神速艦隊

第2次欧州大戦

サマヴィル艦隊壊滅

夜になりサマヴィル艦隊の駆逐艦は警戒態勢を執った。
夜間と言うのはまさに潜水艦にとって勝手知ったる所であり弱体化したサマヴィル艦隊を攻撃することは目に見えてた。
これまでの戦いで駆逐艦は攻撃を受けておらず万全の状況だった。
そして各駆逐艦のソナーが一斉に反応する。
「敵潜水艦が来ました！」
サマヴィルは分かり切っていたような顔で対潜戦闘を命令した。


この時サマヴィル艦隊を攻撃しようとしていたのは11隻の潜水艦だった。
11隻はサマヴィル艦隊を囲み、一気に間合いを詰める。
こうすることで各個撃破を避け確実に攻撃を加えることが出来た。
11隻の内、2隻は攻撃前に爆雷によって撃沈されたが9隻は魚雷発射管を全て開け合計27本の魚雷をサマヴィル艦隊に放った。
完全に包囲されている状況で全ての魚雷を回避することは不可能だった。
戦艦ネルソンに2本、戦艦マースに1本、戦艦ジュピターに3本、戦艦ウォースパイトに2本、重巡コンウォールに2本、また駆逐艦2隻に1本づつ命中した。
この中で沈没を免れたのは重巡コンウォールだけであり海面では燃え盛る艦船と重油、そして漂流する水兵達で溢れかえった。
水兵達を救助するためにサマヴィル艦隊はたっぷり1時間を費やしやっとイギリス本土に撤退し始めたころには時刻は午前2時となっていた。


4時間後の8月13日午前6時12分。
既に日は昇っていたのにも関わらず艦隊は48海里しか前進できなかった。
「敵機接近！」
サマヴィルはリーチからの報告を受けてすぐに対空戦闘の用意を命令した。
だが彼もすでにこの艦隊に対空戦闘能力がほとんど残されていないことを理解していた。


早朝早々からサマヴィル艦隊の攻撃に赴いたのは65機のBf109と82機のスツーカだった。
スツーカは戦艦への攻撃はそこそこに生き残っていた補助艦を優先的に攻撃した。
そして重巡ケント、サフォーク、ヨーク、エクセターを瞬く間に葬り残存していた空母ウォーリーとハーミーズにとどめを刺した。
また駆逐艦4隻も同時に撃沈しており6隻の戦艦は丸裸となった。


「砲撃開始！」
デーニッツの号令に呼応してビスマルクの38㎝砲が火を噴く。
合計8発の砲弾は容赦なくロドニーを突き刺し、破壊した。
サマヴィル艦隊は反撃しようとしてもすでに幾度もの空襲や雷撃を受けてもはやその力はなかった。
数分後にはシャルンホルスト、グナイゼナウも砲撃戦に加わり午前10時頃にはサマヴィル艦隊の戦艦は須らく海面下に没した。