上 下
24 / 31

第23話:牧場でソーセージ工場を作るぞ

しおりを挟む
 こうして2012年となった。この年は、寒い冬であったが、2月1~3日、日本海側を中心に断続的に雪が降り続き、青森県の酸ケ湯で439センチに達するなど平年の2倍の積雪を観測し、雪による事故多発。

 4月になり、ドイツで、ソーセージの製造の勉強をしてきた若者4人が、やってきて牧場の支配人とともに面接を行った。交換をも鉄感じがした。そして、原料になる豚肉や牛肉は、この牧場の牛、豚を使と告げた。

 そして、ソーセージに使う羊腸は、トルコやパキスタン産の「薄くて弾力性のある高品質なもの」を使っています。燻煙用の牧は、楢の木の「幹」を使うため、近くの山から取ってくると話した。

 一番、金がかかるのがミンチにした肉を混ぜる大きなミキサーだと告げた。しかし、この工程がソーセージの出来上がりを左右する最大のポイントであるため、高価でも良い機械を購入したいと訴えた。

 また、ドイツから直輸入し、独自に配合した約30種類の天然スパイスを加え、具材を絶妙なバランスで練り合わせる。肉の呼吸を手で敏感に感じ取り、まさに「肉と対話」しながら一番美味しいタイミングを見極める。 ここが、職人の腕の見せ所。

 一般に、午前一時から作業を始める夜仕事になると説明した。その後、練り込んだ具を腸詰めの羊腸に詰める。 専門的な仕事なので、手際よく作業が、肝心だと語った。

  この時、くるくると羊腸をねじるように回して一本ずつ皮にハリをもたせ、食べた時の「パリッ!」とした食感を生み出すと言った。腸詰めされたソーセージは専用の「かご」に下げられ、80℃の状態に保たれた燻煙窯の中へ。

 職人は焼き上がるまでの3時間、炎が燃えさかる窯の前に立ち、窯内部の温度を一定にするために薪をくべて調整し、焼きムラが出ないようにソーセージの向きを換えたりする。

 気温や天候・湿度によって薪の燃え方が大きく変化する上、薪の状態によっても燃え方が違うため、職人の技が必要な難しい作業だと話した。焼きあがったソーセージは、ボイルして、殺菌する。

 同時に燻煙の際に付着した「すす」も落とされ、きれいになる。この時、お湯の温度が高すぎると、ソーセージが破裂してしまうので 高すぎず、低すぎず、ちょうどいい温度に調整する。

 ボイルして出来上がったソーセージを冷蔵庫で一晩寝かせ、味を落ち着かせる。ボイルした熱々の状態から冷たい冷蔵庫の中で急激に温度を下げることで殺菌にもなる。

 前日にできあがったソーセージを袋詰めにする。ソーセージとソーセージの間をしばって 止めていた糸を切り取りながらパックする重さに分けて袋に詰めていく。真空パックにし、検品して完成となる。

 用意してほしいのは、ミンチにした肉を混ぜる大きなミキサーとソーセージを燻煙するための燻煙窯、楢の牧木、焼きあがったソーセージをボイルして殺菌する大鍋だと語り、費用は、2千万円位だろうと告げた。

 工場が、4月中に完成すれば、5月連休後には、稼働出来る。そのため、4月から準備したいので、是非、宜しくお願いしたいと頭を下げた。それを聞いて、支配人が、工場をつくり機械を設置しようと語った。

 数日後、地元の建築業者が来て、木造の大きな工場を建て始めた。その木造の工場の建設費用が4千万円かかるので、機械設備との合計6千万円となる。その半分の3千万円を四宮が融資する事にし残金が、7646万円となる。

 4月初旬に工場が、完成し、床にコンクリートを流し込み耐熱性や耐火性の高い塗料を塗装した床材が使用する。4月、ソーセージ工場が完成し、材料の豚、牛のひき肉など材料がそろい、試運転を開始した。

 そしてできたソーセージを試食すると、実に美味しい。これなら売れると牧場の連中も喜んだ。そして、シーズンオフの秋、冬に燻製を作るときに使用するボイラー用の燃料のとして楢「なら」の木を集める作業を牧場の人達に手伝って欲しいと言われ承諾した。

 こうして、4月29日から、ゴールデンウイークまでの分としてソーセージを作り始めた。最初は、物珍しく少しずつ売れ、味が良いという評判になると、自宅様に買って帰る人が、増え生産が間に合わなくなった。

 そのため、1家族5セットまでの販売制限をもうけたが、それでも生産が、間に合わない。そのため金曜日までにソーセージ類を多めに作り土日、祝祭日に間に合うような生産計画を立てた。ソーセージ工場の予想以上の繁盛ぶりに牧場の支配人も四宮夫妻も喜んだ。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

転ばぬ先のハイテク医療検査

ハリマオ65
現代文学
 日本の現代医療技術が進み、世界トップクラス。CT,MRIも人口比で世界一。しかし首都圏でも大型病院で、検査するのに1日がかりで、厳しいのが現状、地方では、先端医療機械が不足し、さらに困難。  泉田誠一は専門施設を卒業、臨床放射線技師になり現状を改善するため医療機関から独立した高度医療検査のみのセンターを開設を仲間達と考えた。しかし調べて見ると、あまり公にされず首都圏には、すでに数施設できていた。その事実を知り、この施設をもっと多くの人の役立つように新設しようと挑戦する物語。 この問題は皆様方に真剣に考えて欲しいと書きましたので是非、ご覧下さい この作品は、小説家になろう、noveldaysに重複投稿しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...