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第四夜 夏至祭
16、姫のお守り
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花嫁選考試験の当日の朝、王騎士たちに割り込んだ仕事は、持久走の沿道での警護と道案内役である。
王城内は異様な緊張が張詰めていた。
いつもより早朝の出勤に、朝礼。
クレイは午前中は王の身辺警護である。
王宮の一階の廊下で、クレイは小走りの女官とぶつかる。
いつもは廊下ですれ違う時には鼻をつんと尖らせているようなすました女官たちが、必死の形相であった。
16才以上の未婚の女官は試験に参加するので、人数が通常より少ない。
「王妃さま張り切っちゃって、こっちが大変!」
ぶつかった娘は、リシアのお付きのリラだ。15才の彼女は試験組から外れているので駆り出されていた。
アラン王は執務室にいた。
そこはいつもは周囲の喧騒から遮断された空間であるが、その日は遠くの方から何かが聞こえている。
クレイは王の後ろに掛けられた壁の絵のように、静かに立つ。
もうひとり、先輩の騎士クロウが既に反対側に立っていた。
「始まったようだな」
王は手元の書類に目を通しながら、ひとりごとのように言葉を落とす。
「あんな大掛かりなことをやっても姫たちから選ばれるのは明白ではあるが、重要なのは、ベルゼラの王子自身が多くの選択肢のなかから、花嫁を自分の意思で選んだと実感することなのだ、とシシリアが言い張るので許してやってくれ」
「、、、はい」
控える王騎士二人は、国民を代表して返事をしておく。
「それに、あれは、今回のベルゼラ側の無茶をうまく利用して、数字や統計ではなくてデクロアの生身の女子の現状を見たり、城に勤める者の対応力を鍛えようとしているみたいだしな!
お陰で、この数日、普段はのんびり欠伸をしている白ヒゲの文官たちが、てんやわんやだ。
見ていて笑える」
そういうところを笑えるのは、シシリア王妃を夫にしているアラン王だからであろうと、クレイは思う。
クレイは王に奏上したいことがある。
その意を決して息を吸う気配を察して、隣のクロウが顔をしかめ、よせと頭を小さく振る。
「なんだ?クレイ。何かいいたいことがあるなら申せ」
王はクレイが言い出す前に、先に声をかけた。
「恐れながら申し上げます。
今日からリシア姫の謹慎が解かれたとお聞きしましたので、わたしもザッツと替わり、護衛に戻ろうと思うのですが」
王は顔を挙げないが、書類をめくる手を止めた。
「その件だが、リシアのお守りはしばらくザッツに任せることに決めた。
確かにお前は一番リシアのことをわかっているし、あの娘の破天荒なところについていけるのはクレイぐらいだとは思うのだが。
お前は本来の役割を果たせ」
「はい」
クレイは引き下がる。
いわんこっちゃない、という呆れた顔をクロウは向けた。
午後の持久走の沿道で、リシアがラストスパートを仕掛けて必死に走る姿をクレイは見る。
リシアは顔を真っ赤にして、汗だくになりながらも、クレイに気がつき軽く手を振って寄越す。
大きな声援を浴びながら、クレイの姫は見事な金茶の髪を光の筋のようになびかせて、彼のすぐ前を走り、そして彼を残していく。
リシアは知っているのだろうか?
王城に勤める料理人も下働きの掃除人も、たまたま居合わせた庭師のおじいさんも、皆リシアを夢中で応援している。
皆、気取らない元気なリシアが大好きである。
リシアがこの持久走で落とされるとは思わないが、異国の男に奪われるための花嫁選抜など、まったく頑張る必要はないと、言ってやりたかった。
クレイは冷めた目で、最後まで競技の進行を眺めていたのだった。
その夜、ようやく王城は落ち着きを取り戻していた。
クレイは馬の様子を見に行くのに、リシアの部屋が見える道を行く。
リシアが非常通路に使う梶の大木まで来たとき、ザッツが、幹に手を置いて上を向いていた。
「こんなところで何を?」
クレイが聞く。
「わたしも姫のように登ってみようかと思ってな!」
頭に白いものが混じるザッツは言った。
二人は笑う。
「当分、わたしは姫のお守りに戻れなさそうだから、リシア姫をよろしくお願いします」
「ああ、任せとけ!」
ザッツは言う。
名残惜しげに窓を見上げてから去ろうとする若いクレイに向かって、更に言葉を掛ける。
「お前は、リシア姫のお守りには戻れないぞ」
「どうして?」
クレイは足を止めた。
王からも王騎士の役割を果たせと今朝いわれたところだった。
「わかってないのか?それは、お前の感情が駄々漏れだからだ!
リシアは姫様で、しかもベルゼラの王子妃になる可能性もある。今回花嫁に選ばれなくても、お前がそんなに熱ければ、冷静に姫を守ることなどできないだろう?」
言われてクレイは真っ赤になった。
クレイは18才。
最近感じ始めたリシアへの感情が、端から見ていてまるわかりだったことを初めて知る。
恋愛には疎そうなザッツがいうから、本当にそうなのだろう。
「でも、わたしはリシアさまをそばで守りたいのです!」
ザッツはしゃあないな、という表情をする。
「思うに、お前がリシアさまのそばにいる方法はひとつしかないとは思うが、たぶんお前は無理だろうし、、」
「その方法とは?」
声が低くなる。
聞いてはいけない気がしたのだ。
その時、ベランダの窓が開いた。
ひょいとリシアの顔が覗く。
「ザッツ!いる?サウナに入りに行くから付いてきて!」
「今から行きますので待っていてください!」
ザッツは声を投げ掛ける。
木を登っておいでよ速いわよ!
