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57話:5人でポルトガル旅行2

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 ドン・ルイス1世橋は幅8mの2階建て構造になっている。上層の長さは395mで、下層の長さは174mである。現在上層は歩行者とメトロ用に、下層は自動車と歩行者用になっている。その後タクシーで、近くにあるポルト大聖堂を見学に出かけた。内部は、油絵と天井画や多くの装飾品が素晴らしかった。

 大聖堂の中庭もまるで中世ヨーロッパにタイムスリップ、甲冑を着て、馬に乗った軍人でも来そうな気配がする程、苔が生えて風格があった。外のに出ると、さっき想像したような馬に乗った中世の軍人が旗を片手にもった銅像が建っていた。また、館内にアズレージョという、装飾タイルが使われ、独特の青が素敵だった。

 午後5時近くにホテルに戻り、フロントで、今晩、ファドレストランを予約して欲しいと言うと、夜21時から1回目のショーが始まるので、20時半に出発なので、早めに、軽い食事した方が良いと言い、料金的にセットで頼む
とポルトガルワインとオードブル、サラダとお菓子がプレートで出るから、そのセットで20ユーロだと言われたので、5人分の席の予約を、お願いした。

 そして、ホテル近くのレストランでディナーセット10ユーロ・ワインなし、珈琲付きを選んで、夕食をとり、ホテルでシャワーを浴びて、20時半のタクシーを待った。やがて、タクシーが来て、10分ほどで、予約した到着したファド・レストランに着いた。ナイトセットで予約してあり、ポルトガルワインと、おつまみが出された。そこは、8人掛けの大きなテーブルの席で、飲んでいると21時からギター演奏が始まった。

 やがて、ファドの女性歌手が出て、哀愁を帯びたファドが聞こえてきた。すると、哲二の奥さんが、このリズム、どっかで聞いたと言い、あ、そーだ、異邦人だと言った。

 その後、みんな、静かに、ファドを聞きって、ステージが終わると、なんか、ちあきなおみの感じに似てないと、佐藤の奥さんが言うと、哲二の奥さんが、鋭いことを言いますねと笑った。

 事前に調べたんだけれど、日本人歌手で、ファド歌手として認められたのが、唯一、ちあきなおみで、彼女は、一時期ファドにのめり込んで何曲ものファドを日本語に訳して唄ったのよと言った。あのファンドの女王といわれた、
アマリア・ロドリゲスの「難船」を日本語で唄った「霧笛」という曲が代表曲よと教えた。

 佐藤さんの奥さんが、日本の演歌、民謡のような、何となく郷愁を誘う、良い曲だねと、つぶやいた。その話に、哲二の奥さんが、するどい言った。ポルトガル語でサウダージ、または、サウダーデと言う言葉があり、その意味は、温かい家庭や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分への郷愁や、大人に成長した事でもう得られない懐かしい感情を意味する言葉と言われている。

 それ以外にも、追い求めても叶わぬもの、いわゆる『憧れ』といったニュアンスも含んでおり、簡単に説明することはできないと書いてあったわと話した。ポルトガルの民俗歌謡のファドに、歌われる感情表現が、一番重要なものといわれていて、多分、小さい頃、憧れたもの、気持ちへの郷愁って所かなと笑いながら言った。その後、3ステージを楽しんで、深夜1時に、ホテルに帰ってきて、床についた。
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