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気づけば異世界
04 歓迎の宴
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下手なりに絵を描いてエアに必要なものを伝えたら彼は早速家を出ていく。
いくら王に言われたからといって、こんな他人にアレコレ命令されても嫌な顔を
していなかったのは恐らく異世界の品物に興味を示したからだと思う。
「ダクシィさん!良かった。さっき王様が来てたんですよ!」
「王様が?」
「それで私が王様に認められなければ殺されるかもしれないってきいたんですけど」
「……」
私は1人になってヤキモキしていたら何処へ行っていたのかダクシィが戻ってきた。
私の問いかけに彼女は沈黙する。
「正直に言うとあまり自信がないんです。覚えてますよね、ここへ来る前に1人で
森に行ったでしょう?あれは、この世界で自分がどう変わったか知りたかったんです。
でも、よく分からなかった。それで神獣の世話とか儀式なんて出来るのかと」
トリマーとしても、見習いで話にならないレベルだし。
「ここ何代かの統治下ではこの儀式を行う事はなく現王が初めてですから。
皆が注目しています。失敗は許されません。だからこそ慎重なのでしょう」
「初めて!?危なくないって言いましたよね?命に危険もないんですよね?」
正直、神殿で神獣と一緒にお祈りでもしたらいいのかと安易に考えていた。
専門的な行為が必要と言われても出来ない。
あの日の夜、家で眠る準備をしてベッドに入ってやっと眠れそうになった瞬間。
世界が真っ暗になって気づいたらもう石造りの神殿という投げっぷり。
神様からこの世界への取説は貰ってないしチュートリアルだってなかったのに。
「儀式は神の啓示が現れた年にのみ行います。私は導かれ、あの神殿にいた」
「ダクシィさんは巫女さんだし内容はわかってるんですよね」
「代々受け継いできた神書には神獣の誕生と同時に神に選ばれし者が神殿に現れるとありました。
そして神への儀式を行うのです。内容は口伝でも書物にも残してはいけないとされています。
唯一分かっていることは儀式を行う日がルースフの夜でなければならないということ」
「ルースフの夜。王様も言ってたな。確か、明後日」
「神がそのような儀式を行わせるのはこの世界の均衡が崩れているのでしょう。
私の母の時代に大規模な戦争が起こりました。王様が常に鎧を着られるのもその為。
今もなお領土間の諍いは絶えません。神は無駄な争いを嫌います」
「……」
記録が残されていないということは。ダクシィさんも詳しいことは知らないってこと。
この世界がどんな均衡をどうやって保っていたのかは知らないけれど、
それを私が回復させることなんて出来るのだろうか?それとも神獣がするのかな?
「神が選んだ貴方がいらっしゃるのだから不安に思うことはありません」
「……そう、なんでしょうか?」
「王様がいらしたのならもしかして神獣とも?」
「会いましたよ。すごい凄い可愛いポメちゃん」
あんな小さいもふもふと新人トリマーで一体何が出来るというのか?
少なくとも、ハサミで世界を救えるとは思えないのですが。
どうなってますか神様?聞いてますか神様?
