68 / 102
連合軍の反撃
原子爆弾の副作用
しおりを挟む
ハワイを占領したアメリカ軍は久しぶりの勝利に沸いていた。
それは太平洋艦隊で最も顕著であった。
湾内にある溶けた日本艦隊を見て笑う将官が多数いた。
「我々は狂ってしまったのかもしれない」
太平洋艦隊の司令長官たるニミッツはそう嘆いたが彼の試練はこれだけで終わらなかった。
ハワイ諸島を奪還したのは良いが真珠湾は消滅しており1から港を造る必要があった。
また駐留後2日後から陸海問わず体調を壊す者が続出した。
それにはニミッツも含まれており、現地の将兵の間では日本軍が化学兵器を使用したという噂が広まった。
ニミッツが回復するまで代行を務めることになっていたハルゼーはこれを止めようとしたが止まらず、ついに新聞で掲載された。
無論、このような事実は一切なくアメリカが使用した新型爆弾、俗に”原子爆弾”と呼ばれる兵器の副作用であった。
だがそのようなことを露も知らないアメリカ国民は日本軍の化学兵器の使用を信じた。
そしてあろうことかニミッツが息を引き取り、アメリカ国民の戦意は最高潮に達した。
だがそれは艦隊では全く違った。
真珠湾の跡地には救護所が次々立てられそこに患者が次々に運び込まれる。
やっと太平洋艦隊首脳部はこれが原子爆弾の副作用であると気づき、防護服を全焼丙に配布したがあ余所半分に将兵が死に、4分の1は死を待つのみとなっていた。
この間、別動隊がミッドウェーを攻撃しこれを占領していたため太平洋艦隊はミッドウェーへ根拠地を移した。
「まさかこのようなことになるとは…」
ハルゼーはこれまでに起きたことを思い出して憂鬱になっていた。
ニミッツは死に、艦隊を動かす将兵も半数が死んだ。
本土から代替員が送られてきたが練度は低かった。
ミッドウェーこそ占領できたがアメリカ軍の方が損害が多く快勝とは言えなかった。
「日本軍はいまだ態勢を立て直せていないようです。ここは早急にマーシャル諸島へ攻撃すべきでしょう」
太平洋艦隊情報参謀のレイトンの言葉にハルゼーは眉を潜める。
「あの時のようなことは起こらないな?」
ハルゼーが言うのはもちろん2年前のマーシャル沖海戦だ。
「あそこまで一方的にやられることは無いでしょう。先に敵の飛行場を破壊すれば問題ないです。」
レイトンが太鼓判を押すとハルゼーはそれ以上聞こうとしなかった。
マーシャル沖海戦当初での二人の間柄は最悪だったが2年間の間にニミッツの元お互いを認めていた、
そして2人は今、ニミッツに勝利という花を手向けるため粉骨砕身の勢いで責務を果たそうとしていた。
それは太平洋艦隊で最も顕著であった。
湾内にある溶けた日本艦隊を見て笑う将官が多数いた。
「我々は狂ってしまったのかもしれない」
太平洋艦隊の司令長官たるニミッツはそう嘆いたが彼の試練はこれだけで終わらなかった。
ハワイ諸島を奪還したのは良いが真珠湾は消滅しており1から港を造る必要があった。
また駐留後2日後から陸海問わず体調を壊す者が続出した。
それにはニミッツも含まれており、現地の将兵の間では日本軍が化学兵器を使用したという噂が広まった。
ニミッツが回復するまで代行を務めることになっていたハルゼーはこれを止めようとしたが止まらず、ついに新聞で掲載された。
無論、このような事実は一切なくアメリカが使用した新型爆弾、俗に”原子爆弾”と呼ばれる兵器の副作用であった。
だがそのようなことを露も知らないアメリカ国民は日本軍の化学兵器の使用を信じた。
そしてあろうことかニミッツが息を引き取り、アメリカ国民の戦意は最高潮に達した。
だがそれは艦隊では全く違った。
真珠湾の跡地には救護所が次々立てられそこに患者が次々に運び込まれる。
やっと太平洋艦隊首脳部はこれが原子爆弾の副作用であると気づき、防護服を全焼丙に配布したがあ余所半分に将兵が死に、4分の1は死を待つのみとなっていた。
この間、別動隊がミッドウェーを攻撃しこれを占領していたため太平洋艦隊はミッドウェーへ根拠地を移した。
「まさかこのようなことになるとは…」
ハルゼーはこれまでに起きたことを思い出して憂鬱になっていた。
ニミッツは死に、艦隊を動かす将兵も半数が死んだ。
本土から代替員が送られてきたが練度は低かった。
ミッドウェーこそ占領できたがアメリカ軍の方が損害が多く快勝とは言えなかった。
