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第二十話 ジークフリートとシャルロットの出会い
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それはアモーゼ学園に入学してしばらくたった頃だ。
少し遅れてシャルロットが転入してきて、
僕たちが友達になって、少したった頃。
「アルバート坊ちゃま、ジーク様がいらっしゃっております」
母であるセレーネがそっとアルバートに耳打ちする。
アルバートの自室に、セレーネが出向くことは少ない。
アルバートは有事を悟った。
「何かありましたか? 母上」
アルバートが小声でセレーネに話しかけると、
セレーネが厳しい表情をする。
「よく聞いてね、アルバート。
アルドレッド商会が不渡りを出したわ。
不渡りっていうのは、簡単にいうとお金を支払えなくなったってことね。
そのことによってあなたのお友達のお嬢さんが悲しい目に合うかもしれない」
アルバートがセレーネに詰め寄る。
「なんとかならないんですか? 助ける方法は?」
アルバートの言葉にセレーネは頷いて、
エプロンのポケットから一枚の紙きれを取り出した。
「母上、これは?」
アルバートは驚きに目を見開く。
「小切手です。先代が……つまりあなたのおばあ様が、
私に下さったものよ。
私をクラウディア家の嫁として扱えないことに対する
慰謝料だって言って、私にくださったの。
もちろん何度も断ったけど、
それじゃあ気が済まないって無理やり置いて行かれたわ。
そうこうしているうちにおばあ様が亡くなられてしまったから、
あなたが成人したらこれを渡そうとずっと思っていたのよ」
アルバートは小切手に書かれた金額に口を閉ざす。
「先代だけは、私をクラウディア家の一員として扱ってくれたのね。
御三家の一つであるクラウディア家が資本を出すと世間に知らしめられたら、
アルドレッド商会は倒産を免れる」
セレーネの言葉にアルバートが頷いた。
「だけどあなたとお嬢さんの友情は、
やっぱり周囲に知られない方がいいわ。
あなたのお父様のことやジーク様のこともある」
セレーネが念を押す。
◇◇◇
「アルバートくん、遊びましょ」
漆黒の髪の少年が姿を現すと、
トレノの屋敷が騒然となる。
「殿下……またお忍びですか?」
屋敷の執事は凍り付くが、
アルバートは平然と少年を迎える。
「やあ、ジーク」
アルバートが気さくに声をかけると、
漆黒の髪の少年も軽く手を上げて応じる。
「よう! 王宮があまりにも退屈なものでな、
脳みそが溶けそうになって、
そんでお前ん家に逃げ出してきたってわけさ。
なんか面白いことない?」
ジークは頭の後ろで手を組んで歩き出した。
「客間にお茶の用意をさせようか?
チェスでもする?」
そんなことを話しながら、裏庭を歩いていると、
頭上から声が聞こえてきた。
「はあ? それはつまり、
我がクラウディア家に借金を申し込むと?」
声の主は屋敷の主である、
アルバートの父、ハリー・クラウディアのものだ。
「失礼は重々承知いたしております。
平に、平にご容赦を!」
怖いもの見たさであろうか、ジークがつま先立ちで
部屋を除く。
「ちょっと、やめなよ、ジーク!」
アルバートも小声でジークを嗜めるが、
視線は自然と窓の向こう側に行く。
土下座している男がいる。
「なんだ? あれ?」
ジークが窓の柵に手をかけて身を乗り出す。
「ただ金を貸せといっているのではありません。
王都の名門貴族であるクラウディア家に
我が社の株を買っていただきたいのです。
今我が社の危機を救って頂けますならば、
必ずやその株価を10倍、いや100倍にして御覧に入れます」
土下座男は、どんなに無下に扱われても一歩も引かずに、
当主のハリーに食い下がる。
「この私が信用できぬというのなら、
私の娘をご子息に差し上げましょう。
たった一人の自慢の娘でございます。
こう申してはなんですが、我が家も家名は
御三家の一つに名を連ねるアルドレッド家でございます。
家の格は十分に釣り合っております。
ご子息の将来にも必ずやプラスとなりましょう」
息子のことを引き合いに出されると、さすがのハリーも口を閉ざして
考えを巡らせている様子だ。
「あの土下座男、一体どういう奴なんだ?
