57 / 123
23-02 *
しおりを挟む
「ノイナ」
「はい」
スタールはノイナの手を取ると、愛おしそうに唇を寄せてくる。あ、と思わず声を漏らせば、微かに頬を赤くした彼はじっとノイナを見つめてくる。
「……結婚、してほしい」
「えぇっと……」
「ノイナ、大好きだよ。君を好きになれて僕は……すごく幸せだ」
「そ、それは、よかったです」
いつもの直球の告白に、思わずノイナも赤くなってしまう。それに、こういう自分を好きになってくれたんだなとはっきりと分かってしまって、なんだかむずがゆい。
不思議と甘い空気を醸し出してしまう二人に、除け者にされたゲブラーは不機嫌そうに顔を顰める。べりっとノイナをスタールから引き剥がすと、そのまま彼女を浴室へ引き摺っていく。
「なにいい雰囲気になっちゃってるの、バッカみたい……」
「引きずらないでくださいゲブラー!」
「そうだ、ノイナはスーツケースじゃないんだよ」
「先輩ツッコミそこじゃないです……!」
無事に浴室に移動した三人は、そこでようやく身体を洗い始める。なぜかノイナも、見張りの如くその場にいた。濡れてしまわないように一応スカートは脱いでおき、シャツ一枚の状態になっている。
「なんで俺が男と一緒に身体洗わなきゃいけないの……ちょっとノイナ、全部脱いでよ」
「嫌ですよ。なんで私が脱がないといけないんですか」
「男の裸見るよりノイナの裸見てるほうが興奮するしずっといいでしょ!」
「意味わかんないんですけど、そのよく分からない理論……私だって頼んでもいないのに男性の裸見せられてるんですから、勘弁してくださいよ」
ゲブラーの裸に見慣れてしまったせいでもう取り乱すこともなくなったが、それでもやはりじっと見られるものではない。それにゲブラーはともかく、スタールの裸はノイナには少々刺激が強いのだ。
(いつもかっちりスーツ着こなしてる人の裸は……すごく、照れる)
「はぁ? 俺の身体をタダで見ておいてなにその言い方!」
「女性に男の裸を見て楽しむような娯楽はあまり浸透していないから、実に真っ当な反応だと思うけれど」
「ちょっとあんたは黙ってて!」
スタールの正論を軽くあしらい、ゲブラーはずかずかとノイナに迫っていく。壁際に追い込まれた彼女を逃さないように壁に手をつくと、その顎を掬い上げた。
「あんだけ俺に抱かれて気持ちよさそうにして、中出し気持ちいいって言ってたくせに、なんなのその反応」
「ちょ、ちょっと、ゲブラー……」
「あんたの仕事は俺を懐柔することでしょ? だったら俺のご機嫌とったほうがいいんじゃないの」
「やめるんだゲブラー」
不機嫌さを隠すことなくノイナにぶつけようとするゲブラーを、すぐにスタールが止めてくれる。だがそれにもゲブラーは反発して、一日ぶりの殺意を撒き散らし始める。
「そもそもあんたが突然現れなければ、ノイナは今だって俺の……!」
「ああもう、喧嘩しない!」
なぜかすごく嫌な感じがして、ノイナは即座にそう言った。それと同時に、思わずむぎゅっとゲブラーの股間を掴んでしまう。
「んっ……」
「あ、ごめんなさいゲブラー、なんかちょうど手元に……」
「…………」
顔を赤らめながらも、不服そうにゲブラーは彼女を睨みつける。再度謝罪を口にすれば、彼は離れていく彼女の手を掴んで自身に触れさせた。
「……げる」
「え?」
「口でしてくれたら、許してあげる」
「……はぁ」
ここはゲブラーに機嫌を直してもらうためにも従ったほうがいい、そう考えたノイナは大人しくその場に膝をついた。
まだ半勃ち程度のそれを優しく撫でて、そのまま口に含めばゲブラーは小さく息を溢した。舌でじっくり鈴口を舐め回せばすぐにそれはぴくぴくと震えて、大きくなっていく。
「ん、……ノイナ」
すっかり膨らんだ怒張を押し込んで、ゲブラーはひどく愛おしそうにノイナの頭を撫でた。そのままぐぷぐぷと音を立てて抽挿を繰り返せば、欲求不満だったらしい彼のものはすぐに先走りを溢れさせてくる。