「日本軍はいまだ態勢を立て直せていないようです。ここは早急にマーシャル諸島へ攻撃すべきでしょう」
太平洋艦隊情報参謀のレイトンの言葉にハルゼーは眉を潜める。
「あの時のようなことは起こらないな?」
ハルゼーが言うのはもちろん2年前のマーシャル沖海戦だ。
「あそこまで一方的にやられることは無いでしょう。先に敵の飛行場を破壊すれば問題ないです。」
レイトンが太鼓判を押すとハルゼーはそれ以上聞こうとしなかった。
マーシャル沖海戦当初での二人の間柄は最悪だったが2年間の間にニミッツの元お互いを認めていた、
そして2人は今、ニミッツに勝利という花を手向けるため粉骨砕身の勢いで責務を果たそうとしていた。
21
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
【完結済み】妹に婚約者を奪われたので実家の事は全て任せます。あぁ、崩壊しても一切責任は取りませんからね?
早乙女らいか
恋愛
当主であり伯爵令嬢のカチュアはいつも妹のネメスにいじめられていた。
物も、立場も、そして婚約者も……全てネメスに奪われてしまう。
度重なる災難に心が崩壊したカチュアは、妹のネメアに言い放つ。
「実家の事はすべて任せます。ただし、責任は一切取りません」
そして彼女は自らの命を絶とうとする。もう生きる気力もない。
全てを終わらせようと覚悟を決めた時、カチュアに優しくしてくれた王子が現れて……
童話の話。(こういう意味だろうなという考察)
ぺラダン
歴史・時代
童話っていろいろ結びつけられがちですが、大人になると子供には理解できる教訓を見逃してしまったりするので、多分こういう意味だろうな~っていうのをまとめました。あながち間違いではないと思います(迫真)こう思うよって話です。なんかこう、童話系の創作のキャラクターの性格や主義主張に当てはめて使うなり、煮るなり焼くなり食べるなりなんなりしてみてね。 あと本気でジャンル区分がわからないので教えてクレメンス、ノンフィクションにしておきます。ジャンル 考察ってあればいいね。
【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。
仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。
彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。
しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる……
そんなところから始まるお話。
フィクションです。
愛する彼には美しい愛人が居た…私と我が家を侮辱したからには、無事では済みませんよ?
coco
恋愛
私たちは仲の良い恋人同士。
そう思っていたのに、愛する彼には美しい愛人が…。
私と我が家を侮辱したからには、あなたは無事では済みませんよ─?
御懐妊
戸沢一平
歴史・時代
戦国時代の末期、出羽の国における白鳥氏と最上氏によるこの地方の覇権をめぐる物語である。
白鳥十郎長久は、最上義光の娘布姫を正室に迎えており最上氏とは表面上は良好な関係であったが、最上氏に先んじて出羽国の領主となるべく虎視淡々と準備を進めていた。そして、天下の情勢は織田信長に勢いがあると見るや、名馬白雲雀を献上して、信長に出羽国領主と認めてもらおうとする。
信長からは更に鷹を献上するよう要望されたことから、出羽一の鷹と評判の逸物を手に入れようとするが持ち主は白鳥氏に恨みを持つ者だった。鷹は譲れないという。
そんな中、布姫が懐妊する。めでたい事ではあるが、生まれてくる子は最上義光の孫でもあり、白鳥にとっては相応の対応が必要となった。
私の以外の誰かを愛してしまった、って本当ですか?
樋口紗夕
恋愛
「すまない、エリザベス。どうか俺との婚約を解消して欲しい」
エリザベスは婚約者であるギルベルトから別れを切り出された。
他に好きな女ができた、と彼は言う。
でも、それって本当ですか?
エリザベス一筋なはずのギルベルトが愛した女性とは、いったい何者なのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる