顔になると、それは良かったと春子さんが、言った。埴輪が、今度、不動産屋の社長に釣りを教えてもらうと告白した。

 春、3~5月と秋、10~11月に、大勢の釣り客が来るわと話した。何が釣れるのと聞くので、春はカレイとキス、秋は、カレイと言うと、両方とも美味しい魚ね。キスは、天ぷらで、カレイは、ムニエルと煮付けが、とっても美味しいのよと語った。

 体調を崩しても横須賀に大きな病院があり助かると言った。また三浦半島は、農業も盛んで三浦大根、スイカは、もちろん、キャベツ、カボチャ、スイカ、メロン、トウガン、きゅうり、ナス、トマト等の夏野菜、ブロッコリー、カリフラワー等の秋冬野菜もあるのよと話した、

 みかん、イチゴといった果物の栽培も盛んでミカン狩り、いちご狩りに来る人も多いそうよと教えてくれた。以前、全く知らなかったが、東京から近くて温暖な気候と海の幸、畑の幸に恵まれてる。そんな場所に引っ越してきて本当に良かったと語った。

 冬でも晴天の時は、リビングで、本を読んでいると、いつの間にか、夢の中へという日もあるのよと笑った。そんな、ストレスのない生活をしていると食べる物が美味しく感じて、ついつい食べ過ぎちゃって、いつの間にか、2~3キロ増えたのよと笑った。そんな話をしていると15時を過ぎた。

 そこで、それでは、また遠慮なく来ますので宜しくお願いしますと挨拶した。そして埴輪と富子さんが、春子さんのマンションを後にした。その後、18時前に上野に戻り埴輪と富子さんが、飲みながら夕食を食べて歓談した。八女春子さんって素敵な人ねと富子さんが言うので、人生経験豊かな頼れる先輩といった感じだと告げた。

 いつ頃、知り合ったのと聞かれ、小さい時に家の近くで、占いの仕事を始めて、たまに見かけると、いつも挨拶するので、可愛がってくれたんだと話した。そのうち、商売が繁盛して、土日祭日、決められた事務所を借りて占いの仕事をし始めると大勢の女性達が、来る様になった。

 しかし、バブルが、弾け、2000年を過ぎると日本も不景気風が吹いてきた。そういう時、占いにすがる女性たちが、増えてた。そのため、毎日、忙しくなった。その後、遂に過労で倒れ、僕に助けてと電話が入り、救急車を呼んで病院に運んだ。

 その後、この商売を辞めて、隠居生活を始めたらとアドバイスした。その後、春子さんが、津久井浜のマンションを探し当て、移り住んだと教えた。
「それを聞き、埴輪君は、小さい頃、きっと可愛かったろうねと言った」
「そこで、お陰様で、ずいぶん良い思いをしたよと笑った」

「すると良い思いって何よと彼女がムキになった」
「変なこと考えるなよ、まだ、小さい頃だよと笑った」
「お菓子もらったり、頭をなでてもらったりしたと言う事さと言い返した」
「そうだよねと笑い、埴輪君は、母性本能くすぐるタイプなのかもねと妙な笑い方をした」

 そんな話をしてると遅くなったので、自宅に帰って風呂に入って床についた。やがて年の瀬が迫ってきた。今年は、美味しい料理を買ってきて、自宅で、クリスマスパーティーと忘年会をして過ごした。そして、2006年を迎えた。

「埴輪が、富子さんに、今年、いつ頃、結婚式すると聞くいた」
「すると3月は、どうと言うので、構わないよと答えた」
「結婚式場、新婚旅行は、私が、探して良いかと聞かれOKと言った」
「それでは、2,3日中に決めてから、知らせると言った」

 その後、3月18日土曜、場所は、横浜ホテルニューグランド、新婚旅行は、沖縄、3泊4日にしたいと語った。埴輪が、OKと言うと、新婚旅行のプランを決めに一緒に行こうと言われ、旅行会社大手のJ社をたずねた。すると沖縄本島と石垣島の3泊4日のプランを奨められた。

「金はかかるが、一生に一度の晴れ舞台だから良いんじゃないかと埴輪が言い、それで決めた」
「その後、富子さんが、家に帰って招待する人を決め、週末、招待状を作成して送った」
 合計62人となり富子さんの方が36人、埴輪の方が、26人であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

短短編集

さきがけ
青春
淡々と。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

機織姫

ワルシャワ
ホラー
栃木県日光市にある鬼怒沼にある伝説にこんな話がありました。そこで、とある美しい姫が現れてカタンコトンと音を鳴らす。声をかけるとその姫は一変し沼の中へ誘うという恐ろしい話。一人の少年もまた誘われそうになり、どうにか命からがら助かったというが。その話はもはや忘れ去られてしまうほど時を超えた現代で起きた怖いお話。はじまりはじまり

茉莉花-マツリカ-

相澤愛美(@アイアイ)
青春
茉莉花は小学五年生、貧乏だけどお母さんと二人で健気に暮らしている。作者の実体験を含めた感動ほっこりストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夏風

歩歩
青春
私はどんな場所よりも、空の中に抱かれていることの方が好きだった。 空は、私の全てを肯定してくれていた。 私は、この世界の事が好きではない。ただ、嫌いでもないのだ。ただただ、合わないというだけ。私と私の今いる世界とは、出会うべきではなかった、ただそれだけなのだ。 あれ程美しかった空も、今は重たい雲に覆われて、太陽の姿も見えない。街は水没し、私のいる電波塔のすぐ側まで、水位は昇ってきている。 私は何のために、今更になって、こんな事を書いているのだろう。一体、誰の為に。 窓の外の、豪雨の作る幾つもの細い線の先に、私が憎んでやまなかった雷の壁が揺らいで見えている。 私は書くのをやめた。 ・・世界が終わる雨の日に 花澤カレン

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...