「んんぅ、んっ」
「ずいぶん、フェラも様になってきたねぇ……俺の咥えてるときが、一番かわいいよ、ノイナ」
「んーっ!」
「褒めてるのに……はぁ、ん、やばい……ノイナの口、気持ち良すぎ……」
それなりに回数をこなしてきたせいか、少し荒々しい抽挿の間もノイナはしっかりと舌を這わせ、射精を促してくる。
「いい子だね、ノイナ……教えられた通りに、舐められて、偉い……っ」
「んっ、んぁ」
「ほら……いっぱい出すから、溢さずに全部、飲むんだよっ」
ぐいっと深く男根が突き刺さるのと同時に、それはふるりと震えて勢いよく吐精する。濃厚なそれはあっさりと口内を埋めて、ノイナはむせそうになりながら必死になって喉を動かした。
「ん、美味しい? ……ほんと、かわいい」
口いっぱいに自分のものを頬張るノイナを優しく撫でていれば、すぐそばで固まっていたらしいスタールが息を呑む。それに気づいたゲブラーは不敵な笑みを浮かべると、挑発するように言った。
「はい」
スタールはノイナの手を取ると、愛おしそうに唇を寄せてくる。あ、と思わず声を漏らせば、微かに頬を赤くした彼はじっとノイナを見つめてくる。
「……結婚、してほしい」
「えぇっと……」
「ノイナ、大好きだよ。君を好きになれて僕は……すごく幸せだ」
「そ、それは、よかったです」
いつもの直球の告白に、思わずノイナも赤くなってしまう。それに、こういう自分を好きになってくれたんだなとはっきりと分かってしまって、なんだかむずがゆい。
不思議と甘い空気を醸し出してしまう二人に、除け者にされたゲブラーは不機嫌そうに顔を顰める。べりっとノイナをスタールから引き剥がすと、そのまま彼女を浴室へ引き摺っていく。
「なにいい雰囲気になっちゃってるの、バッカみたい……」
「引きずらないでくださいゲブラー!」
「そうだ、ノイナはスーツケースじゃないんだよ」
「先輩ツッコミそこじゃないです……!」
無事に浴室に移動した三人は、そこでようやく身体を洗い始める。なぜかノイナも、見張りの如くその場にいた。濡れてしまわないように一応スカートは脱いでおき、シャツ一枚の状態になっている。
「なんで俺が男と一緒に身体洗わなきゃいけないの……ちょっとノイナ、全部脱いでよ」
「嫌ですよ。なんで私が脱がないといけないんですか」
「男の裸見るよりノイナの裸見てるほうが興奮するしずっといいでしょ!」
「意味わかんないんですけど、そのよく分からない理論……私だって頼んでもいないのに男性の裸見せられてるんですから、勘弁してくださいよ」
ゲブラーの裸に見慣れてしまったせいでもう取り乱すこともなくなったが、それでもやはりじっと見られるものではない。それにゲブラーはともかく、スタールの裸はノイナには少々刺激が強いのだ。
(いつもかっちりスーツ着こなしてる人の裸は……すごく、照れる)
「はぁ? 俺の身体をタダで見ておいてなにその言い方!」
「女性に男の裸を見て楽しむような娯楽はあまり浸透していないから、実に真っ当な反応だと思うけれど」
「ちょっとあんたは黙ってて!」
スタールの正論を軽くあしらい、ゲブラーはずかずかとノイナに迫っていく。壁際に追い込まれた彼女を逃さないように壁に手をつくと、その顎を掬い上げた。
「あんだけ俺に抱かれて気持ちよさそうにして、中出し気持ちいいって言ってたくせに、なんなのその反応」
「ちょ、ちょっと、ゲブラー……」
「あんたの仕事は俺を懐柔することでしょ? だったら俺のご機嫌とったほうがいいんじゃないの」
「やめるんだゲブラー」
不機嫌さを隠すことなくノイナにぶつけようとするゲブラーを、すぐにスタールが止めてくれる。だがそれにもゲブラーは反発して、一日ぶりの殺意を撒き散らし始める。
「そもそもあんたが突然現れなければ、ノイナは今だって俺の……!」
「ああもう、喧嘩しない!」