などと、ふざけた返事が返ってきていたのをザッツは無視する。
恋の風邪を引き始めた年若い騎士の肩に、ザッツは節ばった手を置いた。
「答えは自分で考えよ」
王城内は異様な緊張が張詰めていた。
いつもより早朝の出勤に、朝礼。
クレイは午前中は王の身辺警護である。
王宮の一階の廊下で、クレイは小走りの女官とぶつかる。
いつもは廊下ですれ違う時には鼻をつんと尖らせているようなすました女官たちが、必死の形相であった。
16才以上の未婚の女官は試験に参加するので、人数が通常より少ない。
「王妃さま張り切っちゃって、こっちが大変!」
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アラン王は執務室にいた。
そこはいつもは周囲の喧騒から遮断された空間であるが、その日は遠くの方から何かが聞こえている。
クレイは王の後ろに掛けられた壁の絵のように、静かに立つ。
もうひとり、先輩の騎士クロウが既に反対側に立っていた。
「始まったようだな」
王は手元の書類に目を通しながら、ひとりごとのように言葉を落とす。
「あんな大掛かりなことをやっても姫たちから選ばれるのは明白ではあるが、重要なのは、ベルゼラの王子自身が多くの選択肢のなかから、花嫁を自分の意思で選んだと実感することなのだ、とシシリアが言い張るので許してやってくれ」
「、、、はい」
控える王騎士二人は、国民を代表して返事をしておく。
「それに、あれは、今回のベルゼラ側の無茶をうまく利用して、数字や統計ではなくてデクロアの生身の女子の現状を見たり、城に勤める者の対応力を鍛えようとしているみたいだしな!
お陰で、この数日、普段はのんびり欠伸をしている白ヒゲの文官たちが、てんやわんやだ。
見ていて笑える」
そういうところを笑えるのは、シシリア王妃を夫にしているアラン王だからであろうと、クレイは思う。
クレイは王に奏上したいことがある。
その意を決して息を吸う気配を察して、隣のクロウが顔をしかめ、よせと頭を小さく振る。
「なんだ?クレイ。何かいいたいことがあるなら申せ」
王はクレイが言い出す前に、先に声をかけた。
「恐れながら申し上げます。
今日からリシア姫の謹慎が解かれたとお聞きしましたので、わたしもザッツと替わり、護衛に戻ろうと思うのですが」
王は顔を挙げないが、書類をめくる手を止めた。
「その件だが、リシアのお守りはしばらくザッツに任せることに決めた。
確かにお前は一番リシアのことをわかっているし、あの娘の破天荒なところについていけるのはクレイぐらいだとは思うのだが。
お前は本来の役割を果たせ」
「はい」
クレイは引き下がる。
いわんこっちゃない、という呆れた顔をクロウは向けた。
午後の持久走の沿道で、リシアがラストスパートを仕掛けて必死に走る姿をクレイは見る。
リシアは顔を真っ赤にして、汗だくになりながらも、クレイに気がつき軽く手を振って寄越す。
大きな声援を浴びながら、クレイの姫は見事な金茶の髪を光の筋のようになびかせて、彼のすぐ前を走り、そして彼を残していく。
リシアは知っているのだろうか?
王城に勤める料理人も下働きの掃除人も、たまたま居合わせた庭師のおじいさんも、皆リシアを夢中で応援している。
皆、気取らない元気なリシアが大好きである。
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クレイは冷めた目で、最後まで競技の進行を眺めていたのだった。
その夜、ようやく王城は落ち着きを取り戻していた。
クレイは馬の様子を見に行くのに、リシアの部屋が見える道を行く。
リシアが非常通路に使う梶の大木まで来たとき、ザッツが、幹に手を置いて上を向いていた。
「こんなところで何を?」
クレイが聞く。
「わたしも姫のように登ってみようかと思ってな!」
頭に白いものが混じるザッツは言った。
二人は笑う。
「当分、わたしは姫のお守りに戻れなさそうだから、リシア姫をよろしくお願いします」
「ああ、任せとけ!」
ザッツは言う。
名残惜しげに窓を見上げてから去ろうとする若いクレイに向かって、更に言葉を掛ける。
「お前は、リシア姫のお守りには戻れないぞ」
「どうして?」
クレイは足を止めた。
王からも王騎士の役割を果たせと今朝いわれたところだった。
「わかってないのか?それは、お前の感情が駄々漏れだからだ!
リシアは姫様で、しかもベルゼラの王子妃になる可能性もある。今回花嫁に選ばれなくても、お前がそんなに熱ければ、冷静に姫を守ることなどできないだろう?」
言われてクレイは真っ赤になった。
クレイは18才。
最近感じ始めたリシアへの感情が、端から見ていてまるわかりだったことを初めて知る。
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「思うに、お前がリシアさまのそばにいる方法はひとつしかないとは思うが、たぶんお前は無理だろうし、、」
「その方法とは?」
声が低くなる。
聞いてはいけない気がしたのだ。
その時、ベランダの窓が開いた。
ひょいとリシアの顔が覗く。
「ザッツ!いる?サウナに入りに行くから付いてきて!」
「今から行きますので待っていてください!」
ザッツは声を投げ掛ける。
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などと、ふざけた返事が返ってきていたのをザッツは無視する。
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