神速艦隊

第2次欧州大戦

第1次攻撃隊

「攻撃隊が大敗したか…」
この情報に戦艦ビスマルクの艦橋は騒然となった。
ただデーニッツは冷静さを失わずすぐに直掩隊の出撃準備を命令した。
攻撃隊の回収はグラーフ・ツェッペリン級3番艦であるフォン・デア・タンに任せて残りのグラーフ・ツェッペリン、モルトケ、ザイドリッツは直掩の戦闘機の準備をすることにしたのだ。
ただ直掩隊は60機少々でありこの点に関してはデーニッツはかなりの不安を抱えていた。
「厳しい戦いになるな」
デーニッツは自分の心に反して晴れ晴れとした空を恨めしそうに見つめた。


第1次攻撃隊は艦戦67機、艦攻66機、艦爆53機の186機だった。
攻撃隊総指揮は江草大尉が執った。
これに対してデーニッツはすぐに63機のBf109を迎撃に上げた。
迎撃隊は出来るだけ零戦と戦うことを避け攻撃隊を撃破する事に主眼を置くことにしていたが零戦の方がBf109よりわずかに優速でありなかなか掻い潜ることが出来なかった。
それでも艦戦13機、艦攻6機、艦爆5機を撃墜したがBf109も36機喪失して壊滅した。
そして攻撃隊は次々と攻撃を開始した。


デーニッツ機動部隊は輪形陣を組んで日本軍の攻撃隊を待ち構えていた。
そしてしゃかりきになって対空砲火を打ち上げる。
だが日本軍攻撃隊はかなり早く、次々と急降下爆撃の態勢に入る。
4隻の空母は機動性が高く回避は比較的容易だったのだが江草機が先陣を切りグラーフ・ツェッペリンに500㎏爆弾をねじ込んだ。
グラーフ・ツェペリンは元となったヨークタウン級空母と同じく搭載機数を重視するあまり防御面をかなり軽視していた。
そこに500㎏爆弾が命中した。
飛行甲板は完全に破壊され速力は一時的に23ノットまで低下した。
そこに他の隊も続きさらに4発の500㎏爆弾を命中させた。
グラーフ・ツェッペリンの命運はここに尽きた。
また他の空母も2発から3発の500㎏爆弾を喰らい黒煙をもうもうと吹かせていた。
そのさなかに雷撃隊が突入した。
海面すれすれを這うように飛行し瀕死の空母に魚雷を投下していった。
速度が大幅に低下していたこともあり3隻の空母はフォン・デア・タンを除き撃沈された。
また手持無沙汰になった雷撃隊や爆撃隊は周りの補助艦に攻撃。
ビスマルクに爆弾1発と魚雷1発、シャルンホルストに魚雷1発、アドミラル・ヒッパーに3発の爆弾を命中させた。
アドミラル・ヒッパーはあえなく撃沈された。
ただ第1次攻撃隊も艦攻12機、艦爆9機を対空砲火で失っており戦闘が始まってから30分で撤退した。