「ぽめちゃん……?」
「あぁ。すみません。ツヴェルクでしたね」
そう呼んだらあのイカオジサンが怒ったのは神獣だったからなんだな。
不敬罪にされるには、あまりにも可愛すぎる神の獣さん。いい子そうだったけれど。
それにあんな怖い雰囲気を出している王様に非常に懐いていた。
「あのポメレニア様とそんな打ち解けた会話を?」
「え?神獣はツヴェルクでしょう?」
「王様です。エルムス=ポメレニア様」
「……かわいいー」
なるほどこっちに怒ってたんだなあのオジサン。確かにそれは不敬罪だ。
なんて愛らしいお名前、でもそんな事言ったらそれこそ打首なんだろうな。
この世界の価値観でいうと、その言葉は王様の偉大なるお名前だから。
「場所も日にちも決まっています。私も側にいますから何かあればお守りします」
「もうこうなったら頼れるのはダクシィさんだけなんです。よろしくおねがいします」
「ええ。もちろん」
こんな不安しか無い世界嫌だけどやらなければ帰れないのだから。仕方ない。
ダクシィは大丈夫ですよと笑顔で言って部屋へ戻っていき、私も戻る事にする。
私が神様に選ばれた者と信じているからだろうけど、この調子じゃ今日も眠れそうにない。
「言われた通りに体を洗うものを集めてみたんだが」
「思いの外いっぱいある」
「俺はそういう商売をしているからな。揃えるのは得意さ」
「はあ。凄い」
部屋に居たらノックされて。出ていくとエア。彼の部屋に案内されて行くと、
机の上にこの国の人々が使っているというボディソープが多種多様に置いてあった。
液体、粉末、どう使うのかベタベタしたの。恐らく別の国の物も多く入ってる。
貿易商をしているだけあって品揃えも集める速さも違う。
「ハサミってのも鍛冶屋のオヤジに聞いてみたらなんとかなりそうだったよ」
「ありがとうございます」
エアにお願いしていたのは商品だけでなくシザーケースもお願いしていた。
けれど、都合よくそんなものがある世界ではないのでまた絵で説明をして。
革を加工してもらい即席のケースを作ってもらう。
ハサミの他にも小さいポケット付きで多少物は入れられる。
けど、流石にハサミまではすぐに出来ないようですべての道具が揃うのは
儀式を終えてからになるらしい。
「俺は城へは行かないよ。ああいう堅苦しい場所は昔から苦手なんだ」
「実家じゃないんですか」
「ジッカ?まあ、とにかく。用意しておくから行ってらっしゃい」
夜、城からのお迎えが来た。昼間会ったのでてっきりもう城へ行く必要はないのかと
思っていたのに。まさかこれから間髪入れずにチェックされるのかと気が重くなって。
どうにかして逃げたかったがそうはいかず。
私の存在をしっかりと見ている王様に嘘をつく方が立場は悪くなるだろう。
エアは来なくて私とダクシィと二人だけ。盛大に歓迎のパーティを開いてくれるとかで。
最初はパレードなんてのんきなことを考えていたけど
そんな事をされても失敗したらと思うと怖いという気持ちしか持てない。
「ショウコ様?」
「おかしな話ですよね。貴方のほうが世界を救えると思うんですけど」
この世界の住民で神を信じる巫女様。彼女のほうがこの役目は向いている。
城へ到着してパーティが行われているという会場へ向かう途中の廊下で私の足はとまった。
すぐ近くからは明るい音楽と、ワイワイと人の大勢いる声。
お城だからか夜でも暗い世界ではなく煌々と明るい。まるで絵本の世界のようだけど。
「それは私の役目ではありません。私は神の声を聞き導くもの」
「だって私」
「ショウコ様?」
「……、聞こえる」
「え?」
騒がしいパーティの音に紛れてそれは聞こえる。
ダクシィに先に行ってくださいと伝えるとそれが聞こえる方へと歩きだした。
この世界の人々の見世物にされるのが嫌で逃げ出したい気持ちもあったのは確かだけど。
些細な音なのに、それ以上に気になって仕方なくて。まるで足が勝手に動いたようだった。
「……ツヴェルク?貴方が歌ってたの?」
どんな風に何処を歩いてきたのか不明だが、花と真ん中に噴水がある中庭にたどり着いた。
ここは城の中でもひときわ薄明かりで、見上げれば星がきれいに見える。
キョロキョロと視線を惑わせるとその噴水の所に座っているツヴェルクが
こちらをじっと見つめている。
ずっと聞こえていた音はもう聞こえない。まさか彼が私を呼んだのだろうか?
