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05-10 慰め(二)**

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 押し広げていた足を解放してやり、ぐっと身を乗り出してヘニルは放られた彼女の手をとる。指を絡めて、愛おしそうに唇を交わらせる。


「んん、ふ……んぁ……」
「ふふ……んっ、ひめさま、キスが上手になりましたね」
「んー……、んっ、んむっ」


 深く口付けながらゆさゆさと腰を揺らす。ゆっくりと抽挿して、恋人のような交わりに夢中になる。

 セーリスの方も蕩けた表情でキスをしていて、繋がった唇から漏れる嬌声が艶かしかった。同じように舌を伸ばしてきて、絡みついてきて、求められている感覚に彼は胸が震えた。

 ずっとこの時間が続けばいいと、そう心から願った。


「ぁ、ん、はぁっ……あっ、ヘニル、んんっ……ん、きもち、んぅっ」
「俺も、きもちいです、っふ、姫様、まだまだ、シましょ、もっといっぱい、一緒にイきましょうねっ」
「うんっ、あっ、いっぱいして、んやっ」
「かわいい……、姫様、もっと俺を、求めてください……」


 求められたい、欲しがられたい、その願望が彼女との快楽を伴う交わりによって満たされていく。


「俺、姫様に、必要とされたいんです、っは、受け入れて、欲しいんです……」
「はぁ……ヘニルっ、きて、ずっと……ずっと私の、側に」
「っ……! はい、必ず、ひめさまの側に居ます、……俺は姫様の、騎士ですから」


 無邪気なヘニルの笑みに彼女は驚いたような顔をする。けれどすぐに深く口を塞がれ、がつがつと貪欲に身体を侵される。

 身体の全てを交わらせながら、時折離れた唇で呼び合い、またすぐに舌と唇を重ねる。
 快楽に揺れるセーリスの足が彼の腰に回って、自ら射精を乞うように押し付けてくる。その動作が愛おしくて、より一層彼女を激しく愛でる。

 先端でぐりぐりと胎の口を抉って、嵩のある場所を内壁に引っ掛けるように大きく出し入れを繰り返せば、中は激しく痙攣して男根を締め付ける。それを更に抑えつけるように嬲ってやれば、セーリスの喉から蕩けた嬌声が響いてくる。


「んぁ、あぁっ、んむ、……んっ、はぁ……っ」
「姫様……っ、ん、また、姫様の大好きな、中出し、しますよ……」
「ああぅっ、ひ、ん、へにる……」


 目の前で、甘く蕩け切った表情で、セーリスは彼に乞う。


「だして、ちょうだいっ、んんぁあっ……!」
「ふ、うっ……」


 胎に出してくれと、そう乞われたのと同時に、胎の口を穿った剛直が夥しい量の欲を吐き出す。子宮の中に入れば決して溢れなさそうな、粘る白濁がびゅくびゅくと激しく尿道を通って、その気持ちよさにふるりと身体を震わせる。


「(危ねぇ、あと少し早く姫様があれ言ってたら、……マジ孕ませてたわ……)」


 取り返しのつかないことをしそうになった危機感にヒヤリとしながらも、絶頂と中出しの快楽に恍惚とするセーリスを見ればどうでもよく思えた。


「(はぁ、可愛い、姫様可愛すぎる……これでクセになって、毎日誘って欲しい、“ヘニル、今日も抱いて、中にいっぱい出して”って……また勃ってきたわ)」


 ちゅ、ちゅっと軽いキスをして、そのまま頬にも何度もそれを落としていく。絡めた指の感触を確かめるようににぎにぎと動かし、それと同時に尿道に残った精を吐き出してしまおうと小刻みに腰を揺らした。


「ん、んぁ、……ふふ」


 蕩けるようにセーリスが笑って、ヘニルは思わずその綺麗な笑みに赤面する。


「(絶対俺が幸せにする……!)」
「……ヘニルがろくでなしじゃなかったらなぁ」
「な、なんですかそれ」


 聞き捨てならない言葉にヘニルは眉を寄せる。

 自分はろくでなしではない、と言いそうになるが、酒に溺れ金を使い果たしセックスに夢中になっているなら立派なろくでなしと言える、と思ってしまう。


「そしたらヘニルは、お姫様を守ってくれる夢のような騎士様だったのに、って」
「……、禁酒します」
「ふふ、なぁにそれ」
「本気ですよ、禁酒します……!」


 くすくすとセーリスは笑う。冗談だと思っているのか、それを正そうにも滅多に見られないその表情に彼は口を噤み見惚れてしまう。

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