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23 久しぶりのパーティーです
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今日は久しぶりにパーティーに出かけます。何でも家族同伴とのことで、兄だけでなく私も一緒です。このパーティーは、一応将来の伴侶を見つける婚活の場ともなってるんですよね。まあ私には関係ないですが。兄はまさしくターゲットにされています。スーパーで言えば今日の目玉商品ということろでしょうか。今日は頑張ってくださいね。
うちの親戚となる久美ちゃんも婚約者の香村航さんと出席します。航さんの父親である叔父様は、今日は久美ちゃんを見せびらかすチャンスだといって、鼻息も荒く言っていたそうです。父情報ですが。
この前は、会社がお休みの日に今日のパーティーに着ていくドレスを選ぶために母と久美ちゃんの三人でお出かけしました。
「これなんかどうかしら」
「そうねえ。これなんか似合いそう。久美ちゃん着てみて」
今日は久美ちゃんが主役です。母と私で久美ちゃんを着せ替え人形にしています。いつもなら嫌がる久美ちゃんも仕方ないとばかりに私たちにいいようにされています。それにしてもなんでも似合いますね、久美ちゃんは。スタイルよし顔よしですからね。
クールな久美ちゃんの代わりに私と母で悩みに悩んだ挙句、決めたドレスは淡い薄紫色のドレスです。歩くたびに繊細なドレスの生地が揺れて色が変化するのです。久美ちゃんには、ぴったりです。私と母はいい仕事をしたとばかりに久美ちゃんを絶賛しました。すぐに航さんに言わなくてはいけませんね。
特にドレスの色を。何でもドレスに合わせてアクセサリーをプレゼントするのだそうです。
アクセサリーは婚約者様からなので、私と母はドレスに似合う靴とバッグを選ぶことにしました。久美ちゃんは、それを聞いたとたん遠い目をしましたが、まだ離しませんよ~。それにしても楽しいですね!
久美ちゃんが私のドレスもといったので、仕方なく私のドレスを選びました。なんせクローゼットにあるドレスはピンクのフリフリばかりで、どうしようもないものばかりですからね。
自分のドレスは、5分で決めました。あまりの早業に久美ちゃんと母もびっくりです。私のドレスは、アイボリーのシンプルなドレスです。首もとと袖口にレースがあしらわれています。このデザインならあと5年は着れそうです。いい買い物をしました。ちなみに靴とバッグはシンプルなものが家にあるので今回は買いませんでした。たぶんあの靴やバッグは、あまりのフリフリドレスの見た目を和らげるために久美ちゃんが選んでくれたものでしょうね。ありがとうございます。確認したら、とてもセンスもよくてお上品でした。
母は、いつものようにオートクチュールのドレスをご注文しておりました。まあ社長夫人ですからね。誰が足を引っ張るかわからない世界ですから、ドレスが鎧替わりですね。
パーティー当日会場に着くと、もう皆さん人が大勢いました。父と母を見つけた人たちがわらわらと寄ってきます。
私はその横でただニコニコしているだけでいいので楽です。ただこちらに来た方々が、皆さん私の方に目を向けまて、何やらいぶかしんでおられます。そうでした。私は、髪形を変えてから初めてのパーティーでしたね。
その様子を見ていた母が気を聞かせて、私のイメージチェンジの話題をします。あらっ、皆さんどうしたんですか?目が飛び出そうなほどびっくりされています。おひとりの方なんかは、顎が落ちそうなほど口をあんぐりと開けておいでですよ。いやあ、私そんなに変わりましたかね~。
今までは元いいなずけさんがいれば、父や母をおいてすぐに突撃していったのですが、今日は父や母にくっつき虫のように張り付いているので、父や母は私の髪型の話題を皆さんにしています。ありがとうございます。これで今度からはそう驚かれないでしょう。
会場に入ってすぐシャンパンをいただいたのですが、少しのどが渇いてきましたね。それに今日はどんなメニューがあるのでしょう。前世を思い出した今は、メニューに興味津々です。これは見に行かなくてはいけませんね。ということで、父や母そして周りの方々に挨拶してお料理が並んでいるところに飛んでいくことにしました。しかしです。声をかけられました。
「今日のドレス素敵ですね」
「ありがとうございます」
「それにずいぶん印象が変わりましたね。でもこちらもいいですね」
「ありがとうございます」
社交辞令で言われましたが、笑顔でお礼を言わなくてはいけませんね。お礼を言ってお料理が並んでいるところに行こうとしましたが、どうやらその方もお料理の方に行くようです。やはり皆さんもお料理に興味があるんですね。ということで、その方と連れ立ってお料理の置いてあるテーブルに向かいました。
さすが、一流ホテルだけあってきれいに彩られたおいしそうなお料理が並んでいます。私が目を皿のようにして眺めていると、さっと先ほどの方が本当のお皿を差し出してくれました。
「ありがとうございます。おいしそうなお料理ですね」
笑顔は0円ですからね。その方にこれ以上ない暗い笑顔を振りまいておきます。お皿も持ってきてくれましたしね。私が、次から次へとお料理をお皿に持っていると、その方もお料理をお皿に置いています。さすがにあまりいっぱいお料理をのせるのは気が引けたので、やめて近くの空いている席に座ります。まだたくさんあるので、二巡目に食べましょうかね。
「こちらよろしいですか」
