4 / 22
第一夜 危険な出会い
3、ベルゼラ国第二王子アズール
しおりを挟む
アズール王子は20才。
傲慢で尊大な雰囲気があるが、端正な顔立ちの美丈夫である。
意思の強さをうかがわせる切れ長の黒眼に、黒髪。長髪を後で無造作に結ぶ。
飛び道具の改良型のクロスボウを活用し、他国を圧倒する力で草原の強国になった、ベルゼラ国の第二王子である。
彼は決してもてないわけではない。
むしろ、彼の周りには多くの男も女もむらがっている。
ベルゼラ国では戦も強いアズール第二王子は一番人気。
戦で破れた国では姫や王子を将や王に差し出すことは多いが、アズールは全て無視をする。
戦は容赦なく血の雨を降らせるが、それ以外は人道的な統治を行っていることが、さらにアズールの人気に拍車をかける。
ベルゼラ国の次期王に望む声は方々であがる。
多くの浮き名を流しはしても、長続きせず、いっこうに妻を娶ろうとしないアズールに業を煮やしたのが父王である。
「私はまだ結婚するつもりはありません!」
アズールは16の誕生日から父王から持ちかけられた縁談を断り続けてきた。
20の誕生日を迎えた今年も同様だと思っていたが、王は戦で体を痛めたこともあり、強くいい放つ。
「王位継承権を剥奪されたくなければ、お前の付き合っている女の中から花嫁を選べ!」
アズールが付き合ってきたのは後腐れのない女たちばかりである。
「選べないなら、私が選んだ姫たちから選ばせてやる!」
そう言うと父王はアズールの前にあらかじめ描かせていた姫たちの、花のような肖像画をずらりと並べたのだ。
アズールが適当にでも指差せば、即結婚となりそうな勢いである。
「、、、絵で選べというのですか?」
つい、アズールは言ってしまう。
ベルゼラ国王はにやりと笑う。
思い出したのが、デクロア国王と交わした、いずれ娘をやるとの約束であった。
「では絵でなく、直接あって選ぶなら良いというのか?
そういえば、デクロア国に三人年頃の姫がいる。21、18、16だ。
私の息子にもらい受ける約束を交わしている。花嫁でも愛人にでも良いからひとりでもふたりでも選んでこい!
デクロアは美人の国だ。お前が満足できる女がいるだろう!」
ということで、アズール王子はこの初夏にデクロアに出向くことになったのだ。
デクロア国への出で立ちは、軽めではあるが胴体と腿の真中近くまである鎖帷子、使い込まれた長剣を帯刀し、折り畳んだクロスボウを愛馬に乗せている。
己の直属の小隊は国境の町で留め置き、デクロアの森に入ったのは選りすぐりの12人の精鋭。
彼らもアズール王子と同様の軽めの防備であるが、戦火を潜り抜けた盟友たちでもあり、アズールを守る強力な盾になる。
精悍で命知らずな若ものたちである。
12人とアズール王子の一行は、どこにいっても歓待され、女たちのため息と憧れをもって迎えられるのが常である。
この旅もあちらこちら立ち寄る街で、歓声とため息に迎えられ、送られていた。
アズール王子にとって、全く乗り気でないデクロア国への道行きであった。
アズールの精鋭12人のひとり、側近のラリマーは、ベルゼラ国王から、アズール王子が花嫁を選び、連れて帰るまで見届けることを厳命されていた。
既にデクロアの森を渡る石畳の街道に入っている。王子とその12人は馬上であった。
軽快な蹄の音は、普段なら心地よいのだが、アズールには気分をさらに重くする音にしか聞こえない。
「長女のアクア様は白銀の髪、アイスブルーの瞳。舞い降りた雪の女神のごとく神々しく美しいそうです。
賢く、性格は穏やかでお優しい。
語学も得意で8ヵ国語を話せるとか。
趣味は(以下省略)
才色兼備の21才。ひとつ歳上ではありますが、お似合いでしょう」
ラリマーは、デクロアに入ってから姫たちの概要を伝える。
全く前情報なしというのもどうかと思ったのだ。
この釣書で決めてもらえるならば、この花嫁選びの旅は楽である。
「二番目のマリン様は燃えるような赤毛で大層色っぽい、豊穣をもたらす女神のような、才色兼備の姫だそうです。18才。
趣味は(以下省略)
性格は激しいそうなので、操縦する必要はありますが踊りもダンスも得意で、外交の場では素晴らしい働きを期待でき、閨では大層良い思いをされることでしょう」
アズール王子は鼻を鳴らした。
誰の釣書も同じようなものである。
「三人目は?」
実際より盛られた良いことしか書かれていないので、もうどうでも良いとは思ったがひとまず聞く。
ラリマーは器用に馬上で釣書をめくる。
「末の姫はリシア姫。16才。才色兼備で健康美に自信あり!。花嫁修行中。以上」
アズールは片眉を釣り上げ、並走するラリマーの手元の資料を覗き込んだ。
「それだけか?」
「それだけです。少ないですね?デクロア国が寄越したものですが、上の二人と比べて気合いが入っていないというか、、。才色兼備は枕ことばですし。」
「健康美というのが笑えるな!」
とアズール。
ラリマーは深読みする。
「健康であることは世継ぎを生むには重要です!
