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新しい力
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俺達は川原にて対峙している。
神戸は軽く右手を上から下に振り払うとエリザの姿に変身した。
「どういうことだ。どうして俺と神戸が戦わないといけないんだ?!」
「確かめたいことがあるのよ。あなたも早く変身して!」彼女は二本の指を頬に当て真剣な瞳で俺をにらみ付けた。
俺は指にはめた指輪に触れる。 俺の学生服が飛び散り胸の辺りが膨らむ、あっという間に女の体に変わり、魔法衣が包み込む。両手首にはそれぞれ、黄色と黒のブレスレットが装着されている。体重が軽くなりふわりと地面に着地する。
俺の姿が変わったことを確認してから、エリザは攻撃を仕掛けてきた。足元を的にして指を振りかざした。その先から波動破のようなものが飛び出した。俺は後方に宙返りしながらその攻撃をかわした。着地と同時に腕から電撃を発した。
エリザはその攻撃を流すように振り払った。彼女の腕に吸い込まれるように電撃は消えた。時間を空けず反対の腕から強烈な閃光を発生させた。辺りは太陽の光よりも明るくなり全ての物が白色なのかと錯覚するほどであった。
「やはりあなたの攻撃は優しすぎるわ! もっと私を傷つけるつもりで攻撃しなさい!」いつの間にかエリザは俺の目の前に移動していた。 俺の腹の辺りに掌を当てると気合を込めた。
腹部に激痛が走り俺の体は、くの字に折れて後ろに弾け飛ぶ。そのまま、橋桁の下に体を叩きつけられる。
「ぐはっ!!」口の中に血の味がしたような気がした。
「モンゴリーの力はこんなものでは無いわ。私達の力だけではあなたを守ることなど到底無理。あなた自身が強くならないと、彼女に勝つことは出来ないわよ」確かにエリザの言葉が身に沁みる。今までの戦いでも、シオリさんや、ナオミに助けてもらって何とか切り抜けてきた。自分の力だけでは決して今日まで無事ではいられなかったであろう。
「神戸、俺の特訓の為に・・・・・・」俺は口の辺りを腕で拭った。 腕には少し血がにじんでいた。
「私はモンゴリーの強さは誰よりも知っているつもりよ。彼女が敵になった今・・・・・・・彼女に対抗できるのは、勅使河原君、あなただけかもしれない」エリザは再び波動破を飛ばしてきた。
地面に手を突き俺はその波動を避けた。
「すこし買いかぶり過ぎだとは思うけど・・・・・・」地面に落ちていた小石を拾い彼女に投げつけ、その目前で爆発させる。
「ちっ! やるわね!」エリザは少し嬉しそうに笑みを見せた。
エリザとの特訓はほぼ丸一日続いた。彼女が結界を張っていたお蔭で人が来ることは無かった。
特訓のせいで俺の体はボロボロになっていた。魔法衣もあちらこちら破れてこの状態では人前に出ることもままならないであろう。
「痛っ・・・・・・・!」肩膝を突いて俺はエリザを見上げた。彼女は疲れてない様子で俺を上から見下ろしていた。
「あなたの言うとおり、買いかぶりだったかしらねぇ」言いながら指をパチリと鳴らした。その音に合わせて無数の槍が姿を現した。「えい!」掛け声と共に槍は俺目掛けて飛んでくる。 もはやその攻撃をかわす力すら残っていない。
槍が俺の体を貫いた! 俺は痛みを堪える為に歯を食いしばり、目を閉じた。「あれ?!」何時まで経っても痛覚を感じることは無かった。
ゆっくり目を開くと槍は俺の目と鼻の先の空中で止まった状態になっている。
「よけいな邪魔が入ったわね!」振り返るとそこにはナオミの姿があった。 彼女は俺の方向に両手をかざして気合を込めていた。その体からは桃色のオーラが噴出していた。
「なにをしているのよ、アンタは! コウタロウ君を殺す気なの?!」ナオミは苦虫をすり潰したような顔をした。
「まさか、彼の力を引き出そうとしているのよ。まあ、引き出す力が無ければそれまででしょうけどね」エリザは言いながらナオミを波動破で吹き飛ばした。
