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04-03 **

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 終わってなかった。ぬか喜びしてしまったことに情けなさを感じながら、ノイナは言われるまま服を脱ぎ始める。
 思っていた以上に、他人にじっと見られている状態で服を脱ぐのは恥ずかしい。ゲブラーもそれを分かってか、ノイナの脱衣を舐め回すように見てくる。


「脱ぎ、ましたけど……」
「こっち来て」


 胸元を隠しながらゲブラーの側に寄れば、彼はなぜか自分の指を口に咥える。そしてノイナの股間に手を伸ばすと、唾液で濡れた指を中へと潜らせてくる。


「んぅっ」
「思ったより濡れてるねぇ……俺の舐めながら興奮してたんだ」
「ち、ちがっいますっ」
「本当に? じゃあどうしてこんなに」


 ぐちゅぐちゅとわざと音を立てて、ゲブラーは以前探り当てた弱い場所を執拗に指でなぞってくる。それだけでノイナは足に力が入らなくなって、とっさに片足をソファに預け彼の肩に縋った。


「えっちな音がでちゃうくらい、びしょびしょなのかなぁ」
「それ、は、ぁ」
「正直に言って? 俺、嘘は嫌いだよ」


 脅すような彼の口ぶりに、彼女は唇を小さく噛んだ。そうしているうちにもう片方の手が秘芯を弄り始めて、くりくりと指でそこを撫で回される。彼女の痴態に反応してか、彼の男根も再びぐぐっと大きく反り勃っていく。


「んぅ、あっ、その、前のこと……思い、出して」
「ふんふん、俺とヤりまくったときのことね?」
「こんなおっきいの、入ってたん、だっ、て……ひぁっ、思って、ました」
「ははーん」


 愉しそうに笑みを浮かべて、ゲブラーは何を思ってか指を中から引き抜いた。とろりと愛液が糸を引いて伸びるのを恥ずかしげに見ていれば、彼はどこからか四角形の何かをノイナに差し出してくる。


「そんなに俺のマグナムが気に入ったのなら、自分で挿れてよ」
「……えっ」


 おっさん臭い言い回しに突っ込むよりも前に、ノイナは思考停止する。持たされたものをよくよく見れば、前にゲブラーが使っていたものと同じものだ。
 つまり、避妊具である。


「ここにつけて、自分で跨って、挿れて。あ、ちゃんと自分から腰振って動くんだよ?」
「…………」
「返事はー?」
「分かり、ました」


 ゴムの付け方が分からず戸惑っていると、ゲブラーが呆れながらも手をとって教えてくれる。なんとかうまく装着が終われば、次は挿入だ。


(これを……)


 挿れてもらうのと自分から挿れるのでは全く違う。そのうえ、先ほどの口淫で大きさを確認したこともあって、ノイナの心中に恐怖が広がってしまう。
 ゲブラーの上に跨って、一応狙いを定めてみる。だがここで合っているのか自信がない。


「まだぁー?」
(コイツ……)
「ほら、ここだよここ」


 もじもじとしているノイナを見かねて、ゲブラーはぐいぐいと先端を彼女の穴に押し付けてくる。そこの感触を覚えたノイナは、意を決してゆっくりと腰を下ろした。
 思っていたよりも簡単に、彼女の身体はずぷずぷと彼の逸物を呑み込んでいく。前回あれだけすれば入らないわけがないかと謎の納得をしながら、そのまま彼の上に座り込むように腰を下ろした。


「んんぅ……!」


 体重がかかるせいか、前よりもずっと深く入っているような気がする。それだけで身体は快感に晒されて、ノイナは顔を真っ赤にした。


「ほーらー、動いてー。俺はノイナと違って、挿れただけじゃ気持ちよくなんないの」
「う……は、いっ」


 よろよろと腰を上げて、なんとか下ろす。これでいいのだろうかとゲブラーの様子を伺えば、彼はどこかつまらなさそうにしている。


「ん、足りない、ですかっ」
「相変わらず最高の締め付けと密着度だけど……そんなちんたら腰振ってたら俺がイけないでしょ」
「んん、んんんっ」


 しっかり動けとせがまれ、なんとか彼女はもっと激しく動こうとした。けれど座り込むたびに深く彼の怒張が突き刺さって、敏感な最奥を刺激してしまう。びりりと走る快感に腰は抜けかけて、持ち上げるだけでやっとだった。


「ひぅっ、んっ、あっ、あぅっ」
「……はぁ、これもまた練習だな」
「え、ひゃんっ」


 ゲブラーがため息をついたかと思えば、彼はノイナの腰を掴むと激しい抽挿を始める。絶え間なくぐいぐいと胎の口を舐って、さっきよりも執拗に絡みついてくる中の感触を味わっているようだ。


「はぁ、んんっ、ほんと中は、最高……っ、あとは自分で動ける、ようになれば……」
「んぁ、あんっ、ごめ、ごめんな、さっ」
「俺は優しいから、ふふ、今回は許してあげる。でも、成長が見られなかったら、分かってるね?」


 ゲブラーの言葉に、ノイナは必死になって頷いた。ただされるがままではダメだと、彼に責められている最中もなんとか身を捩ったりして動こうとした。


「いい心掛け、だね……は、ほんと、あぁ……っ、生でしたら、きもちいだろうなぁっ」
「なっ、なま」
「あは、心配になった? しないよ生でなんて、気持ちいいけどいろいろ面倒だし」


 どこか諦観を滲ませた表情でゲブラーは言うと、すぐに悪戯な笑みを浮かべてみせる。


「あんたを殺すってなったとき、んっ、殺す前に生でヤりまくろう、かな……っ」
「っ、そんなこと、ならないように、ふ、んっ、頑張ってやりますよ……!」
「へぇ! いいね、肝据わってる奴、けっこう好きだよ」


 ちゅっとノイナの頬にキスを落として、興奮したゲブラーは彼女を強く抱き止め、限界に向けて抽挿を浅く、執拗なものへと変えていく。もはや身体で覚えてしまった絶頂間際の交合に、ノイナの身体も悦び、高く昇っていく。


「ほら、ノイナ……っ、一緒にイこう……?」
「んん、はいっ、んぁ、あぅ……一緒、にっ」


 同じように、ノイナは強くゲブラーを抱きしめる。逞しいその身体つきを肌身で感じて、快楽を分かち合う悦びを噛み締めた。


「イ、っく……!」
「はぁ、あっ、出る……っ」


 お互いの腰を押し付け合って、一番深いところで同時に達する。びくびくと甘やかな刺激に震えて、同じように震える彼の男根をきつく締め上げた。
 これで今回の任務も終わりか。そう思ってノイナは息を吐き、ゲブラーの上から退いた。今度は腰が抜けることなく、ちゃんと立ち上がれた自分を褒めてやる。


「んー……やっぱりセックスはいい、最高の気分だ」
「それは、良かったです」
「でもイったあとの気持ち良いのってすぐ消えちゃうんだよね。ということで!」
(嫌な予感がする……!)


 咄嗟にそう思って逃げようとするも、ノイナはしっかりとゲブラーに捕らえられ、小脇に抱えられてしまう。そして寝室に連れ込まれる。


「一回で済むわけないでしょー? また練習させてあげるから。頑張るって言ったのノイナだよ?」
「うぅ……」


 その後もノイナはゲブラーを喜ばせようと、できないなりに頑張った。だがあれもダメこれもダメとダメ出しをされ続け、最終的にはゲブラーに抱かれると、そんなやりとりを繰り返し続けた。



04 了
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