私が座って食べようとしたら、先ほどお皿をくださった方が声をかけてきました。
どうぞどうぞ、私だけの席ではないですからね。それにちょうどよかったです。1人でぽつんと食べるのは少し気が引けますからね。ご一緒にどうぞ。でもこの方ってどなたでしたっけ。
うちの親戚となる久美ちゃんも婚約者の香村航さんと出席します。航さんの父親である叔父様は、今日は久美ちゃんを見せびらかすチャンスだといって、鼻息も荒く言っていたそうです。父情報ですが。
この前は、会社がお休みの日に今日のパーティーに着ていくドレスを選ぶために母と久美ちゃんの三人でお出かけしました。
「これなんかどうかしら」
「そうねえ。これなんか似合いそう。久美ちゃん着てみて」
今日は久美ちゃんが主役です。母と私で久美ちゃんを着せ替え人形にしています。いつもなら嫌がる久美ちゃんも仕方ないとばかりに私たちにいいようにされています。それにしてもなんでも似合いますね、久美ちゃんは。スタイルよし顔よしですからね。
クールな久美ちゃんの代わりに私と母で悩みに悩んだ挙句、決めたドレスは淡い薄紫色のドレスです。歩くたびに繊細なドレスの生地が揺れて色が変化するのです。久美ちゃんには、ぴったりです。私と母はいい仕事をしたとばかりに久美ちゃんを絶賛しました。すぐに航さんに言わなくてはいけませんね。
特にドレスの色を。何でもドレスに合わせてアクセサリーをプレゼントするのだそうです。
アクセサリーは婚約者様からなので、私と母はドレスに似合う靴とバッグを選ぶことにしました。久美ちゃんは、それを聞いたとたん遠い目をしましたが、まだ離しませんよ~。それにしても楽しいですね!
久美ちゃんが私のドレスもといったので、仕方なく私のドレスを選びました。なんせクローゼットにあるドレスはピンクのフリフリばかりで、どうしようもないものばかりですからね。
自分のドレスは、5分で決めました。あまりの早業に久美ちゃんと母もびっくりです。私のドレスは、アイボリーのシンプルなドレスです。首もとと袖口にレースがあしらわれています。このデザインならあと5年は着れそうです。いい買い物をしました。ちなみに靴とバッグはシンプルなものが家にあるので今回は買いませんでした。たぶんあの靴やバッグは、あまりのフリフリドレスの見た目を和らげるために久美ちゃんが選んでくれたものでしょうね。ありがとうございます。確認したら、とてもセンスもよくてお上品でした。
母は、いつものようにオートクチュールのドレスをご注文しておりました。まあ社長夫人ですからね。誰が足を引っ張るかわからない世界ですから、ドレスが鎧替わりですね。
パーティー当日会場に着くと、もう皆さん人が大勢いました。父と母を見つけた人たちがわらわらと寄ってきます。
私はその横でただニコニコしているだけでいいので楽です。ただこちらに来た方々が、皆さん私の方に目を向けまて、何やらいぶかしんでおられます。そうでした。私は、髪形を変えてから初めてのパーティーでしたね。
その様子を見ていた母が気を聞かせて、私のイメージチェンジの話題をします。あらっ、皆さんどうしたんですか?目が飛び出そうなほどびっくりされています。おひとりの方なんかは、顎が落ちそうなほど口をあんぐりと開けておいでですよ。いやあ、私そんなに変わりましたかね~。
今までは元いいなずけさんがいれば、父や母をおいてすぐに突撃していったのですが、今日は父や母にくっつき虫のように張り付いているので、父や母は私の髪型の話題を皆さんにしています。ありがとうございます。これで今度からはそう驚かれないでしょう。
会場に入ってすぐシャンパンをいただいたのですが、少しのどが渇いてきましたね。それに今日はどんなメニューがあるのでしょう。前世を思い出した今は、メニューに興味津々です。これは見に行かなくてはいけませんね。ということで、父や母そして周りの方々に挨拶してお料理が並んでいるところに飛んでいくことにしました。しかしです。声をかけられました。
「今日のドレス素敵ですね」
「ありがとうございます」
「それにずいぶん印象が変わりましたね。でもこちらもいいですね」
「ありがとうございます」
社交辞令で言われましたが、笑顔でお礼を言わなくてはいけませんね。お礼を言ってお料理が並んでいるところに行こうとしましたが、どうやらその方もお料理の方に行くようです。やはり皆さんもお料理に興味があるんですね。ということで、その方と連れ立ってお料理の置いてあるテーブルに向かいました。
さすが、一流ホテルだけあってきれいに彩られたおいしそうなお料理が並んでいます。私が目を皿のようにして眺めていると、さっと先ほどの方が本当のお皿を差し出してくれました。
「ありがとうございます。おいしそうなお料理ですね」
笑顔は0円ですからね。その方にこれ以上ない暗い笑顔を振りまいておきます。お皿も持ってきてくれましたしね。私が、次から次へとお料理をお皿に持っていると、その方もお料理をお皿に置いています。さすがにあまりいっぱいお料理をのせるのは気が引けたので、やめて近くの空いている席に座ります。まだたくさんあるので、二巡目に食べましょうかね。
「こちらよろしいですか」
私が座って食べようとしたら、先ほどお皿をくださった方が声をかけてきました。
どうぞどうぞ、私だけの席ではないですからね。それにちょうどよかったです。1人でぽつんと食べるのは少し気が引けますからね。ご一緒にどうぞ。でもこの方ってどなたでしたっけ。
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