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番外05-03
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話しながらレストランへ移動すれば、そこは映画やドラマなんかでも普通に出てきそうな、夜景が綺麗に見えるビルの最上階にあった。おそらく前に言っていたディナーもここだったのだろうと思えば、ここで口説かれたら普通にホテルまで付いていってしまいそうだなとノイナは思った。
「じゃあ、恐怖症としては克服できてる、ってことでしょうか」
美味な食事をとりつつ、上品な雰囲気には合わないような話をしていた。映画の感想の延長線で、ノイナはスタールのピエロ恐怖症が気になったのだ。
「そうだね。先生にかなりの力技で治してもらった……というか、分離してもらったというか」
「ぶ、分離……」
「仕事中にボロが出てはいけないからね。顔を切り替えているときはピエロを見てもまったく反応しないよ」
話を聞く限り、スタールのピエロ恐怖症は、もはやトラウマの域にあるらしい。荒療治で、別人格に切り替えているときはトラウマが表出しないようだが、“スタール”は違うらしい。
「今の僕は、すべての記憶や経験を統括しているようなものだから、”スタール“からはトラウマを消せなかった。それでもだいぶマシになったほうだけど」
「そうだったんですか……」
「それに今は」
じわりと頬を赤くしたスタールはそっとノイナに手を差し出した。それに応えるように手を握れば、彼の顔に幸せそうな笑みが浮かぶ。
「ノイナがいるから、どんなにつらい過去も、受け止めて前に進める気がする」
優しくノイナの手を握った彼の手は、かすかに震えている。
「分かるかな。すごく、緊張しているんだ。こういう場所には何度も来たことあるけど、やっぱり、大好きな人と一緒だと、仕事のときみたいにうまく振る舞えないんだ」
昼間にも言っていたような言葉を、スタールは繰り返した。けれどあのときにあった不安は今はなくて、その顔には喜びが伺えた。
「でも、君といるこの緊張の瞬間こそが、僕が僕であると感じられる。それが嬉しくて、だからノイナのことが好きで、愛しているんだと、そう思う」
「……はい」
以前聞いたときは、ただ胸が苦しくて仕方がなかったスタールの告白も、今は優しく受け止められた。
変わらない彼の愛情に、ノイナは頬を赤くしながら小さく笑みを浮かべる。
「ゲブラーは、一応認めようとはしてくれているみたいだ。でも、彼に今以上の負担をかけないと約束する」
「はい」
「僕はノイナに不貞を働いてほしいわけじゃない。ただ」
緊張がピークに達しているように、スタールの視線がわずかに揺らぐ。けれど彼はしっかりとノイナを見つめて、はっきりと想いを言葉にした。
「君の愛を、僕にも分けて、くれないだろうか」
その言葉を聞いて、ノイナは小さく息を吐いた。彼の緊張がまるで自分にも伝わってきたようで、どきどきと心臓が激しく脈動している。
正直、不安だった。そんな関係のまま、これから生活できるだろうか、と。
「本当に、いいのかなって思う気持ちはまだあります。普通じゃないですからね、公認の愛人、なんて」
苦笑を浮かべるも、けれどすぐにその憂いは消えていく。だって彼女は、スタールが自分とゲブラーと生活を共していた時のことを、しっかり見てきたのだから。
「でも、今までなんだかんだ仲良く楽しく、三人で生活できてましたから。きっと、大丈夫だって、私もこの関係を守れるよう頑張りたいって、そう思いました」
「うん……」
「なにより……」
もしも許されるのなら。そう思ったことを、今ははっきりと言葉にできた。
「先輩の想いを受け止めたい。受け止められるなら、嬉しい、です」
「ノイナ……」
「ということで、はい」
そこでノイナはカバンの中に仕舞い込んでいたものをスタールに差し出した。綺麗にラッピングされたそれを、どうか開けてくれと彼に促す。
「これは、……懐中時計」
「あれです、先輩への、贈り物。なかなか本部に来てくれないから、結局持って来ちゃいましたよ」
シンプルながらも上品なデザインの懐中時計に、スタールは目を輝かせる。その反応にノイナは、彼が自分に贈り物をするのが好きな理由がよく分かった。
「まぁ、選んだ基準がゼルスと一緒で、持っててほしい、みたいな感じなんですけど……先輩がつけてたらかっこいいなぁって」
「僕のために、選んでくれたの」
「だって、考えてみたら先輩にもらってばかりなんですもん。ちゃんとお返ししたいじゃないですか」
「もらってばかりなんて、僕はノイナに、返しきれないくらいのものを、もらったんだよ」
「そうかもしれませんけど」
ゲブラーとは別のベクトルで重い愛に、思わず苦笑が浮かぶ。果たして二人の愛を受け止めて、自分は潰れずに済むだろうかと思いながら。
「とにかく、これからもよろしくお願いしますね、スタール先輩」
ノイナの言葉に、スタールはじわじわと頬を赤くして、笑みを浮かべる。心底幸せそうなその表情に、彼女もまた照れ臭そうに笑った。
その後は他愛なく昔話に花を咲かせて、レストランを出た。そして。
「ノイナ」
優しくスタールに抱き寄せられて、熱い視線で見つめられる。大きな手が髪を撫でて、愛おしそうに頬を撫でられる。
「このあとも、付き合ってくれるかな」