実の娘を借金のかたにお前に差し出すってよ」
半ば呆れたようにジークが呟いた。
「自信があるんだよ。大したものだよ。
こんな状況に置かれているにも関わらず、
このピンチを乗り切りさえすれば、
自分なら必ず会社を立て直せると信じて、微塵も疑っていないんだから」
アルバートがクスリと笑みをもらした。
そこにシャルロットが現れる。
一瞬、シャルロットと目が合って、
アルバートは小さく首を横に振る。
その横で、ジークの時が止まる。
(なにこれ! 超かわいいんですけど)
ジークはドレスを着せられたシャルロットを
食い入るように見つめている。
ジークの心拍数が無駄に上がり、
思考がまともに働かなかない。
頭がふわふわとして、
全身がカッとなる。
「おっ! 噂をすればなんとやらだな。
こいつお前の親父さんに借金を申し込みにきた貧乏人の娘だぜ?」
口からするっと出てきた憎まれ口に、
ジークは思わず口を手で覆った。
(いやああああああ、俺のバカっ!
なんでこんな時に気の利いたことの
ひとつやふたつ言えねぇんだよ!
コイツの親父さんが借金をしなきゃならないほど、
大変な状況だっていうのに、相手の傷口に塩を塗り込んでどうすんだ)
ジークは心の中で悲鳴を上げる。
そんなジークにアルバートは微かに目を細める。
桜色のドレスに同じ色の髪飾りを着けたシャルロットは
確かに桜の精かと見まごうほどに可愛かった。
しかしアルバートはなんだか気に入らない。
隣で呆けたようにシャルロットを見つめているジークが、
妙に癪に触って仕方なかった。
(なんだろう。心の中がモヤモヤしてる)
そんなアルバートの嫉妬心が、つい言わせてしまった言葉である。
「興味ないよ」
言葉の衝撃波が今度はシャルロットを吹き飛ばす。
(うそ? アルバートが言ったの?
わたくしのことを……興味ないって……)
信じられないといった風に、
シャルロットが驚愕に目を見開いた。
「興味ないって……お前、借金のかたにこいつはお前の嫁になるんだろ?
なにせ家柄だけはいいからな」
シャルロットはジークの言葉など全く頭に入ってこなかった。
シャルロットはただ、ただ、心の友だと信じて疑わなかったアルバートに
興味がないと言われたことがショックで、
心のブリザードの中でうずくまる。
(聞いちゃ、いねぇな。
コイツには……俺の言葉は届かない)
ジークの心に痛みが走る。
(だってコイツが見つめているのは……俺ではなくて、アルバートなんだ)
ジークは少し泣きそうになった。
(泣かないわ。わたくしは泣いたりなんかしない)
シャルロットはそう言い聞かせて、
心のブリザードの中から立ち上がる。
そして気丈に顔を上げた。
「ごきげんよう。お二人はもしかして
わたくしのことをお話していらっしゃったのかしら」
そんなシャルロットの言葉にさえも、
ジークの心が引き攣れる。
「うるっせぇ、ブス!」
痛みと共に吐き出したジークの言葉に、
シャルロットの鉄拳が火を噴く。
ゴッ!
シャルロットの機嫌の悪さも相まって、
瞬殺だった。
シューっと音を立てて、
ジークはその場に倒れ伏したというわけだ。
「え? ちょっとジーク? しっかりしなよ。
っていうか、君、彼が誰だかわかってる?」
さすがにアルバートがジークに駆け寄って助け起こす。
「彼はジークフリート・レイランド。
この国の王太子だ」
しかしシャルロットは、アルバートの言葉に顔色一つ変えなかった。
少し遅れてシャルロットが転入してきて、
僕たちが友達になって、少したった頃。
「アルバート坊ちゃま、ジーク様がいらっしゃっております」
母であるセレーネがそっとアルバートに耳打ちする。
アルバートの自室に、セレーネが出向くことは少ない。
アルバートは有事を悟った。
「何かありましたか? 母上」
アルバートが小声でセレーネに話しかけると、
セレーネが厳しい表情をする。
「よく聞いてね、アルバート。
アルドレッド商会が不渡りを出したわ。
不渡りっていうのは、簡単にいうとお金を支払えなくなったってことね。
そのことによってあなたのお友達のお嬢さんが悲しい目に合うかもしれない」
アルバートがセレーネに詰め寄る。
「なんとかならないんですか? 助ける方法は?」
アルバートの言葉にセレーネは頷いて、
エプロンのポケットから一枚の紙きれを取り出した。
「母上、これは?」
アルバートは驚きに目を見開く。
「小切手です。先代が……つまりあなたのおばあ様が、
私に下さったものよ。
私をクラウディア家の嫁として扱えないことに対する
慰謝料だって言って、私にくださったの。
もちろん何度も断ったけど、
それじゃあ気が済まないって無理やり置いて行かれたわ。
そうこうしているうちにおばあ様が亡くなられてしまったから、
あなたが成人したらこれを渡そうとずっと思っていたのよ」
アルバートは小切手に書かれた金額に口を閉ざす。
「先代だけは、私をクラウディア家の一員として扱ってくれたのね。
御三家の一つであるクラウディア家が資本を出すと世間に知らしめられたら、
アルドレッド商会は倒産を免れる」
セレーネの言葉にアルバートが頷いた。
「だけどあなたとお嬢さんの友情は、
やっぱり周囲に知られない方がいいわ。
あなたのお父様のことやジーク様のこともある」
セレーネが念を押す。
◇◇◇
「アルバートくん、遊びましょ」
漆黒の髪の少年が姿を現すと、
トレノの屋敷が騒然となる。
「殿下……またお忍びですか?」
屋敷の執事は凍り付くが、
アルバートは平然と少年を迎える。
「やあ、ジーク」
アルバートが気さくに声をかけると、
漆黒の髪の少年も軽く手を上げて応じる。
「よう! 王宮があまりにも退屈なものでな、
脳みそが溶けそうになって、
そんでお前ん家に逃げ出してきたってわけさ。
なんか面白いことない?」
ジークは頭の後ろで手を組んで歩き出した。
「客間にお茶の用意をさせようか?
チェスでもする?」
そんなことを話しながら、裏庭を歩いていると、
頭上から声が聞こえてきた。
「はあ? それはつまり、
我がクラウディア家に借金を申し込むと?」
声の主は屋敷の主である、
アルバートの父、ハリー・クラウディアのものだ。
「失礼は重々承知いたしております。
平に、平にご容赦を!」
怖いもの見たさであろうか、ジークがつま先立ちで
部屋を除く。
「ちょっと、やめなよ、ジーク!」
アルバートも小声でジークを嗜めるが、
視線は自然と窓の向こう側に行く。
土下座している男がいる。
「なんだ? あれ?」
ジークが窓の柵に手をかけて身を乗り出す。
「ただ金を貸せといっているのではありません。
王都の名門貴族であるクラウディア家に
我が社の株を買っていただきたいのです。
今我が社の危機を救って頂けますならば、
必ずやその株価を10倍、いや100倍にして御覧に入れます」
土下座男は、どんなに無下に扱われても一歩も引かずに、
当主のハリーに食い下がる。
「この私が信用できぬというのなら、
私の娘をご子息に差し上げましょう。
たった一人の自慢の娘でございます。
こう申してはなんですが、我が家も家名は
御三家の一つに名を連ねるアルドレッド家でございます。
家の格は十分に釣り合っております。
ご子息の将来にも必ずやプラスとなりましょう」
息子のことを引き合いに出されると、さすがのハリーも口を閉ざして
考えを巡らせている様子だ。
「あの土下座男、一体どういう奴なんだ?
実の娘を借金のかたにお前に差し出すってよ」
半ば呆れたようにジークが呟いた。
「自信があるんだよ。大したものだよ。
こんな状況に置かれているにも関わらず、
このピンチを乗り切りさえすれば、
自分なら必ず会社を立て直せると信じて、微塵も疑っていないんだから」
アルバートがクスリと笑みをもらした。
そこにシャルロットが現れる。
一瞬、シャルロットと目が合って、
アルバートは小さく首を横に振る。
その横で、ジークの時が止まる。
(なにこれ! 超かわいいんですけど)
ジークはドレスを着せられたシャルロットを
食い入るように見つめている。
ジークの心拍数が無駄に上がり、
思考がまともに働かなかない。
頭がふわふわとして、
全身がカッとなる。
「おっ! 噂をすればなんとやらだな。
こいつお前の親父さんに借金を申し込みにきた貧乏人の娘だぜ?」
口からするっと出てきた憎まれ口に、
ジークは思わず口を手で覆った。
(いやああああああ、俺のバカっ!
なんでこんな時に気の利いたことの
ひとつやふたつ言えねぇんだよ!
コイツの親父さんが借金をしなきゃならないほど、
大変な状況だっていうのに、相手の傷口に塩を塗り込んでどうすんだ)
ジークは心の中で悲鳴を上げる。
そんなジークにアルバートは微かに目を細める。
桜色のドレスに同じ色の髪飾りを着けたシャルロットは
確かに桜の精かと見まごうほどに可愛かった。
しかしアルバートはなんだか気に入らない。
隣で呆けたようにシャルロットを見つめているジークが、
妙に癪に触って仕方なかった。
(なんだろう。心の中がモヤモヤしてる)
そんなアルバートの嫉妬心が、つい言わせてしまった言葉である。
「興味ないよ」
言葉の衝撃波が今度はシャルロットを吹き飛ばす。
(うそ? アルバートが言ったの?
わたくしのことを……興味ないって……)
信じられないといった風に、
シャルロットが驚愕に目を見開いた。
「興味ないって……お前、借金のかたにこいつはお前の嫁になるんだろ?
なにせ家柄だけはいいからな」
シャルロットはジークの言葉など全く頭に入ってこなかった。
シャルロットはただ、ただ、心の友だと信じて疑わなかったアルバートに
興味がないと言われたことがショックで、
心のブリザードの中でうずくまる。
(聞いちゃ、いねぇな。
コイツには……俺の言葉は届かない)
ジークの心に痛みが走る。
(だってコイツが見つめているのは……俺ではなくて、アルバートなんだ)
ジークは少し泣きそうになった。
(泣かないわ。わたくしは泣いたりなんかしない)
シャルロットはそう言い聞かせて、
心のブリザードの中から立ち上がる。
そして気丈に顔を上げた。
「ごきげんよう。お二人はもしかして
わたくしのことをお話していらっしゃったのかしら」
そんなシャルロットの言葉にさえも、
ジークの心が引き攣れる。
「うるっせぇ、ブス!」
痛みと共に吐き出したジークの言葉に、
シャルロットの鉄拳が火を噴く。
ゴッ!
シャルロットの機嫌の悪さも相まって、
瞬殺だった。
シューっと音を立てて、
ジークはその場に倒れ伏したというわけだ。
「え? ちょっとジーク? しっかりしなよ。
っていうか、君、彼が誰だかわかってる?」
さすがにアルバートがジークに駆け寄って助け起こす。
「彼はジークフリート・レイランド。
この国の王太子だ」
しかしシャルロットは、アルバートの言葉に顔色一つ変えなかった。
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