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18-02 *

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「ノイナ、とても綺麗だ……」
「ひゃっ」
「ずっと君に、こうやって触れたかった」


 すっかり硬くなってしまった乳頭にキスされて、腰がざわつくほどに執拗にそこを舐め回される。ざらついた舌の表面が執拗に赤くなった突起を優しく撫でて、柔らかな唇がそこにきゅっと吸い付いた。


「きゃうっ、んんっ」
「すごく、敏感で……ずっと可愛がってあげたくなる」


 強く長く、舌をきつく絡み付かせながら、彼は頂きを吸い上げる。それにノイナの腰はびくびくと軽く跳ねて、このままイってしまいそうになる。


「ここでももっと気持ちよくなれるように、たくさん教えてあげるから……ん」


 音を立てて、スタールは乳頭にキスをするともう片方へと舌を伸ばし、ぱくりと口に含んだ。そしてさっきと同じように、ねっとりと優しくも執拗な愛撫を始めてしまう。

 普段の凛々しく爽やかな彼からは想像もできないような、情欲の滲んだその表情。そんな顔で身体に触れられているのだと理解してしまえば、余計にノイナの身体も昂っていく。
 胸を責めている間にも彼の手はショーツにも潜り込んで、キスだけでびしょびしょになったそこを撫でさすった。


「もう、こんなに濡らして……ゲブラーにずいぶんと慣らされたようだね」
「あ、やっ、触っちゃ」
「大丈夫、僕がもう一度教えなおすから。今までの行為なんて簡単に忘れられるほど、身体の一番奥まで、僕のものでいっぱいに……」


 制止の声も虚しく、彼の手がぐっしょり濡れたショーツを剥がす。そのまま太ももを掴まれ持ち上げられたノイナは後ろに倒れ込んで、すぐにスタールの息が秘処に当たる感覚がした。


「これからは僕が、いくらでも君に快感を……ん、ふ」


 うっとりと彼女の大事な場所を眺めた彼は、ひどく恋しそうな声を途中で切ってそこを舐め始める。溢れ続ける愛液を啜って、ひくつく割れ目に舌を差し込み、指でくりくりと円を描くように陰核を撫で回す。
 愛に溢れながらも容赦のない的確な責めに、ノイナはただ悶え続ける。下腹部で渦巻く快感はどんどん大きくなって、あっという間に弾けてしまう。


「ひぁあぅんっ」


 甘い声をあげて絶頂に震えれば、スタールが息を呑む音が微かに聞こえる。彼は荒々しく服を脱ぎ捨てて、少し前からずっと興奮を露わにしていた男根を取り出すと、すぐに挿入に備えて秘処に擦り付け始める。


「あっ、んっ、せんぱい、だめ、ですって……」
「もう、耐えられない……早く僕を全身で感じて、ノイナ」


 余裕なさげにそう呟くのと同時に、先走りで濡れた先端がつぷっと中に入り込んでしまう。

 だがそこでばりんとガラスが割れる音が少し離れた場所から聞こえてくる。すぐに異音に反応したスタールは手早く自分の服装を整えると、どたどたと近づいてくる足音のほうへと構えた。


「失礼するよ、ってやっぱ居た……!」


 ばんと扉を開いて現れたのはゲブラーだった。彼はスタールを見つけると、ナイフ片手に殺気だった様子で睨みつけてくる。


「言っておくけど、あんたの要求は呑まない! 百歩譲ってノイナが任務から外れるとしても、ノイナには今後も俺のセックス相手をしてもらうから!」
「それは無理だ。彼女にこれ以上貴方の相手はさせられない。そして僕との結婚を考えてもらう」
「け、けっこん……!?」


 そこでゲブラーは素っ裸のノイナがベッドにいることに気づく。そして端正な顔を怒りと憎しみで歪ませると、手にしていたナイフを振るった。


「貴方と殺し合う気はない」
「うるさい! 俺からノイナを奪うなんて、そんなの許さない、許さないよ……!」


 怒りで単調になったゲブラーの攻撃を、スタールはものともせず躱している。それを見たノイナは慌てて二人を止めようと、シャツを軽く羽織りながら立ち上がろうとした。


「っ!」


 突然スタールがなぜかバランスを崩しよろける。さらに運悪く、ゲブラーのナイフは吸い込まれるように彼の首筋を撫でようとした。


「待って、ゲブラー!」


 とっさにノイナは声をあげて二人の間に入った。それに素早く気づいたゲブラーはナイフを止めると、怯えた様子でノイナから距離をとった。


「ナイフ持った俺に近づかないで……!」
「あ、ご、ごめんなさい……」


 迫真の叫びにうっかり謝ってしまうも、ノイナは再び強気の表情を見せた。


「ひとまず、攻撃は駄目です! 確かにいろいろ拗れてますけど……きっと、和解の道があるはずです!」


 いろんなことが起きすぎていっぱいいっぱいだったノイナは、なんとかそんな説得をした。この修羅場の渦中に自分の存在があることにも、いまいち実感が湧かないまま。


「しっかり話し合いましょう!」


 この台詞が結果的に惨事につながることを、ノイナは知らなかった。



18 了
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