既に深い夜の空気が満ちた時間、彼の言葉はひどく耽美な響きを持って彼女の鼓膜をくすぐった。
小さく頷けば、深く唇が交わる。そのまましっかりと手を握り合って、ホテルの中へと足を踏み入れた。
番外05 了
「じゃあ、恐怖症としては克服できてる、ってことでしょうか」
美味な食事をとりつつ、上品な雰囲気には合わないような話をしていた。映画の感想の延長線で、ノイナはスタールのピエロ恐怖症が気になったのだ。
「そうだね。先生にかなりの力技で治してもらった……というか、分離してもらったというか」
「ぶ、分離……」
「仕事中にボロが出てはいけないからね。顔を切り替えているときはピエロを見てもまったく反応しないよ」
話を聞く限り、スタールのピエロ恐怖症は、もはやトラウマの域にあるらしい。荒療治で、別人格に切り替えているときはトラウマが表出しないようだが、“スタール”は違うらしい。
「今の僕は、すべての記憶や経験を統括しているようなものだから、”スタール“からはトラウマを消せなかった。それでもだいぶマシになったほうだけど」
「そうだったんですか……」
「それに今は」
じわりと頬を赤くしたスタールはそっとノイナに手を差し出した。それに応えるように手を握れば、彼の顔に幸せそうな笑みが浮かぶ。
「ノイナがいるから、どんなにつらい過去も、受け止めて前に進める気がする」
優しくノイナの手を握った彼の手は、かすかに震えている。
「分かるかな。すごく、緊張しているんだ。こういう場所には何度も来たことあるけど、やっぱり、大好きな人と一緒だと、仕事のときみたいにうまく振る舞えないんだ」
昼間にも言っていたような言葉を、スタールは繰り返した。けれどあのときにあった不安は今はなくて、その顔には喜びが伺えた。
「でも、君といるこの緊張の瞬間こそが、僕が僕であると感じられる。それが嬉しくて、だからノイナのことが好きで、愛しているんだと、そう思う」
「……はい」
以前聞いたときは、ただ胸が苦しくて仕方がなかったスタールの告白も、今は優しく受け止められた。
変わらない彼の愛情に、ノイナは頬を赤くしながら小さく笑みを浮かべる。
「ゲブラーは、一応認めようとはしてくれているみたいだ。でも、彼に今以上の負担をかけないと約束する」
「はい」
「僕はノイナに不貞を働いてほしいわけじゃない。ただ」
緊張がピークに達しているように、スタールの視線がわずかに揺らぐ。けれど彼はしっかりとノイナを見つめて、はっきりと想いを言葉にした。
「君の愛を、僕にも分けて、くれないだろうか」
その言葉を聞いて、ノイナは小さく息を吐いた。彼の緊張がまるで自分にも伝わってきたようで、どきどきと心臓が激しく脈動している。
正直、不安だった。そんな関係のまま、これから生活できるだろうか、と。
「本当に、いいのかなって思う気持ちはまだあります。普通じゃないですからね、公認の愛人、なんて」
苦笑を浮かべるも、けれどすぐにその憂いは消えていく。だって彼女は、スタールが自分とゲブラーと生活を共していた時のことを、しっかり見てきたのだから。
「でも、今までなんだかんだ仲良く楽しく、三人で生活できてましたから。きっと、大丈夫だって、私もこの関係を守れるよう頑張りたいって、そう思いました」
「うん……」
「なにより……」
もしも許されるのなら。そう思ったことを、今ははっきりと言葉にできた。
「先輩の想いを受け止めたい。受け止められるなら、嬉しい、です」
「ノイナ……」
「ということで、はい」
そこでノイナはカバンの中に仕舞い込んでいたものをスタールに差し出した。綺麗にラッピングされたそれを、どうか開けてくれと彼に促す。
「これは、……懐中時計」
「あれです、先輩への、贈り物。なかなか本部に来てくれないから、結局持って来ちゃいましたよ」
シンプルながらも上品なデザインの懐中時計に、スタールは目を輝かせる。その反応にノイナは、彼が自分に贈り物をするのが好きな理由がよく分かった。
「まぁ、選んだ基準がゼルスと一緒で、持っててほしい、みたいな感じなんですけど……先輩がつけてたらかっこいいなぁって」
「僕のために、選んでくれたの」
「だって、考えてみたら先輩にもらってばかりなんですもん。ちゃんとお返ししたいじゃないですか」
「もらってばかりなんて、僕はノイナに、返しきれないくらいのものを、もらったんだよ」
「そうかもしれませんけど」
ゲブラーとは別のベクトルで重い愛に、思わず苦笑が浮かぶ。果たして二人の愛を受け止めて、自分は潰れずに済むだろうかと思いながら。
「とにかく、これからもよろしくお願いしますね、スタール先輩」
ノイナの言葉に、スタールはじわじわと頬を赤くして、笑みを浮かべる。心底幸せそうなその表情に、彼女もまた照れ臭そうに笑った。
その後は他愛なく昔話に花を咲かせて、レストランを出た。そして。
「ノイナ」
優しくスタールに抱き寄せられて、熱い視線で見つめられる。大きな手が髪を撫でて、愛おしそうに頬を撫でられる。
「このあとも、付き合ってくれるかな」
既に深い夜の空気が満ちた時間、彼の言葉はひどく耽美な響きを持って彼女の鼓膜をくすぐった。
小さく頷けば、深く唇が交わる。そのまましっかりと手を握り合って、ホテルの中へと足を踏み入れた。
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