昼間は愛くるしい表情で足元にまとわりついたり抱っこされていたツヴェルク。
でも今は神秘的な瞳の色で、私を冷静に見つめて。何か言いたそうにしている気がする。
理解してあげたいけれど、あいにくそのすべを知らない。
「お前にはあれが歌に聞こえるのか」
「王様」
近づいてじっと見つめ合っていたら、後ろから声をかけられた。
パーティだからか昼間とは違い武装はしていないけれど、
どの貴族達よりも美しく目立つ優雅な格好の王様。
厭味ったらしくないのは顔が派手で、過剰な装飾は殆どしていないからか。
「他の誰にも聴こえない音らしい。どうやらお前は騙りの類ではないようだ」
「貴方には何に聞こえますか?」
「わからん。……ただ、懐かしい気持ちになる。変な音だ」
私だけでなく王様にも聞こえていたらしい。不思議な音。
声とはちがうでも声のように意志を感じる。でも何を言っているかはわからない。
誰にでも聞こえるわけではないのならやはり私は特殊な存在なのだろうか。
「神様がこの世界に居るとしても、私は会っていないし説明も受けていない。
儀式を行うのはそれが私の使命だと言われたからで。強い気持ちが有るわけじゃ」
「お前の気持ちなど知らん。神がそう望んだのならなるべくして世界は動いていくだろう」
そう言うと、すらりと抜かれた剣が私の首元に突き立てられる。
「使えないとわかったら、私を殺しますか」
「そうだな。お前のような存在はたとえ無能でも神の子として崇めはじめる愚か者が出る」
「……」
「この国に統治者は1人でいい。お前を保護するのは勝手な行動をされては困るからだ。
領土の件で隣国とは水面下でまだくすぶっている。
この国が恵まれているのを妬んでいる連中にお前を利用されては面倒だからな」
「儀式を行うことでこの世界は救われるんでしょうか」
「救われると、信じている者は多い」
じっと動かずにまっすぐ彼を見つめていた。怖いからというのもあるけれど。
すると剣は首から遠のき彼の鞘に戻った。
いくら王に言われたからといって、こんな他人にアレコレ命令されても嫌な顔を
していなかったのは恐らく異世界の品物に興味を示したからだと思う。
「ダクシィさん!良かった。さっき王様が来てたんですよ!」
「王様が?」
「それで私が王様に認められなければ殺されるかもしれないってきいたんですけど」
「……」
私は1人になってヤキモキしていたら何処へ行っていたのかダクシィが戻ってきた。
私の問いかけに彼女は沈黙する。
「正直に言うとあまり自信がないんです。覚えてますよね、ここへ来る前に1人で
森に行ったでしょう?あれは、この世界で自分がどう変わったか知りたかったんです。
でも、よく分からなかった。それで神獣の世話とか儀式なんて出来るのかと」
トリマーとしても、見習いで話にならないレベルだし。
「ここ何代かの統治下ではこの儀式を行う事はなく現王が初めてですから。
皆が注目しています。失敗は許されません。だからこそ慎重なのでしょう」
「初めて!?危なくないって言いましたよね?命に危険もないんですよね?」
正直、神殿で神獣と一緒にお祈りでもしたらいいのかと安易に考えていた。
専門的な行為が必要と言われても出来ない。
あの日の夜、家で眠る準備をしてベッドに入ってやっと眠れそうになった瞬間。
世界が真っ暗になって気づいたらもう石造りの神殿という投げっぷり。
神様からこの世界への取説は貰ってないしチュートリアルだってなかったのに。
「儀式は神の啓示が現れた年にのみ行います。私は導かれ、あの神殿にいた」
「ダクシィさんは巫女さんだし内容はわかってるんですよね」
「代々受け継いできた神書には神獣の誕生と同時に神に選ばれし者が神殿に現れるとありました。
そして神への儀式を行うのです。内容は口伝でも書物にも残してはいけないとされています。
唯一分かっていることは儀式を行う日がルースフの夜でなければならないということ」
「ルースフの夜。王様も言ってたな。確か、明後日」
「神がそのような儀式を行わせるのはこの世界の均衡が崩れているのでしょう。
私の母の時代に大規模な戦争が起こりました。王様が常に鎧を着られるのもその為。
今もなお領土間の諍いは絶えません。神は無駄な争いを嫌います」
「……」
記録が残されていないということは。ダクシィさんも詳しいことは知らないってこと。
この世界がどんな均衡をどうやって保っていたのかは知らないけれど、
それを私が回復させることなんて出来るのだろうか?それとも神獣がするのかな?
「神が選んだ貴方がいらっしゃるのだから不安に思うことはありません」
「……そう、なんでしょうか?」
「王様がいらしたのならもしかして神獣とも?」
「会いましたよ。すごい凄い可愛いポメちゃん」
あんな小さいもふもふと新人トリマーで一体何が出来るというのか?
