信濃の大空

ypaaaaaaa

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突入

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山口は爆装した流星で攻撃隊の指揮を執っていた。
前方に敵戦闘機が見え始める。
あいにく、護衛隊はいない。
「頼むぞ!何としてでも敵空母まで到達しなければならん!」
「任せてください!」
銃座は威勢よく返事をする。
敵戦闘機が各個目標を定めて銃撃をかける。
1機、また1機と確実に損害が増えていく。
だが、我々も敵戦闘機を撃墜している。
そしてついに、
「敵艦隊が見えたぞ!全機突入!」
直後に対空砲火の洗礼を受ける。
雷撃隊の損害は比較的軽微だったが爆撃隊の損害は凄まじかった。


「敵機、突入してきます!」
バークの悲鳴のような報告にミッチャーは双眼鏡を握る。
「雷撃機を先に始末しろ!やつらにはVT信管が効きにくい!」
対空砲火が集中されていく。
雷撃隊は魚雷を投下する前にバランスを崩し、海面に激突していく。
そして、全機魚雷を投下できないまま撃墜された。
「敵は全滅か。」
ミッチャーはバークに報告を仰ぐ。
「現在確認中ですが目視では確認できないということです。」
ミッチャーは胸をなでおろした。
がが、それは束の間の休息だった。
「敵機、急降下!」


山口の流星はこの機会を雲の中から見計らっていた。
そしてついに空母が自分に向かって艦尾を向けた。
「行くぞ!」
「いつでも!」
急降下が終わり、海面すれすれを飛行し始めた時対空砲火が始まる。
心臓までに響いてくる炸裂音はもう慣れた。
横滑りを駆使しながら空母に近づいていく。
そして距離は1500mを切った。


「早くあの機体を落とせ!」
ミッチャーは命令する。
「今までの敵機とは違い、当てられません!なにか技を駆使しているのかと!」
「今は技などどうでもいい!あの機体を撃墜せよ!」
この高度で攻撃してくるのなら雷撃隊だろう。
なら、かなり近くまでくるはずだ。
そこで叩ける。
ミッチャーのそんな腹積もりはその機体が急上昇し始めてたことで破壊された。


山口は最初から生還など考えていなかった。
だから、空母の一番の弱点であるエレベーターに狙いを定めていた。
ある程度の高度になると、反転して空母にむけて急降下を開始する。
酒樹もこんあ気持ちだったのだろうか。
「靖国で会いましょう!」
「あぁ!」
山口はかつての戦友を思い浮かべ、衝撃と共に事切れた。


「司令!駄目です!あの機体は爆弾を搭載していたようで、格納庫での爆発が止まりません!すでにこの艦は航行を停止しました!」
バークの報告にミッチャーは意を決した。
「総員、退艦!」
自分自身も駆逐艦に移乗しようとした。
艦橋から降りている最中にアメリカのものではないものを拾った。
「これは…日本のお守りか?」
漢字で必勝と書かれたお守りだった。
「おそらく、あの日本機のものだろう。」
ミッチャーはポケットにそれをしまった。
彼らを供養するために。
その後、ラッキーEと将兵から慕われ数々の激戦を潜り抜け来たエンタープライズはミッドウェーの海に没した。
奇しくもその海域は4年前に日本海軍の赤城、加賀、蒼龍、飛龍が沈没した海域と同じだった。
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