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パナマ・ロサンゼルス強襲作戦
パナマ運河攻撃
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「2隻程度の空母の損失は覚悟しなければならない。」
山口は空母玄龍で作戦会議を行うにあたり真っ先に告げる。
淵田はおろかその場に居た全員が頷いた。
パナマ運河は完全にアメリカの裏庭である。
そこに殴り込みをかけるのだからかなりの損害を覚悟するのは当然だった。
「だがだからと言って敢闘精神を忘れてはならない。」
山口は作戦会議をこう締めくくった。
9月2日の深夜に第2艦隊と第3航空艦隊は分離した。
そして9月3日に第3航空艦隊はパナマまで500海里まで接近した。
道中、アメリカ軍の重爆と思われる機影を電探が捉えたが第3航空艦隊とは別の方角へ飛んでいった。
「攻撃隊、発進用意!」
山口はマーシャルで井上が用いた戦法を採用した。
パナマに近づきすぎると民間船などから発見される可能性が高くなるからだ。
パナマ運河攻撃後に発見されるのなら作戦に支障はないが攻撃前に発見された場合に攻撃がとん挫する。
それは極力避けたかった。
ともかく攻撃隊は順次発進していき、午前2時32分には艦戦111機、艦爆34機、艦攻24機の総計169機がパナマ運河へ向かった。
また常に30機の零戦が艦隊上空に張り付いており、直掩機も60機程度残っていた。
パナマ運河守備隊のレーダーが第3航空艦隊の編隊を捉えたのは午前3時23分だった。
アメリカの戦勝気分は末端の兵士に浸透していた。
これが士官ともなると話は別だがレーダーを操ていたのは末端の兵士だった。
そのため彼らはこの編隊を敵襲とは思わず、申告ミスの航空隊の訓練だと判断した。
結局それは第3航空艦隊の編隊がパナマ運河上空に到達するまで続くことになった。
アメリカ軍からの攻撃を受けなかった攻撃隊は零戦54機と艦爆34機を除き5隊に分かれた。
パナマ運河には5個の閘門ありそれらを全て破壊するためだ。
ここで日の丸が描かれた機体が向かってきているのに気付いたアメリカ軍が対空砲で迎撃を始めたが54機の零戦が機銃掃射を始め20㎜を叩き込まれた対空砲は次々と沈黙していった。
その間に艦爆が飛行場に爆撃を敢行。
航空機の破壊はあまり行えなかったもののの滑走路は破壊しており、これでアメリカ軍は戦闘機の発進が不可能となった。
また艦攻隊も閘門に魚雷を命中させていく。
攻撃が開始されて1時間後にはパナマ運河は破壊され、停泊していた貨物船5隻、駆逐艦2隻も大破ないし撃沈された。
対して攻撃隊の損害は艦戦3機、艦爆1機、艦攻1機だった。
山口は空母玄龍で作戦会議を行うにあたり真っ先に告げる。
淵田はおろかその場に居た全員が頷いた。
パナマ運河は完全にアメリカの裏庭である。
そこに殴り込みをかけるのだからかなりの損害を覚悟するのは当然だった。
「だがだからと言って敢闘精神を忘れてはならない。」
山口は作戦会議をこう締めくくった。
9月2日の深夜に第2艦隊と第3航空艦隊は分離した。
そして9月3日に第3航空艦隊はパナマまで500海里まで接近した。
道中、アメリカ軍の重爆と思われる機影を電探が捉えたが第3航空艦隊とは別の方角へ飛んでいった。
「攻撃隊、発進用意!」
山口はマーシャルで井上が用いた戦法を採用した。
パナマに近づきすぎると民間船などから発見される可能性が高くなるからだ。
パナマ運河攻撃後に発見されるのなら作戦に支障はないが攻撃前に発見された場合に攻撃がとん挫する。
それは極力避けたかった。
ともかく攻撃隊は順次発進していき、午前2時32分には艦戦111機、艦爆34機、艦攻24機の総計169機がパナマ運河へ向かった。
また常に30機の零戦が艦隊上空に張り付いており、直掩機も60機程度残っていた。
パナマ運河守備隊のレーダーが第3航空艦隊の編隊を捉えたのは午前3時23分だった。
アメリカの戦勝気分は末端の兵士に浸透していた。
これが士官ともなると話は別だがレーダーを操ていたのは末端の兵士だった。
そのため彼らはこの編隊を敵襲とは思わず、申告ミスの航空隊の訓練だと判断した。
結局それは第3航空艦隊の編隊がパナマ運河上空に到達するまで続くことになった。
アメリカ軍からの攻撃を受けなかった攻撃隊は零戦54機と艦爆34機を除き5隊に分かれた。
パナマ運河には5個の閘門ありそれらを全て破壊するためだ。
ここで日の丸が描かれた機体が向かってきているのに気付いたアメリカ軍が対空砲で迎撃を始めたが54機の零戦が機銃掃射を始め20㎜を叩き込まれた対空砲は次々と沈黙していった。
その間に艦爆が飛行場に爆撃を敢行。
航空機の破壊はあまり行えなかったもののの滑走路は破壊しており、これでアメリカ軍は戦闘機の発進が不可能となった。
また艦攻隊も閘門に魚雷を命中させていく。
攻撃が開始されて1時間後にはパナマ運河は破壊され、停泊していた貨物船5隻、駆逐艦2隻も大破ないし撃沈された。
対して攻撃隊の損害は艦戦3機、艦爆1機、艦攻1機だった。
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