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35話:博多センター稼働と大阪での動き

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 だから、月4回以上のパートでも雇う様に事務員も含めてパート形式で8時間で上手にローテーションを組んでやっていけと指示した。そして、わからない事があれば、佐藤のスマホに電話または、メールを送れと言った。これを聞いて博多高度臨床検査センター設立委員会の若手が頼りにしてますので宜しくお願いしますと力強く言った。

 博多医師会の方でも積極的に博多高度臨床検査センターの場所と営業時間、設立意義を書いた小冊子と各病院、開業医、役所、院外薬局に置いてくれ広く知られるようになったらしく、予約が入り8月には月、水、金、土、日の9時から17時の営業時間に収まりきれなくなり土日を21時までとして毎日のフル稼働をする事になった。

 そして泉田鈴江さんの発案で門司、小倉から博多までの新幹線と高速バスの回数券、主要都市、直方、太宰府、鳥栖、久留米、佐賀、門司、下関、小倉を受付窓口において一枚ずつ、販売するようにすると、患者さんに喜ばれ、感謝された様だった。そして12月にはフル稼働になった。ただ、酒臭い人の中にいたので、窓口に飲酒の方はご遠慮下さい、禁煙の文字を赤文字で大きくでとはっきり書いた。

 待つ患者さんが増えないように、検査科開始予定時間を5分単位で書き込み30分前に、お越し下さいと、申込用紙に書き込むようにした所、待つ患者が5人未満となり予想通り効率よく検査が行えるようになった。しかし、一番の問題点は臨床放射線技師の人数集めで、福岡、佐賀県内の医療機関で幅広く募集した。また、臨床放射線技師さんの学校にもパンフレットを積極的に送った。

 12月は患者さんが増えて、21時では終了しない日が数日あり23時まで延長する日が週に数回出て来た。それでも、2段ベッド2台の4人部屋が2つできた、お陰で泊まる事もできて、勤めているスタッフには大好評だった。そして九州の北半分からスタッフを集めることができた。また九州全域、山口、島根県の一部の医療機関からも検査依頼書が来るようになり、文字通り、フル回転の忙しさだった。

 特に、一番大変なのが、月単位に作るスタッフのローテション表で台風、大雨、大雪の時には、検査を順延せざるを得ない日も現実には出て来た。やがて2019年があけた。これで博多高度臨床検査センター稼働し始めて安心したので丹沢先生が今迄の人脈で頼りそうな大学時代の友人が大阪の大きな病院の副院長になっていることを突き止めて面会する約束を取り付けた。

 その先生は矢島剛一という頭も切れるがそれ以上に弁舌の建つ、出生が早そうな医師だったが予想通り40歳台で大病院の副院長におさまり院長を虎視眈々「こしたんたん」と狙っていて大阪医師会でも若手の顔役のだった。2019年3月30日丹沢先生が新大阪のホテルについて荷物を置いて指定された場所に行くと、まるで俳優のような衣装を着てキザに帽子をかぶって矢島剛一が待っていた。

 久しぶりのあって丹沢先生が矢島先生に若作りの格好して、いまでも飲み屋の姉ちゃんにもてるのだろと言うと、まーそんなとこからと笑った。矢島先生は丹沢に向かって相変わらずセンスのない野暮ったい格好だなと行くと俺は昔通り格好なんて気にしない中身で勝負だと言うと、それにしても、ふけたなーの一言には内心、落ち込んだが、そんなことは、おくびにも出さず元気そーに振る舞った。

 どこ行くというと、ついてこいといわれ行くとカウンターバーへ行き奥の方のに座った。ここなら聞こえにくいだろうから小声で話そうというので了解した。ところで相談てなんだと矢島剛一が質問するので高度臨床検査センターの件だというと首都圏で随分、増えてるそうだねと言い、確かに患者さんに取っては便利だが医者には、いまいちかなと言った。

 と言うと丹沢が矢島に聞くと開業医でも人気がなく患者が少なくて困っている内科では最新鋭の医療機器を備えて多くの検査を医者仲間から集めて食いつないでる医者も少なくない。その息の根を止めようというのかと笑いながら言った。しかし患者さんには、医療費の増大に繋がって好ましくないじゃないかと言うと、笑いながら、お前は、いつから医者の味方を辞めて患者さんや左翼系の人間の味方をするようになったのかと、強い口調で言った。
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