なぜかすごく嫌な感じがして、ノイナは即座にそう言った。それと同時に、思わずむぎゅっとゲブラーの股間を掴んでしまう。
「んっ……」
「あ、ごめんなさいゲブラー、なんかちょうど手元に……」
「…………」
顔を赤らめながらも、不服そうにゲブラーは彼女を睨みつける。再度謝罪を口にすれば、彼は離れていく彼女の手を掴んで自身に触れさせた。
「……げる」
「え?」
「口でしてくれたら、許してあげる」
「……はぁ」
ここはゲブラーに機嫌を直してもらうためにも従ったほうがいい、そう考えたノイナは大人しくその場に膝をついた。
まだ半勃ち程度のそれを優しく撫でて、そのまま口に含めばゲブラーは小さく息を溢した。舌でじっくり鈴口を舐め回せばすぐにそれはぴくぴくと震えて、大きくなっていく。
「ん、……ノイナ」
すっかり膨らんだ怒張を押し込んで、ゲブラーはひどく愛おしそうにノイナの頭を撫でた。そのままぐぷぐぷと音を立てて抽挿を繰り返せば、欲求不満だったらしい彼のものはすぐに先走りを溢れさせてくる。
「んんぅ、んっ」
「ずいぶん、フェラも様になってきたねぇ……俺の咥えてるときが、一番かわいいよ、ノイナ」
「んーっ!」
「褒めてるのに……はぁ、ん、やばい……ノイナの口、気持ち良すぎ……」
それなりに回数をこなしてきたせいか、少し荒々しい抽挿の間もノイナはしっかりと舌を這わせ、射精を促してくる。
「いい子だね、ノイナ……教えられた通りに、舐められて、偉い……っ」
「んっ、んぁ」
「ほら……いっぱい出すから、溢さずに全部、飲むんだよっ」
ぐいっと深く男根が突き刺さるのと同時に、それはふるりと震えて勢いよく吐精する。濃厚なそれはあっさりと口内を埋めて、ノイナはむせそうになりながら必死になって喉を動かした。
「ん、美味しい? ……ほんと、かわいい」
口いっぱいに自分のものを頬張るノイナを優しく撫でていれば、すぐそばで固まっていたらしいスタールが息を呑む。それに気づいたゲブラーは不敵な笑みを浮かべると、挑発するように言った。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
貴方様の後悔など知りません。探さないで下さいませ。
ましろ
恋愛
「致しかねます」
「な!?」
「何故強姦魔の被害者探しを?見つけて如何なさるのです」
「勿論謝罪を!」
「それは貴方様の自己満足に過ぎませんよ」
今まで順風満帆だった侯爵令息オーガストはある罪を犯した。
ある令嬢に恋をし、失恋した翌朝。目覚めるとあからさまな事後の後。あれは夢ではなかったのか?
白い体、胸元のホクロ。暗めな髪色。『違います、お許し下さい』涙ながらに抵抗する声。覚えているのはそれだけ。だが……血痕あり。
私は誰を抱いたのだ?
泥酔して罪を犯した男と、それに巻き込まれる人々と、その恋の行方。
★以前、無理矢理ネタを考えた時の別案。
幸せな始まりでは無いので苦手な方はそっ閉じでお願いします。
いつでもご都合主義。ゆるふわ設定です。箸休め程度にお楽しみ頂けると幸いです。
乙女ゲーム攻略対象者の母になりました。
緋田鞠
恋愛
【完結】「お前を抱く気はない」。夫となった王子ルーカスに、そう初夜に宣言されたリリエンヌ。だが、子供は必要だと言われ、医療の力で妊娠する。出産の痛みの中、自分に前世がある事を思い出したリリエンヌは、生まれた息子クローディアスの顔を見て、彼が乙女ゲームの攻略対象者である事に気づく。クローディアスは、ヤンデレの気配が漂う攻略対象者。可愛い息子がヤンデレ化するなんて、耐えられない!リリエンヌは、クローディアスのヤンデレ化フラグを折る為に、奮闘を開始する。
距離を置きましょう? やったー喜んで! 物理的にですけど、良いですよね?
hazuki.mikado
恋愛
婚約者が私と距離を置きたいらしい。
待ってましたッ! 喜んで!