「きゃあああああ!」悲鳴を上げながらナオミの体は橋桁《はしげた》の下に叩きつけられた。
「ナ、ナオミ!」ナオミの元に駆け寄り体を抱き上げる。
「う、うう・・・・・・」彼女はかなりのダメージを受けているようであった。強烈な痛みにより顔をゆがめている。
「ナオミ!」言いながら俺は彼女の顔を抱き寄せた。安心したのか少し落ち着いたようであった。
「待っていてくれよ・・・・・・・・ナオミ」ゆっくりとナオミの体を地面に寝かせる。彼女は完全に気を失っているようであった。
「神戸、もう一度だ!」俺の体から力が沸いてくる。気合を込めると魔法衣が吹き飛び、新たな衣装に姿が変わった。バージョンアップしたように黄金色にそれは輝いていた。
「その衣は・・・・・・まさか?!」エリザは驚きの表情を見せたが、気を取り直して再び槍の攻撃を開始した。先ほどと同様に目前に無数の槍が飛んできた。俺が右手を軽く払うと、槍は灰のように崩れて落ちていった。
「やるわね!」エリザは嬉しそうに波動破の攻撃を繰り出した。
その攻撃も先ほどまでは避けるのが精一杯であったが、今は軽くその破動に手をかざすだけで、その存在自体が消滅した。
もう、俺は彼女の攻撃は全て見切っていた。どんな攻撃が襲ってこようと無効化する自身があった。
「良かったわ。どうやら買いかぶりでは無かったようね」エリザは攻撃を止めると俺の目の前に着地してきた。
「これが俺の力なのか?」自分の手のひらを眺めた。その手は白い少女の手のひらであった。
「そうよ、ナオミさんのお蔭で力が開放されたようね・・・・・・・少し悔しいけれど」
「えっ?」
「いいえ、これでもモンゴリーには勝てないわ。貴方に私の力をあげるわ、受け取って・・・・・・」言いながらエリザは両手を空に向けた。そこには、大きな水色の球体が姿を見せた。
「なんなんだ、これは?」俺は少し身構えた。
「私の力よ・・・・・・」エリザは両手をゆっくりと俺の方向に移動させた。その動きに合わせて球体も動き俺の体に吸い込まれるように消えた。
エリザは力尽きたようにその場に、膝を落とした。
「こ、これは?!」体が燃えるように熱い。体の中を血流が激しく駆け抜ける。心臓が爆発しそうな勢いであった。
「これで、貴方の力はかなり強力になったわ。モンゴリーとも戦えるでしょう。ただし、決してモンゴリーにあなた自身を吸収されないようにして、その二つのブレスレットを装着している間は大丈夫だけど、用心して・・・・・・・」エリザの姿は、女子高生 神戸美琴の姿に変わっていた。
「神戸、お前は・・・・・・・、まさか?!」俺は嫌な予感がした。
「大丈夫よ。簡単に殺さないで・・・・・・・ただ、魔女の力は無くなったから戦うことは出来ないわ。出せたとしても、人間界の普通の女の子と変わらない程度位しか無理よ」そう言いながら立ち上がったがふらついて俺の体に抱きつく格好となった。
「神戸!・・・・・・大丈夫か?!」倒れないように彼女の体を受け止めた。
「モンゴリーを、モンゴリーを助けてあげて・・・・・・・彼女は私の・・・・・・・」そこまで言ったところで神戸は気を失った。彼女が何を言いたかったのかはよく解らなかった。
彼女の力が俺に移行したことにより結界の効果が消えた。同時に俺も自分の意思で男の体に戻ることができるようになったようだ。
気を失った神戸の体を抱いたまま俺は少し宙を見上げていた。
「幸太郎君・・・・・・」ナオミの声がしたので振り返った。
「ナオミ! 気がついたんだ、大丈夫・・・・・・」その目は何故か激しくつりあがっているように見えた。
「私は地面にほったらかしで・・・・・・・神戸さんと二人で仲良く抱き合っていたんだね!」激しい口調で怒りをあらわにしている。
「い、いや、これは成り行きで・・・・・・決して抱き合っているわけでは無い、げほっ!」脇腹にナオミのボディーブローが入った。
「先に帰るね!」そう言いながらナオミは変身を解いて帰っていった。
