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第2夜 探しもの
7-2、
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「ここは校舎と木々と人々に囲まれたある意味閉鎖空間といえます。気がたまり淀みやすそうです。学生の欲望が、視線の先である舞台や藤原さんに集中し凝縮しやすい形です。不特定多数に開かれ見られているということが、よけいに願望とフラストレーションをあおるかもしれません。何かのきっかけで火が付けば、何が起こるかわかりません。僕ならこのような場を設けようとは思わないのですが」
藤原優子はそんな忠告聞きなれているというように肉感的な唇を引き上げて笑う。
「こんな風に、外部に解放されたオーディションだって、よくあるでしょ。それを今回はSNS同時配信だけど。合格するのは一人だけど、多くの学生たちが頑張っている姿を、外部の人たちに知って欲しいの。危険はないわ。校門に警備員を置いているし、関係のない不審者は入れないようにしているから。それにわたしには護衛がついているし」
彼女に常に付き従う黒服の秘書は、護衛も兼ねているのだ。
スクリーンが会場を映し出す。
自分の顔がアップに写って、笑顔で手を振る学生たち。
「ですが、考え直した方がいいと思います。僕ならやめますよ」
挑戦的な目を神坂にむけた。
胸が盛り上がり、スーツのボタンを弾きとばしそうである。
神坂は困ったような、情けない顔になった。
「わたしはあなたじゃないのよ。注目されてなんぼの、泣く子も黙る藤原優子なの。わたしが探しているものは、これが終わったら聞くわ。見当違いなら、恵子さんに申し訳ないけれど、清心に縁がなかったと思って頂戴。恨まないでね」
それで終わりだった。
藤原優子は審査員席に戻る前に、金と黒のメッシュの髪の背の高い男子学生に声をかけられたが「舞台でがんばりなさい」と突き放した。
華連が憤慨して鼻を鳴らす。
「抜け駆けしようとするやつもいるのよね。さあわたしも行かなくちゃ。このオーディションでしっかりアピールして、表紙と特集ゲットして、さらにファンを増やすんだから」
華連はわたしだけに聞こえるように付け加えた。
「彼、着物はいいわね。でもミーナに申し訳ないんだけど、やっぱりちょっと残念な男ね。毒蛇ににらまれたカエルのようだったわ。それに予言?心配性?超能力気取りって、なんかやばくない?」
確かに、やばい。
好奇心のまま、突き進むべきじゃないのかもしれない。
知れば知るほど、神坂晴海はやばいやつなのかもしれない。
急に、不安になってきた。
藤原優子はそんな忠告聞きなれているというように肉感的な唇を引き上げて笑う。
「こんな風に、外部に解放されたオーディションだって、よくあるでしょ。それを今回はSNS同時配信だけど。合格するのは一人だけど、多くの学生たちが頑張っている姿を、外部の人たちに知って欲しいの。危険はないわ。校門に警備員を置いているし、関係のない不審者は入れないようにしているから。それにわたしには護衛がついているし」
彼女に常に付き従う黒服の秘書は、護衛も兼ねているのだ。
スクリーンが会場を映し出す。
自分の顔がアップに写って、笑顔で手を振る学生たち。
「ですが、考え直した方がいいと思います。僕ならやめますよ」
挑戦的な目を神坂にむけた。
胸が盛り上がり、スーツのボタンを弾きとばしそうである。
神坂は困ったような、情けない顔になった。
「わたしはあなたじゃないのよ。注目されてなんぼの、泣く子も黙る藤原優子なの。わたしが探しているものは、これが終わったら聞くわ。見当違いなら、恵子さんに申し訳ないけれど、清心に縁がなかったと思って頂戴。恨まないでね」
それで終わりだった。
藤原優子は審査員席に戻る前に、金と黒のメッシュの髪の背の高い男子学生に声をかけられたが「舞台でがんばりなさい」と突き放した。
華連が憤慨して鼻を鳴らす。
「抜け駆けしようとするやつもいるのよね。さあわたしも行かなくちゃ。このオーディションでしっかりアピールして、表紙と特集ゲットして、さらにファンを増やすんだから」
華連はわたしだけに聞こえるように付け加えた。
「彼、着物はいいわね。でもミーナに申し訳ないんだけど、やっぱりちょっと残念な男ね。毒蛇ににらまれたカエルのようだったわ。それに予言?心配性?超能力気取りって、なんかやばくない?」
確かに、やばい。
好奇心のまま、突き進むべきじゃないのかもしれない。
知れば知るほど、神坂晴海はやばいやつなのかもしれない。
急に、不安になってきた。
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