後輩騎士へのえっちなイタズラはほどほどに

09 仕返し完了？* 完

　彼の背に腕を回して縋っていると、熱くざらついていた舌の感触に、不思議と下腹部が疼く。それを感じ取ったのか彼もまたゆっくりと腰を揺らし始め、彼女の身体を自分の形に馴らしていく。


「んんふ、んっ、んぁ、あっ……んんぅ！」


　ぐりっと強く最奥を突かれるのと同時に、びりりと強い快感が身体を駆け抜ける。それがもどかしくて彼の腰に足を擦り寄せれば、目の前の彼の銀色の瞳が細められた。
　いつの間にか逞しい両腕がしっかりとイメリの身体を抱き留めて、逃さないようにしっかりと奥深くまで屹立をねじ込んでくる。敏感な場所全てを一気に侵される快楽に彼女の頭は真っ白になって、絡みつく舌の柔らかさと下腹部の甘い刺激のことしか考えられなくなる。
　そこで舌がようやく離れ、舌先に唾液の糸が伸びる。だがそれを気に留める暇もなく、すっかり熱の入った抽挿に彼女の口からは絶え間なく蕩け切った嬌声が溢れた。


「ふ……気持ちいい、ですか……」
「ん、うんっ、きもち、ぁんっ、きもちいっ」
「俺も、溶けそうなくらい……はぁ、イメリ様の中で、感じて」
「ひぁうっ」


　再び鋭く最奥を抉られ、悲鳴のような声が口から漏れる。それを聞いたクラクスは大きく息をつくと、浅く腰を揺すって執拗にそこばかりを突いた。


「や、だめっ、そこ、あっ、きちゃ、うっ」
「なか、すごい……はぁっ、イメリさま、もう……っ」


　再びイメリの口を塞いで、甘い声で何度もクラクスは彼女の名前を呼ぶ。深く繋がった場所は汗や愛液でべたべたで、抽挿のたびにぴしゃりと音を立てる。
　彼と同じように既に限界間際のイメリは、必死になって溢れそうになる快感を留めようとする。身を縮こませ、無意識のうちに彼の腰に足を回せば、それに反応したクラクスがより一層強く突き上げてくる。


「んっ、んんっ、んぅう……！！」


　貪るように唇と舌を繋げたまま、敏感な最奥、胎の口あたりをきつく抉られた彼女はくぐもった嬌声を上げながら果てる。初めて経験する一番奥での絶頂に息ができなくなり、膣内が勝手に激しく収縮して彼のものをキツく締め上げた。


「は、ぐっ……！」


　しっかりと子宮口に先端を突き立て、小さく呻くと彼も迫り上がっていたものを一気に解放した。勢いよく吐き出される粘つく白濁があっさりと彼女の胎を満たし、入りきらなかったものがごぷりと結合部から溢れてくる。

　しばらくぼうっとしたままお互いの舌を舐め合い、果てたばかりの性器をゆるゆると擦り合わせる。そうしているうちに思考が元に戻ってきたイメリは、まだ執拗に口付けをせがむクラクスを受け止めながら、ゆっくりと身体を起こした。


「ん、……んっ……はぁ」


　唇と舌が離れると、彼もゆっくりと中から男根を引き抜いた。すると栓が抜けたようにぼたぼたと白濁が溢れてきて、既に愛液やら何やらで汚れていた床を更に汚した。
　無言でお互い見つめ合う。そんな何とも言えない空気の中、イメリはぱっと笑みを浮かべてクラクスに言った。


「まぁ、これでわたしの償いは済んだってことで……お、つかれさま」


　内心、いろんな初体験を済ませてしまったことにドギマギしながら、彼女は机を降りる。だが地に足をつけた途端、またぼとぼとと膣から溢れてくる精液に、これをどうするかと足を止めた。

　ところで。


「何言ってるんですか。まだ終わってないですよ」
「……、……うぇ？」
「散々俺を足蹴にしてくれた分、この前のを入れてあと五回。付き合っていただきますよ」
「えっ、足擦り一回につきセックス一回なの……？」


　嫌な予感が駆け抜けると同時に逃げようとするも、激しい快感を伴った行為のせいか足腰が上手く動かない。もつれた足で大きくフラつき、思わず彼女は近くの壁に手をついてしまう。そこをすかさず、クラクスが背後から迫った。


「最強の騎士と呼ばれる貴女も、流石に性行為の後は上手く動けないのですね」
「待ってぇクラクス！　ごめんってもうしない、もうしないから！」


　ぎゅっと後ろから抱きしめられ、ぬるりと股座を何かが滑る。あれだけ出したはずなのに彼のものはまだ元気にそそり立っていて、既に先端をぐいぐいと中へと押し込もうとしている。


「……別に、やめてくれなくて結構です」
「く、んぅ、はいって、ひぁあっ」


　ずぷぷと、流れ出てきた精液を押し上げながら、またかなりの質量のものが入ってくる。最奥まで一気に貫いたそれは、イメリが強い反応を示した胎の口をまた舐るように突いてくる。


「これからは俺も、された分仕返しさせてもらいますから……好きなだけ、俺の身体で遊んでくれていいんですよ」


　脅しのようなその言葉は、けれど間違いなく、彼女との触れ合いを貪欲に求めるものだったのだろう。けれど、彼女より強い男にならない限り求婚はしないと心に決めていたクラクスは、好意の言葉だけは固く封じていた。


　そのせいか、イメリは。


「（す、すっごい怒ってる……！　もう……クラクスをからかって遊ぶのは、やめよう……）」


　そんなことを、心に誓っていたのだった。



了