「ま、まって・・・・・・・くれ」遠く見えなくなる直美の姿を見送っていた。神戸の家は一体何処なのであろう。俺は一人途方に暮れた。
神戸は軽く右手を上から下に振り払うとエリザの姿に変身した。
「どういうことだ。どうして俺と神戸が戦わないといけないんだ?!」
「確かめたいことがあるのよ。あなたも早く変身して!」彼女は二本の指を頬に当て真剣な瞳で俺をにらみ付けた。
俺は指にはめた指輪に触れる。 俺の学生服が飛び散り胸の辺りが膨らむ、あっという間に女の体に変わり、魔法衣が包み込む。両手首にはそれぞれ、黄色と黒のブレスレットが装着されている。体重が軽くなりふわりと地面に着地する。
俺の姿が変わったことを確認してから、エリザは攻撃を仕掛けてきた。足元を的にして指を振りかざした。その先から波動破のようなものが飛び出した。俺は後方に宙返りしながらその攻撃をかわした。着地と同時に腕から電撃を発した。
エリザはその攻撃を流すように振り払った。彼女の腕に吸い込まれるように電撃は消えた。時間を空けず反対の腕から強烈な閃光を発生させた。辺りは太陽の光よりも明るくなり全ての物が白色なのかと錯覚するほどであった。
「やはりあなたの攻撃は優しすぎるわ! もっと私を傷つけるつもりで攻撃しなさい!」いつの間にかエリザは俺の目の前に移動していた。 俺の腹の辺りに掌を当てると気合を込めた。
腹部に激痛が走り俺の体は、くの字に折れて後ろに弾け飛ぶ。そのまま、橋桁の下に体を叩きつけられる。
「ぐはっ!!」口の中に血の味がしたような気がした。
「モンゴリーの力はこんなものでは無いわ。私達の力だけではあなたを守ることなど到底無理。あなた自身が強くならないと、彼女に勝つことは出来ないわよ」確かにエリザの言葉が身に沁みる。今までの戦いでも、シオリさんや、ナオミに助けてもらって何とか切り抜けてきた。自分の力だけでは決して今日まで無事ではいられなかったであろう。
「神戸、俺の特訓の為に・・・・・・」俺は口の辺りを腕で拭った。 腕には少し血がにじんでいた。
「私はモンゴリーの強さは誰よりも知っているつもりよ。彼女が敵になった今・・・・・・・彼女に対抗できるのは、勅使河原君、あなただけかもしれない」エリザは再び波動破を飛ばしてきた。
地面に手を突き俺はその波動を避けた。
「すこし買いかぶり過ぎだとは思うけど・・・・・・」地面に落ちていた小石を拾い彼女に投げつけ、その目前で爆発させる。
「ちっ! やるわね!」エリザは少し嬉しそうに笑みを見せた。
エリザとの特訓はほぼ丸一日続いた。彼女が結界を張っていたお蔭で人が来ることは無かった。
特訓のせいで俺の体はボロボロになっていた。魔法衣もあちらこちら破れてこの状態では人前に出ることもままならないであろう。
「痛っ・・・・・・・!」肩膝を突いて俺はエリザを見上げた。彼女は疲れてない様子で俺を上から見下ろしていた。
「あなたの言うとおり、買いかぶりだったかしらねぇ」言いながら指をパチリと鳴らした。その音に合わせて無数の槍が姿を現した。「えい!」掛け声と共に槍は俺目掛けて飛んでくる。 もはやその攻撃をかわす力すら残っていない。
槍が俺の体を貫いた! 俺は痛みを堪える為に歯を食いしばり、目を閉じた。「あれ?!」何時まで経っても痛覚を感じることは無かった。
ゆっくり目を開くと槍は俺の目と鼻の先の空中で止まった状態になっている。
「よけいな邪魔が入ったわね!」振り返るとそこにはナオミの姿があった。 彼女は俺の方向に両手をかざして気合を込めていた。その体からは桃色のオーラが噴出していた。
「なにをしているのよ、アンタは! コウタロウ君を殺す気なの?!」ナオミは苦虫をすり潰したような顔をした。
「まさか、彼の力を引き出そうとしているのよ。まあ、引き出す力が無ければそれまででしょうけどね」エリザは言いながらナオミを波動破で吹き飛ばした。
「きゃあああああ!」悲鳴を上げながらナオミの体は橋桁《はしげた》の下に叩きつけられた。
