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対米戦に向けて
対米戦やむ無し
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世界はさらに戦争へと進んでいく。
1941年6月22日にはドイツがソ連に奇襲攻撃を仕掛けて東部戦線の戦端が開かれた。
また太平洋でも戦争の足音がこつんこつんと近寄ってきていた。
アメリカ太平洋艦隊の総司令部は依然ハワイ、真珠湾にあったものの新たにアメリカ極東艦隊を創設しその司令部をよりにもよってフィリピンのマニラに置いたのだ。
フィリピンに海軍基地を建設していたことからこの行動はある程度予測されていたがやはり現実になると厄介この上ない。
フィリピンから台湾の高雄までおよそ400海里ほどであり東京まではおよそ1000海里だった。
これだと戦艦部隊や空母部隊により本土が危険に及ぶ危険があった。
そしてまた指揮所がマニラになることはその行動がさらに柔軟さを増すことを意味していた。
日本政府はアメリカ極東艦隊の解体を要求したが”先にそちらが艦隊戦力を削減する方が先だ”とアメリカ政府は頑なな態度を取った。
「もはや…これまでだな」
堀は真っ先に言った。
軍令部の一室でいつもの3人が集まっていた。
ただ堀は軍令部次長、山本は海軍大臣、塩沢は連合艦隊司令長官になっており、この海兵32期の親友たちで日本海軍のあらゆることが決定されるため、この会議は国政に直結するのだ。
つまり、堀が言った”もはや…これまでだな”という言葉はそのまま国政に反映される可能性が高いのだ。
「すでに資源の調達は目途がついている。そこまで焦る必要はないと思うが」
山本の言葉に堀は部分的に同意した。
「確かにそうだ。だがアメリカは悠長に待っていてくれんのだ」
そういうと堀はもってきていた資料を山本と塩沢に見せる。であ
「アメリカが建艦を予定している艦の設計図だ。陸軍の特務機関と協力して何とかもぎ取ってきた」
そこには総トン数が30000トンは超えるであろう空母や41㎝砲を3基9門搭載した戦艦の姿があった。
「空母の方は4隻、戦艦は8隻建造中で1942年初旬に続々と竣工するらしい」
堀はそう言った。
「空母に関しては我々の方が数は多いが…戦艦に関しては差を開けられるばかりだ。無論、戦艦はそこまで脅威ではないとしても、やはり心配ではある」
塩沢の言葉に山本も頷かざるを得ない。
「だから、今年に戦いを仕掛けるのだ。今年なら戦力差はまだ広がらない。どうせアメリカはいつか戦争を仕掛けてくるのだ」
「なるほどな」
山本は納得したと同時に腹を決めた。
「対米戦止む無し、か」
塩沢から漏れた言葉に堀と山本も頷いた。
1941年6月22日にはドイツがソ連に奇襲攻撃を仕掛けて東部戦線の戦端が開かれた。
また太平洋でも戦争の足音がこつんこつんと近寄ってきていた。
アメリカ太平洋艦隊の総司令部は依然ハワイ、真珠湾にあったものの新たにアメリカ極東艦隊を創設しその司令部をよりにもよってフィリピンのマニラに置いたのだ。
フィリピンに海軍基地を建設していたことからこの行動はある程度予測されていたがやはり現実になると厄介この上ない。
フィリピンから台湾の高雄までおよそ400海里ほどであり東京まではおよそ1000海里だった。
これだと戦艦部隊や空母部隊により本土が危険に及ぶ危険があった。
そしてまた指揮所がマニラになることはその行動がさらに柔軟さを増すことを意味していた。
日本政府はアメリカ極東艦隊の解体を要求したが”先にそちらが艦隊戦力を削減する方が先だ”とアメリカ政府は頑なな態度を取った。
「もはや…これまでだな」
堀は真っ先に言った。
軍令部の一室でいつもの3人が集まっていた。
ただ堀は軍令部次長、山本は海軍大臣、塩沢は連合艦隊司令長官になっており、この海兵32期の親友たちで日本海軍のあらゆることが決定されるため、この会議は国政に直結するのだ。
つまり、堀が言った”もはや…これまでだな”という言葉はそのまま国政に反映される可能性が高いのだ。
「すでに資源の調達は目途がついている。そこまで焦る必要はないと思うが」
山本の言葉に堀は部分的に同意した。
「確かにそうだ。だがアメリカは悠長に待っていてくれんのだ」
そういうと堀はもってきていた資料を山本と塩沢に見せる。であ
「アメリカが建艦を予定している艦の設計図だ。陸軍の特務機関と協力して何とかもぎ取ってきた」
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「空母の方は4隻、戦艦は8隻建造中で1942年初旬に続々と竣工するらしい」
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塩沢の言葉に山本も頷かざるを得ない。
「だから、今年に戦いを仕掛けるのだ。今年なら戦力差はまだ広がらない。どうせアメリカはいつか戦争を仕掛けてくるのだ」
「なるほどな」
山本は納得したと同時に腹を決めた。
「対米戦止む無し、か」
塩沢から漏れた言葉に堀と山本も頷いた。
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