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海軍のデッドレース
アメリカ海軍の膨張
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日本が基礎的な工業力の底上げを図っている頃アメリカはあらゆる面で膨張していた。
経済も青天井でそれは海軍にも言えた。
1929年までにアメリカ海軍はダニエルズプランと6カ年計画により戦艦は52隻に、巡洋戦艦は12隻、空母は10隻に巡洋艦以下はおよそ500隻に達しておりアメリカ海軍の総数は600隻に達していた。
だがこの戦力をそろえるのに多額の税金が投入されており経済政策はおざなりだった。
ただモンロー主義を掲げるためには1国で世界を相手できる海軍をそろえるほかなかったのだ。
アメリカ海軍の膨張に列強諸国は追従した。
イギリスはネルソン級4隻、レナウン級巡洋戦艦4隻、グローリアス級4隻以下50隻の艦隊整備改革を推し進めフランスはノルマンディー級戦艦4隻を完成させさらに同級を強化したダンケルク級戦艦を4隻建造することを決定、これに対抗してイタリアもカイオ・ドゥイリオ級戦艦を新たに4隻建造することになった。
これは日本も例外でなかった。
日本は1927年度に新造空母の建造に着手していたのだ。
1927年度計画空母
計画数:4隻
基準排水量:22000トン
全長:237m
全幅:30m
兵装:40口径12.7cm連装高角砲6基、25㎜3連装機銃8基
艦載機数:80機程度
最高速力:32ノット
航続距離:18ノットで8000海里
艦橋はこれまでの空母運用から得た知見により右舷にありその上に煙突があった。
また格納庫は2層あり日本海軍のなかで最大の艦載機数を誇った。
ただ艦載機は年を追うごとに大型化しておりいずれは70機程度になるだろうと見込まれていた。
だがアメリカのレンジャー級に匹敵する空母を手に入れたのは確かであり、速度と装甲ではレンジャー級を上回っていた。
これは金剛型や天城型、古鷹型と共に行動できるようにするためであった。
「此度は中将のお力添えまことに感謝いたします」
堀悌吉は深々と頭を下げる。
「良い良い。君の論は筋が通ているらな」
伏見宮はそう言った。
彼の言う”君の論”とは1927年度計画空母の要望案であった。
当初、艦政本部は速力は25ノットで良いと考えていた。
これは現在の金剛型の速力が25ノットであるからだがこれに堀は要望案を出したのだ。
”未来の海戦は高速戦になるため空母の速力は早いに越したことはない”
これを見た伏見宮は”確かに”と納得し艦政本部に働きかけたのである。
「そのことなのですが、この要望案は私だけのものではないのです」
唐突に堀は言った。
「では他にも同じようなことを言っている者がいるのか」
「はい、山本五十六と塩沢幸一と言う男です」
経済も青天井でそれは海軍にも言えた。
1929年までにアメリカ海軍はダニエルズプランと6カ年計画により戦艦は52隻に、巡洋戦艦は12隻、空母は10隻に巡洋艦以下はおよそ500隻に達しておりアメリカ海軍の総数は600隻に達していた。
だがこの戦力をそろえるのに多額の税金が投入されており経済政策はおざなりだった。
ただモンロー主義を掲げるためには1国で世界を相手できる海軍をそろえるほかなかったのだ。
アメリカ海軍の膨張に列強諸国は追従した。
イギリスはネルソン級4隻、レナウン級巡洋戦艦4隻、グローリアス級4隻以下50隻の艦隊整備改革を推し進めフランスはノルマンディー級戦艦4隻を完成させさらに同級を強化したダンケルク級戦艦を4隻建造することを決定、これに対抗してイタリアもカイオ・ドゥイリオ級戦艦を新たに4隻建造することになった。
これは日本も例外でなかった。
日本は1927年度に新造空母の建造に着手していたのだ。
1927年度計画空母
計画数:4隻
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兵装:40口径12.7cm連装高角砲6基、25㎜3連装機銃8基
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最高速力:32ノット
航続距離:18ノットで8000海里
艦橋はこれまでの空母運用から得た知見により右舷にありその上に煙突があった。
また格納庫は2層あり日本海軍のなかで最大の艦載機数を誇った。
ただ艦載機は年を追うごとに大型化しておりいずれは70機程度になるだろうと見込まれていた。
だがアメリカのレンジャー級に匹敵する空母を手に入れたのは確かであり、速度と装甲ではレンジャー級を上回っていた。
これは金剛型や天城型、古鷹型と共に行動できるようにするためであった。
「此度は中将のお力添えまことに感謝いたします」
堀悌吉は深々と頭を下げる。
「良い良い。君の論は筋が通ているらな」
伏見宮はそう言った。
彼の言う”君の論”とは1927年度計画空母の要望案であった。
当初、艦政本部は速力は25ノットで良いと考えていた。
これは現在の金剛型の速力が25ノットであるからだがこれに堀は要望案を出したのだ。
”未来の海戦は高速戦になるため空母の速力は早いに越したことはない”
これを見た伏見宮は”確かに”と納得し艦政本部に働きかけたのである。
「そのことなのですが、この要望案は私だけのものではないのです」
唐突に堀は言った。
「では他にも同じようなことを言っている者がいるのか」
「はい、山本五十六と塩沢幸一と言う男です」
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