なんなら物理的な距離でも良いですよ?
乗り気じゃない婚約をヒロインに押し付けて逃げる気満々の公爵令嬢は悪役令嬢でしかも転生者。
あれ? どうしてこうなった?
頑張って断罪劇から逃げたつもりだったけど、先に待ち構えていた隣りの家のお兄さんにあっさり捕まってでろでろに溺愛されちゃう中身アラサー女子のお話し。
×××
取扱説明事項〜▲▲▲
作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想、動く栞、以前は無かった♡機能。そして有り難いことに動画の視聴。ついでに誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+
皆様の愛を真摯に受け止めております(_ _)←多分。
9/18 HOT女性1位獲得シマシタ。応援ありがとうございますッヽ(*゚ー゚*)ノ
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
【本編完結】セカンド彼女になりがちアラサー、悪役令嬢に転生する
にしのムラサキ
恋愛
【本編完結】
「嘘でしょ私、本命じゃなかったの!?」
気が付けば、いつもセカンド彼女。
そんな恋愛運超低めアラサーの「私」、なんと目が覚めたら(あんまり記憶にない)学園モノ乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまっていたのでした。
ゲームでは不仲だったはずの攻略対象くんやモブ男子くんと仲良く過ごしつつ、破滅エンド回避を何となーく念頭に、のんびり過ごしてます。
鎌倉を中心に、神戸、横浜を舞台としています。物語の都合上、現実と違う点も多々あるとは存じますがご了承ください。
また、危険な行為等(キスマーク含む・ご指摘いただきました)含まれますが、あくまでフィクションですので、何卒ご了承ください。
甘めの作品を目指していますが、シリアス成分も多めになります。
R15指定は保険でしたが途中から保険じゃなくなってきた感が……。
なお、途中からマルチエンディングのために分岐が発生しております。分岐前の本編に注意点に関するお知らせがございますので、分岐前にお目通しください。
分岐後はそれぞれ「独立したお話」となっております。
分岐【鹿王院樹ルート】本編完結しました(2019.12.09)番外編完結しました
分岐【相良仁ルート】本編完結しました。(2020.01.16)番外編完結しました
分岐【鍋島真ルート】本編完結しました(2020.02.26)番外編完結しました
分岐【山ノ内瑛ルート】本編完結しました(2020.02.29)番外編完結しました
分岐【黒田健ルート】本編完結しました(2020.04.01)
「小説家になろう」の方で改稿版(?)投稿しています。
ご興味あれば。
https://ncode.syosetu.com/n8682fs/
冒頭だけこちらと同じですが途中から展開が変わったのに伴い、新規のお話が増えています。
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く
miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。
ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。
断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。
ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。
更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。
平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。
しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。
それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね?
だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう?
※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。
※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……)
※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。
父の浮気相手は私の親友でした。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるティセリアは、父の横暴に対して怒りを覚えていた。
彼は、妻であるティセリアの母を邪険に扱っていたのだ。
しかしそれでも、自分に対しては真っ当に父親として接してくれる彼に対して、ティセリアは複雑な思いを抱いていた。
そんな彼女が悩みを唯一打ち明けられるのは、親友であるイルーネだけだった。
その友情は、大切にしなければならない。ティセリアは日頃からそのように思っていたのである。
だが、そんな彼女の思いは一瞬で打ち砕かれることになった。
その親友は、あろうことかティセリアの父親と関係を持っていたのだ。
それによって、ティセリアの中で二人に対する情は崩れ去った。彼女にとっては、最早どちらも自身を裏切った人達でしかなくなっていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる