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57.兄と妹
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L4宙域から母国に戻る戦艦『White Wing』に乗船するユウラは、
きつく唇を噛み締めて、窓の外を見つめている。
「ユウラ・エルドレッドさん……大丈夫?」
そう言って、ルーク・レイランドがユウラに
スポーツドリンクを差し出した。
「あっ、大丈夫です。
すいません」
ユウラは、はっとしたようにルークに気づいて、
スポーツドリンクを受け取った。
「そりゃあ、びっくりもするよね。
事情も分からず、父君に呼ばれて
いきなり戦艦に乗せられて、ここに来てみれば、
最愛の婚約者が敵兵の的にされてるんだもの」
ルークが心配そうに眉根を寄せた。
「そうですね、もう生きた心地がしませんでした。
ウォルフはいつも何も話してくれないんです。
いつも飄々としていて、余裕たっぷりに笑うから、
大丈夫なのかなって、なんとなく思ってしまうんですけど、
まったく大丈夫じゃないですね」
そう言ってユウラが疲労の滲んだ表情を見せる。
「そうでもないんだけどね、
あの状況でも本人は勝つもりでいたらしいよ?
まあ、ウォルフならなんとかなったんじゃなかなって僕も思うし」
小首を傾げるルークに、ユーラはがっくりと肩を落とした。
「凡人の私にはわかりかねます」
ユウラが盛大にため息を吐いたので、
ルークが気まずそうに頬を人差し指で掻いた。
「最初は父の傍らにあって、その補佐となりたいと
そしてウォルフを戦場に送るようになってからは、
ウォルフの傍にありたいと強く願うようになって、
がむしゃらに騎士になるために努力してきたんですが、
今の私では、足でまといになりこそすれ、とてもウォルフを
守ることのできる力量がなくて……」
ユウラが頼りなげに自身の肩を抱いた。
「アカデミーにも入学したばかりなのだから、
それは仕方がないんじゃないの?」
そう言ってルークがユウラを抱き寄せた。
「焦らなくていい、
ひとつひとつ積み上げていけばいいんだ」
ルークがユウラの髪を愛おし気に撫でた。
「ルーク……教官?」
ユウラの目が驚きに見開かれる。
「身構えなくてもいいよ。
僕が君を抱きしめても、多分ウォルフは怒らない。
何せ僕は君の教官であり、ウォルフの親友であり、
そして君の実の兄なのだから」
ルークが、ユウラに優しく笑いかける。
その笑顔に、ユウラは確かに引っかかるものがある。
ユウラは軍服の胸ポケットから
金のオーバル型のロケットを取り出した。
ロケットを開くと、オルゴールの音色が懐かしい旋律を奏で、
写真に写る亡き母がやさしく微笑みかけている。
ルークの顔はその母と、あまりにも酷似している。
「似ているでしょ?」
そう言ってルークはいたずらっぽくユウラに笑いかける。
「この人はね、っていうか僕たちの母上の名前は、
リージェ・レイランドといって、
大祭司の家系であるレイランド家の一人娘だったんだ」
ユウラにとってそれは初耳だった。
あまりにも幼いときに母を亡くしたので、
その記憶は朧気で、母の本当の名前すら、
ユウラはこの時まで知らなかったのだ。
このロケットの写真だけが、
母を知るための唯一の手掛かりだった。
「大祭司の娘って……祭司は特別な存在でしょう?
たしか王族か、同じく祭司の身分にある者にしか
嫁ぐことが出来ないはず……」
ユウラはレッドロラインで定められた律法を、
必死に思い出す。
ゆえに祭司の娘たちは決して他の身分の者たちに、
特に異性にその姿をさらすことはしないで過ごす。
「お父様とお母様は
一体どうやって出会ったというの?」
ユウラの問いに、ルークが笑いを忍ばせた。
「それがね、アカデミーの武闘会なんだって。
間違ってもロマンチックな舞踏会ではないよ?
母が身分を偽りお忍びで参加した武闘会で、
優勝候補だった将軍家の子息だった父上を
完膚なきまでに叩きのめしたそうだよ?」
ユウラが目を瞬かせる。
「女の子に叩きのめされた父上は、
どうしても母上に勝ちたくて、
再戦を挑んだんだ。
だけど母上は果たし状をラブレターだと勘違いして、
スカートで父に会いに行ったそうだ。
かくして果たし合いはデートに代わり、
そういう感じで二人の交際はスタートしたらしい」
ルークがおかしくて仕方がないといった風情で、
クスクスと笑っているが、
ユウラは堅物の父にそんな甘酸っぱい過去が
あったなどということが、頭の中で上手く繋がらない。
「そういうわけで、父上と母上は深く愛し合うようになったのだけど、
母上の実家であるレイランド家は、
意地でも二人の結婚を認めなかったそうだ。
そしてあるとき、父上を諦めさせるために、
二人の間に初子として産まれる者を神への請願の子として、
レイランド家に捧げるようにと条件を出したんだ。
父上はそれを受けた。
そして捧げられたのが、僕というわけさ」
ルークはそう言って、あっけらかんと笑って見せる。
「僕というわけさ……って、
は? 自分の子を手放すとか意味がわからないんですけど」
ユウラが眉を吊り上げる。
「いや、手放すというか、平日は母方のおじいちゃんとおばあちゃんに
預けられていたっていう感じなのね。
君は知らないだろうけど、しょっちゅうエルドレッド家にも、
帰っていたし、こう見えても親子関係は結構良好なんだよ?」
ルークに含みはないし、
影もない。
「だけどっ! それでもっ!」
ユウラの声に怒りが滲む。
兄という存在を今まで知らずに育った。
愛し、愛されるはずのかけがえのない存在を、
自分は知らされずに育ったのだ。
(それにも増して、この人はどうなる?)
ユウラはルークを見つめた。
(親同士の都合で子供を手放すとか、あり得ないんですけど)
ユウラの頬にとめどなく涙が伝う。
ユウラは耐え切れず、下を向いて号泣した。
号泣するユウラに、ルークがギョッとする。
「あ……あのね、ユウラ、勘違いしないで。
僕は別に養子に出されたことを恨んでるとか、そういうのはないからね。
正直にいうと、幼い頃は悲しみはあったんだけど、その悲しみがあったから、
神という存在を信じることができて、
その神に対して仕えるという人生を選ぶことができたんだ」
ユウラがルークの言葉に顔を上げた。
「僕は軍に身を置いて、一応アカデミーの教官をやってるわけだけど、
レッドロラインはユウラも知っている通り志願制だから、
こう見えて本職は祭司というか、Pastorやってます」
ルークの鳶色の瞳はひどく澄んでいる。
「あなたは恨んでいないの?」
ユウラはルークに思わずそう問うた。
「最愛の子供を手放さなければならなかった親と、
手放された子と、一体どっちが辛かったんだろうね」
ルークはそういって微笑んだ。
その微笑みをユウラは深いと思った。
きつく唇を噛み締めて、窓の外を見つめている。
「ユウラ・エルドレッドさん……大丈夫?」
そう言って、ルーク・レイランドがユウラに
スポーツドリンクを差し出した。
「あっ、大丈夫です。
すいません」
ユウラは、はっとしたようにルークに気づいて、
スポーツドリンクを受け取った。
「そりゃあ、びっくりもするよね。
事情も分からず、父君に呼ばれて
いきなり戦艦に乗せられて、ここに来てみれば、
最愛の婚約者が敵兵の的にされてるんだもの」
ルークが心配そうに眉根を寄せた。
「そうですね、もう生きた心地がしませんでした。
ウォルフはいつも何も話してくれないんです。
いつも飄々としていて、余裕たっぷりに笑うから、
大丈夫なのかなって、なんとなく思ってしまうんですけど、
まったく大丈夫じゃないですね」
そう言ってユウラが疲労の滲んだ表情を見せる。
「そうでもないんだけどね、
あの状況でも本人は勝つもりでいたらしいよ?
まあ、ウォルフならなんとかなったんじゃなかなって僕も思うし」
小首を傾げるルークに、ユーラはがっくりと肩を落とした。
「凡人の私にはわかりかねます」
ユウラが盛大にため息を吐いたので、
ルークが気まずそうに頬を人差し指で掻いた。
「最初は父の傍らにあって、その補佐となりたいと
そしてウォルフを戦場に送るようになってからは、
ウォルフの傍にありたいと強く願うようになって、
がむしゃらに騎士になるために努力してきたんですが、
今の私では、足でまといになりこそすれ、とてもウォルフを
守ることのできる力量がなくて……」
ユウラが頼りなげに自身の肩を抱いた。
「アカデミーにも入学したばかりなのだから、
それは仕方がないんじゃないの?」
そう言ってルークがユウラを抱き寄せた。
「焦らなくていい、
ひとつひとつ積み上げていけばいいんだ」
ルークがユウラの髪を愛おし気に撫でた。
「ルーク……教官?」
ユウラの目が驚きに見開かれる。
「身構えなくてもいいよ。
僕が君を抱きしめても、多分ウォルフは怒らない。
何せ僕は君の教官であり、ウォルフの親友であり、
そして君の実の兄なのだから」
ルークが、ユウラに優しく笑いかける。
その笑顔に、ユウラは確かに引っかかるものがある。
ユウラは軍服の胸ポケットから
金のオーバル型のロケットを取り出した。
ロケットを開くと、オルゴールの音色が懐かしい旋律を奏で、
写真に写る亡き母がやさしく微笑みかけている。
ルークの顔はその母と、あまりにも酷似している。
「似ているでしょ?」
そう言ってルークはいたずらっぽくユウラに笑いかける。
「この人はね、っていうか僕たちの母上の名前は、
リージェ・レイランドといって、
大祭司の家系であるレイランド家の一人娘だったんだ」
ユウラにとってそれは初耳だった。
あまりにも幼いときに母を亡くしたので、
その記憶は朧気で、母の本当の名前すら、
ユウラはこの時まで知らなかったのだ。
このロケットの写真だけが、
母を知るための唯一の手掛かりだった。
「大祭司の娘って……祭司は特別な存在でしょう?
たしか王族か、同じく祭司の身分にある者にしか
嫁ぐことが出来ないはず……」
ユウラはレッドロラインで定められた律法を、
必死に思い出す。
ゆえに祭司の娘たちは決して他の身分の者たちに、
特に異性にその姿をさらすことはしないで過ごす。
「お父様とお母様は
一体どうやって出会ったというの?」
ユウラの問いに、ルークが笑いを忍ばせた。
「それがね、アカデミーの武闘会なんだって。
間違ってもロマンチックな舞踏会ではないよ?
母が身分を偽りお忍びで参加した武闘会で、
優勝候補だった将軍家の子息だった父上を
完膚なきまでに叩きのめしたそうだよ?」
ユウラが目を瞬かせる。
「女の子に叩きのめされた父上は、
どうしても母上に勝ちたくて、
再戦を挑んだんだ。
だけど母上は果たし状をラブレターだと勘違いして、
スカートで父に会いに行ったそうだ。
かくして果たし合いはデートに代わり、
そういう感じで二人の交際はスタートしたらしい」
ルークがおかしくて仕方がないといった風情で、
クスクスと笑っているが、
ユウラは堅物の父にそんな甘酸っぱい過去が
あったなどということが、頭の中で上手く繋がらない。
「そういうわけで、父上と母上は深く愛し合うようになったのだけど、
母上の実家であるレイランド家は、
意地でも二人の結婚を認めなかったそうだ。
そしてあるとき、父上を諦めさせるために、
二人の間に初子として産まれる者を神への請願の子として、
レイランド家に捧げるようにと条件を出したんだ。
父上はそれを受けた。
そして捧げられたのが、僕というわけさ」
ルークはそう言って、あっけらかんと笑って見せる。
「僕というわけさ……って、
は? 自分の子を手放すとか意味がわからないんですけど」
ユウラが眉を吊り上げる。
「いや、手放すというか、平日は母方のおじいちゃんとおばあちゃんに
預けられていたっていう感じなのね。
君は知らないだろうけど、しょっちゅうエルドレッド家にも、
帰っていたし、こう見えても親子関係は結構良好なんだよ?」
ルークに含みはないし、
影もない。
「だけどっ! それでもっ!」
ユウラの声に怒りが滲む。
兄という存在を今まで知らずに育った。
愛し、愛されるはずのかけがえのない存在を、
自分は知らされずに育ったのだ。
(それにも増して、この人はどうなる?)
ユウラはルークを見つめた。
(親同士の都合で子供を手放すとか、あり得ないんですけど)
ユウラの頬にとめどなく涙が伝う。
ユウラは耐え切れず、下を向いて号泣した。
号泣するユウラに、ルークがギョッとする。
「あ……あのね、ユウラ、勘違いしないで。
僕は別に養子に出されたことを恨んでるとか、そういうのはないからね。
正直にいうと、幼い頃は悲しみはあったんだけど、その悲しみがあったから、
神という存在を信じることができて、
その神に対して仕えるという人生を選ぶことができたんだ」
ユウラがルークの言葉に顔を上げた。
「僕は軍に身を置いて、一応アカデミーの教官をやってるわけだけど、
レッドロラインはユウラも知っている通り志願制だから、
こう見えて本職は祭司というか、Pastorやってます」
ルークの鳶色の瞳はひどく澄んでいる。
「あなたは恨んでいないの?」
ユウラはルークに思わずそう問うた。
「最愛の子供を手放さなければならなかった親と、
手放された子と、一体どっちが辛かったんだろうね」
ルークはそういって微笑んだ。
その微笑みをユウラは深いと思った。
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