でもまあ、デクロアの一押しが二人の姉ということでしょう。美人の産地としての名声を高める、デクロア美人のふたりの姫。
三人目は、残念ながら普通なのかもしれませんね。
普通だとまだいいかも知れませんが、三人もいれば不出来な姫も生まれるかも?
もしくは末の娘を手放したくない理由があるのかもしれません」
「どういう理由だ?」
少し興味をひかれてアズールはきく。
「さあ?実はもっとも美しいとか?」
ラリマーは適当にいう。
「明日の夜にはデクロアの王都に着きますから、時期にわかりますよ。先にひとりを王都に遣っておきますか?先方も準備があることでしょうし」
「そうだな」
アズールは早駆けに遣わせる。
その者は怒濤の如く馬を走らせた。
街道は森を切り開いて作った道である。
定期的に手入れをされているのか、人通りがないのに、道を塞ぐ枝などはない。
デクロア国は、頂きに雪を抱く切り立つ岩山を背にして、辺境に位置する。
草原の国々のように混乱と戦乱から無縁であった。
その分、多民族多国籍の入り乱れた喧騒と賑わい、繁栄から取り残されているようだった。
街道の両サイドには深い森が広がる。
この道の先には美女の国の桃源郷があるのかもしれない。
この道を渡る者は一度は思うことである。
「それにしても、森が深いな。どんな野生動物がいるかわからないから、皆に気を抜くなと伝えよ」
とアズール。
そういう先から、彼らの前方に、うさぎがはねる。
狸が歩く。
街道沿いで一泊した後、昨日から数えて何頭目かの牝鹿がゆうゆうと歩いたとき、とうとうアズールに流れるの古き狩猟民族の血が押さえられなくなったのだった。
傲慢で尊大な雰囲気があるが、端正な顔立ちの美丈夫である。
意思の強さをうかがわせる切れ長の黒眼に、黒髪。長髪を後で無造作に結ぶ。
飛び道具の改良型のクロスボウを活用し、他国を圧倒する力で草原の強国になった、ベルゼラ国の第二王子である。
彼は決してもてないわけではない。
むしろ、彼の周りには多くの男も女もむらがっている。
ベルゼラ国では戦も強いアズール第二王子は一番人気。
戦で破れた国では姫や王子を将や王に差し出すことは多いが、アズールは全て無視をする。
戦は容赦なく血の雨を降らせるが、それ以外は人道的な統治を行っていることが、さらにアズールの人気に拍車をかける。
ベルゼラ国の次期王に望む声は方々であがる。
多くの浮き名を流しはしても、長続きせず、いっこうに妻を娶ろうとしないアズールに業を煮やしたのが父王である。
「私はまだ結婚するつもりはありません!」
アズールは16の誕生日から父王から持ちかけられた縁談を断り続けてきた。
20の誕生日を迎えた今年も同様だと思っていたが、王は戦で体を痛めたこともあり、強くいい放つ。
「王位継承権を剥奪されたくなければ、お前の付き合っている女の中から花嫁を選べ!」
アズールが付き合ってきたのは後腐れのない女たちばかりである。
「選べないなら、私が選んだ姫たちから選ばせてやる!」
そう言うと父王はアズールの前にあらかじめ描かせていた姫たちの、花のような肖像画をずらりと並べたのだ。
アズールが適当にでも指差せば、即結婚となりそうな勢いである。
「、、、絵で選べというのですか?」
つい、アズールは言ってしまう。
ベルゼラ国王はにやりと笑う。
思い出したのが、デクロア国王と交わした、いずれ娘をやるとの約束であった。
「では絵でなく、直接あって選ぶなら良いというのか?
そういえば、デクロア国に三人年頃の姫がいる。21、18、16だ。
私の息子にもらい受ける約束を交わしている。花嫁でも愛人にでも良いからひとりでもふたりでも選んでこい!