「ナ、ナオミ!」ナオミの元に駆け寄り体を抱き上げる。
「う、うう・・・・・・」彼女はかなりのダメージを受けているようであった。強烈な痛みにより顔をゆがめている。
「ナオミ!」言いながら俺は彼女の顔を抱き寄せた。安心したのか少し落ち着いたようであった。
「待っていてくれよ・・・・・・・・ナオミ」ゆっくりとナオミの体を地面に寝かせる。彼女は完全に気を失っているようであった。
「神戸、もう一度だ!」俺の体から力が沸いてくる。気合を込めると魔法衣が吹き飛び、新たな衣装に姿が変わった。バージョンアップしたように黄金色にそれは輝いていた。
「その衣は・・・・・・まさか?!」エリザは驚きの表情を見せたが、気を取り直して再び槍の攻撃を開始した。先ほどと同様に目前に無数の槍が飛んできた。俺が右手を軽く払うと、槍は灰のように崩れて落ちていった。
「やるわね!」エリザは嬉しそうに波動破の攻撃を繰り出した。
その攻撃も先ほどまでは避けるのが精一杯であったが、今は軽くその破動に手をかざすだけで、その存在自体が消滅した。
もう、俺は彼女の攻撃は全て見切っていた。どんな攻撃が襲ってこようと無効化する自身があった。
「良かったわ。どうやら買いかぶりでは無かったようね」エリザは攻撃を止めると俺の目の前に着地してきた。
「これが俺の力なのか?」自分の手のひらを眺めた。その手は白い少女の手のひらであった。
「そうよ、ナオミさんのお蔭で力が開放されたようね・・・・・・・少し悔しいけれど」
「えっ?」
「いいえ、これでもモンゴリーには勝てないわ。貴方に私の力をあげるわ、受け取って・・・・・・」言いながらエリザは両手を空に向けた。そこには、大きな水色の球体が姿を見せた。
「なんなんだ、これは?」俺は少し身構えた。
「私の力よ・・・・・・」エリザは両手をゆっくりと俺の方向に移動させた。その動きに合わせて球体も動き俺の体に吸い込まれるように消えた。
エリザは力尽きたようにその場に、膝を落とした。
「こ、これは?!」体が燃えるように熱い。体の中を血流が激しく駆け抜ける。心臓が爆発しそうな勢いであった。
「これで、貴方の力はかなり強力になったわ。モンゴリーとも戦えるでしょう。ただし、決してモンゴリーにあなた自身を吸収されないようにして、その二つのブレスレットを装着している間は大丈夫だけど、用心して・・・・・・・」エリザの姿は、女子高生 神戸美琴の姿に変わっていた。
「神戸、お前は・・・・・・・、まさか?!」俺は嫌な予感がした。
「大丈夫よ。簡単に殺さないで・・・・・・・ただ、魔女の力は無くなったから戦うことは出来ないわ。出せたとしても、人間界の普通の女の子と変わらない程度位しか無理よ」そう言いながら立ち上がったがふらついて俺の体に抱きつく格好となった。
「神戸!・・・・・・大丈夫か?!」倒れないように彼女の体を受け止めた。
「モンゴリーを、モンゴリーを助けてあげて・・・・・・・彼女は私の・・・・・・・」そこまで言ったところで神戸は気を失った。彼女が何を言いたかったのかはよく解らなかった。
彼女の力が俺に移行したことにより結界の効果が消えた。同時に俺も自分の意思で男の体に戻ることができるようになったようだ。
気を失った神戸の体を抱いたまま俺は少し宙を見上げていた。
「幸太郎君・・・・・・」ナオミの声がしたので振り返った。
「ナオミ! 気がついたんだ、大丈夫・・・・・・」その目は何故か激しくつりあがっているように見えた。
「私は地面にほったらかしで・・・・・・・神戸さんと二人で仲良く抱き合っていたんだね!」激しい口調で怒りをあらわにしている。
「い、いや、これは成り行きで・・・・・・決して抱き合っているわけでは無い、げほっ!」脇腹にナオミのボディーブローが入った。
「先に帰るね!」そう言いながらナオミは変身を解いて帰っていった。
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