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対米戦に向けて
出港
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海軍は堀達の決意を受けてすぐに動き始めた。
まずは”真珠湾強襲作戦”のための深度調整板付き魚雷の大増産、そして真珠湾上陸を行う陸軍師団の要請だった。
前者はただ工廠に働きかければよいのだが、問題は陸軍師団の調達だった。
知っての通り、日本の海軍と陸軍は明治期はそれほどであったが大正から昭和にかけて幾度も対立していた。
海軍の担当者は最初から”厳しい交渉となるだろう”と考えていた。
だが実際は違った。
陸軍は第1次欧州大戦が終結してからは中支事変しか戦いに参加しておらず、力は有り余っていた。
その証拠に陸軍はイギリスからライセンス生産しているチャーチル歩兵戦車やクルセイダー巡航戦車を各師団に配備しており機械化を推し進めていた。
また陸軍の中でも”開戦劈頭にハワイを占領できないだろうか”という考えがあった。
なので陸軍は海軍から求められた時、すぐに了承した。
着々と真珠湾強襲作戦の準備が整うなか、フィリピンの攻略作戦も同時に立案されていた。
海軍からは高雄航空隊から陸攻56機と比遣艦隊を出すことになっていた。
比遣艦隊
司令長官:小沢治三郎中将
参謀長:宇垣纏少将
旗艦:愛鷹
戦艦:愛鷹、愛宕、榛名、霧島
大型巡洋艦:古鷹:加古
空母:薩摩、安芸
直掩空母:敷島、三笠、朝日、初瀬
軽巡:阿武隈、木曽
駆逐艦以下11隻
航空戦力:艦戦180機、艦爆42機、艦攻44機
これらの戦力はフィリピンに存在するアメリカ極東艦隊を攻撃する任務も与えられていた。
11月3日。
日米交渉は暗礁に乗り上げた。
これを受け、11月15日には御前会議が開かれ”日本時間1941年12月8日の開戦”を決定した。
11月22日に単冠湾に第1航空艦隊、タンカー、そして陸軍の第2、3師団を乗せた輸送船だっが所せましと停泊していた。
「塩沢、必ず生きて帰ってこい」
堀と山本は天城の司令長官室で塩沢にそう嘆願した。
「死ぬ気はない。行ってくる」
塩沢はにこりと笑いそれだけ言った。
11月26日。
総勢50隻を超える大艦隊が25ノットを維持してハワイに向けて出撃した。
第2、3師団を乗せた輸送船団は速度が遅いため、2日前に軽巡球磨、多摩以下駆逐艦6隻の護衛の元出港していた。
「これでもう後戻りは出来んな」
塩沢のつぶやきに大西も頷く。
「山本(権兵衛)閣下からはじまった我が艦隊の高速化、航空主兵化20年の成果を目に焼き付けてやりましょう」
そして12月2日に最後の日米交渉が決裂し海軍省から”ニイタカヤマノボレ一二〇八”が打電された。
まずは”真珠湾強襲作戦”のための深度調整板付き魚雷の大増産、そして真珠湾上陸を行う陸軍師団の要請だった。
前者はただ工廠に働きかければよいのだが、問題は陸軍師団の調達だった。
知っての通り、日本の海軍と陸軍は明治期はそれほどであったが大正から昭和にかけて幾度も対立していた。
海軍の担当者は最初から”厳しい交渉となるだろう”と考えていた。
だが実際は違った。
陸軍は第1次欧州大戦が終結してからは中支事変しか戦いに参加しておらず、力は有り余っていた。
その証拠に陸軍はイギリスからライセンス生産しているチャーチル歩兵戦車やクルセイダー巡航戦車を各師団に配備しており機械化を推し進めていた。
また陸軍の中でも”開戦劈頭にハワイを占領できないだろうか”という考えがあった。
なので陸軍は海軍から求められた時、すぐに了承した。
着々と真珠湾強襲作戦の準備が整うなか、フィリピンの攻略作戦も同時に立案されていた。
海軍からは高雄航空隊から陸攻56機と比遣艦隊を出すことになっていた。
比遣艦隊
司令長官:小沢治三郎中将
参謀長:宇垣纏少将
旗艦:愛鷹
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直掩空母:敷島、三笠、朝日、初瀬
軽巡:阿武隈、木曽
駆逐艦以下11隻
航空戦力:艦戦180機、艦爆42機、艦攻44機
これらの戦力はフィリピンに存在するアメリカ極東艦隊を攻撃する任務も与えられていた。
11月3日。
日米交渉は暗礁に乗り上げた。
これを受け、11月15日には御前会議が開かれ”日本時間1941年12月8日の開戦”を決定した。
11月22日に単冠湾に第1航空艦隊、タンカー、そして陸軍の第2、3師団を乗せた輸送船だっが所せましと停泊していた。
「塩沢、必ず生きて帰ってこい」
堀と山本は天城の司令長官室で塩沢にそう嘆願した。
「死ぬ気はない。行ってくる」
塩沢はにこりと笑いそれだけ言った。
11月26日。
総勢50隻を超える大艦隊が25ノットを維持してハワイに向けて出撃した。
第2、3師団を乗せた輸送船団は速度が遅いため、2日前に軽巡球磨、多摩以下駆逐艦6隻の護衛の元出港していた。
「これでもう後戻りは出来んな」
塩沢のつぶやきに大西も頷く。
「山本(権兵衛)閣下からはじまった我が艦隊の高速化、航空主兵化20年の成果を目に焼き付けてやりましょう」
そして12月2日に最後の日米交渉が決裂し海軍省から”ニイタカヤマノボレ一二〇八”が打電された。
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