デクロアは美人の国だ。お前が満足できる女がいるだろう!」
ということで、アズール王子はこの初夏にデクロアに出向くことになったのだ。
デクロア国への出で立ちは、軽めではあるが胴体と腿の真中近くまである鎖帷子、使い込まれた長剣を帯刀し、折り畳んだクロスボウを愛馬に乗せている。
己の直属の小隊は国境の町で留め置き、デクロアの森に入ったのは選りすぐりの12人の精鋭。
彼らもアズール王子と同様の軽めの防備であるが、戦火を潜り抜けた盟友たちでもあり、アズールを守る強力な盾になる。
精悍で命知らずな若ものたちである。
12人とアズール王子の一行は、どこにいっても歓待され、女たちのため息と憧れをもって迎えられるのが常である。
この旅もあちらこちら立ち寄る街で、歓声とため息に迎えられ、送られていた。
アズール王子にとって、全く乗り気でないデクロア国への道行きであった。
アズールの精鋭12人のひとり、側近のラリマーは、ベルゼラ国王から、アズール王子が花嫁を選び、連れて帰るまで見届けることを厳命されていた。
既にデクロアの森を渡る石畳の街道に入っている。王子とその12人は馬上であった。
軽快な蹄の音は、普段なら心地よいのだが、アズールには気分をさらに重くする音にしか聞こえない。
「長女のアクア様は白銀の髪、アイスブルーの瞳。舞い降りた雪の女神のごとく神々しく美しいそうです。
賢く、性格は穏やかでお優しい。
語学も得意で8ヵ国語を話せるとか。
趣味は(以下省略)
才色兼備の21才。ひとつ歳上ではありますが、お似合いでしょう」
ラリマーは、デクロアに入ってから姫たちの概要を伝える。
全く前情報なしというのもどうかと思ったのだ。
この釣書で決めてもらえるならば、この花嫁選びの旅は楽である。
「二番目のマリン様は燃えるような赤毛で大層色っぽい、豊穣をもたらす女神のような、才色兼備の姫だそうです。18才。
趣味は(以下省略)
性格は激しいそうなので、操縦する必要はありますが踊りもダンスも得意で、外交の場では素晴らしい働きを期待でき、閨では大層良い思いをされることでしょう」
アズール王子は鼻を鳴らした。
誰の釣書も同じようなものである。
「三人目は?」
実際より盛られた良いことしか書かれていないので、もうどうでも良いとは思ったがひとまず聞く。
ラリマーは器用に馬上で釣書をめくる。
「末の姫はリシア姫。16才。才色兼備で健康美に自信あり!。花嫁修行中。以上」
アズールは片眉を釣り上げ、並走するラリマーの手元の資料を覗き込んだ。
「それだけか?」
「それだけです。少ないですね?デクロア国が寄越したものですが、上の二人と比べて気合いが入っていないというか、、。才色兼備は枕ことばですし。」
「健康美というのが笑えるな!」
とアズール。
ラリマーは深読みする。
「健康であることは世継ぎを生むには重要です!
でもまあ、デクロアの一押しが二人の姉ということでしょう。美人の産地としての名声を高める、デクロア美人のふたりの姫。
三人目は、残念ながら普通なのかもしれませんね。
普通だとまだいいかも知れませんが、三人もいれば不出来な姫も生まれるかも?
もしくは末の娘を手放したくない理由があるのかもしれません」
「どういう理由だ?」
少し興味をひかれてアズールはきく。
「さあ?実はもっとも美しいとか?」
ラリマーは適当にいう。
「明日の夜にはデクロアの王都に着きますから、時期にわかりますよ。先にひとりを王都に遣っておきますか?先方も準備があることでしょうし」
「そうだな」
アズールは早駆けに遣わせる。
その者は怒濤の如く馬を走らせた。
街道は森を切り開いて作った道である。
定期的に手入れをされているのか、人通りがないのに、道を塞ぐ枝などはない。
デクロア国は、頂きに雪を抱く切り立つ岩山を背にして、辺境に位置する。
草原の国々のように混乱と戦乱から無縁であった。
その分、多民族多国籍の入り乱れた喧騒と賑わい、繁栄から取り残されているようだった。
街道の両サイドには深い森が広がる。
この道の先には美女の国の桃源郷があるのかもしれない。
この道を渡る者は一度は思うことである。
「それにしても、森が深いな。どんな野生動物がいるかわからないから、皆に気を抜くなと伝えよ」
とアズール。
そういう先から、彼らの前方に、うさぎがはねる。
狸が歩く。
街道沿いで一泊した後、昨日から数えて何頭目かの牝鹿がゆうゆうと歩いたとき、とうとうアズールに流れるの古き狩猟民族の血が押さえられなくなったのだった。
3
お気に入りに追加
1,553
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる