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連合軍の反撃

原子爆弾の副作用

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ハワイを占領したアメリカ軍は久しぶりの勝利に沸いていた。
それは太平洋艦隊で最も顕著であった。
湾内にある溶けた日本艦隊を見て笑う将官が多数いた。
「我々は狂ってしまったのかもしれない」
太平洋艦隊の司令長官たるニミッツはそう嘆いたが彼の試練はこれだけで終わらなかった。
ハワイ諸島を奪還したのは良いが真珠湾は消滅しており1から港を造る必要があった。
また駐留後2日後から陸海問わず体調を壊す者が続出した。
それにはニミッツも含まれており、現地の将兵の間では日本軍が化学兵器を使用したという噂が広まった。
ニミッツが回復するまで代行を務めることになっていたハルゼーはこれを止めようとしたが止まらず、ついに新聞で掲載された。
無論、このような事実は一切なくアメリカが使用した新型爆弾、俗に”原子爆弾”と呼ばれる兵器の副作用であった。
だがそのようなことを露も知らないアメリカ国民は日本軍の化学兵器の使用を信じた。
そしてあろうことかニミッツが息を引き取り、アメリカ国民の戦意は最高潮に達した。
だがそれは艦隊では全く違った。
真珠湾の跡地には救護所が次々立てられそこに患者が次々に運び込まれる。
やっと太平洋艦隊首脳部はこれが原子爆弾の副作用であると気づき、防護服を全焼丙に配布したがあ余所半分に将兵が死に、4分の1は死を待つのみとなっていた。
この間、別動隊がミッドウェーを攻撃しこれを占領していたため太平洋艦隊はミッドウェーへ根拠地を移した。


「まさかこのようなことになるとは…」
ハルゼーはこれまでに起きたことを思い出して憂鬱になっていた。
ニミッツは死に、艦隊を動かす将兵も半数が死んだ。
本土から代替員が送られてきたが練度は低かった。
ミッドウェーこそ占領できたがアメリカ軍の方が損害が多く快勝とは言えなかった。
「日本軍はいまだ態勢を立て直せていないようです。ここは早急にマーシャル諸島へ攻撃すべきでしょう」
太平洋艦隊情報参謀のレイトンの言葉にハルゼーは眉を潜める。
「あの時のようなことは起こらないな?」
ハルゼーが言うのはもちろん2年前のマーシャル沖海戦だ。
「あそこまで一方的にやられることは無いでしょう。先に敵の飛行場を破壊すれば問題ないです。」
レイトンが太鼓判を押すとハルゼーはそれ以上聞こうとしなかった。
マーシャル沖海戦当初での二人の間柄は最悪だったが2年間の間にニミッツの元お互いを認めていた、
そして2人は今、ニミッツに勝利という花を手向けるため粉骨砕身の勢いで責務を果たそうとしていた。
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