少なくとも、ハサミで世界を救えるとは思えないのですが。
どうなってますか神様?聞いてますか神様?
「ぽめちゃん……?」
「あぁ。すみません。ツヴェルクでしたね」
そう呼んだらあのイカオジサンが怒ったのは神獣だったからなんだな。
不敬罪にされるには、あまりにも可愛すぎる神の獣さん。いい子そうだったけれど。
それにあんな怖い雰囲気を出している王様に非常に懐いていた。
「あのポメレニア様とそんな打ち解けた会話を?」
「え?神獣はツヴェルクでしょう?」
「王様です。エルムス=ポメレニア様」
「……かわいいー」
なるほどこっちに怒ってたんだなあのオジサン。確かにそれは不敬罪だ。
なんて愛らしいお名前、でもそんな事言ったらそれこそ打首なんだろうな。
この世界の価値観でいうと、その言葉は王様の偉大なるお名前だから。
「場所も日にちも決まっています。私も側にいますから何かあればお守りします」
「もうこうなったら頼れるのはダクシィさんだけなんです。よろしくおねがいします」
「ええ。もちろん」
こんな不安しか無い世界嫌だけどやらなければ帰れないのだから。仕方ない。
ダクシィは大丈夫ですよと笑顔で言って部屋へ戻っていき、私も戻る事にする。
私が神様に選ばれた者と信じているからだろうけど、この調子じゃ今日も眠れそうにない。
「言われた通りに体を洗うものを集めてみたんだが」
「思いの外いっぱいある」
「俺はそういう商売をしているからな。揃えるのは得意さ」
「はあ。凄い」
部屋に居たらノックされて。出ていくとエア。彼の部屋に案内されて行くと、
机の上にこの国の人々が使っているというボディソープが多種多様に置いてあった。
液体、粉末、どう使うのかベタベタしたの。恐らく別の国の物も多く入ってる。
貿易商をしているだけあって品揃えも集める速さも違う。
「ハサミってのも鍛冶屋のオヤジに聞いてみたらなんとかなりそうだったよ」
「ありがとうございます」
エアにお願いしていたのは商品だけでなくシザーケースもお願いしていた。
けれど、都合よくそんなものがある世界ではないのでまた絵で説明をして。
革を加工してもらい即席のケースを作ってもらう。
ハサミの他にも小さいポケット付きで多少物は入れられる。
けど、流石にハサミまではすぐに出来ないようですべての道具が揃うのは
儀式を終えてからになるらしい。
「俺は城へは行かないよ。ああいう堅苦しい場所は昔から苦手なんだ」
「実家じゃないんですか」
「ジッカ?まあ、とにかく。用意しておくから行ってらっしゃい」
夜、城からのお迎えが来た。昼間会ったのでてっきりもう城へ行く必要はないのかと
思っていたのに。まさかこれから間髪入れずにチェックされるのかと気が重くなって。
どうにかして逃げたかったがそうはいかず。
私の存在をしっかりと見ている王様に嘘をつく方が立場は悪くなるだろう。
エアは来なくて私とダクシィと二人だけ。盛大に歓迎のパーティを開いてくれるとかで。
最初はパレードなんてのんきなことを考えていたけど
そんな事をされても失敗したらと思うと怖いという気持ちしか持てない。
「ショウコ様?」
「おかしな話ですよね。貴方のほうが世界を救えると思うんですけど」
この世界の住民で神を信じる巫女様。彼女のほうがこの役目は向いている。
城へ到着してパーティが行われているという会場へ向かう途中の廊下で私の足はとまった。
すぐ近くからは明るい音楽と、ワイワイと人の大勢いる声。
お城だからか夜でも暗い世界ではなく煌々と明るい。まるで絵本の世界のようだけど。
「それは私の役目ではありません。私は神の声を聞き導くもの」
「だって私」
「ショウコ様?」
「……、聞こえる」
「え?」
騒がしいパーティの音に紛れてそれは聞こえる。
ダクシィに先に行ってくださいと伝えるとそれが聞こえる方へと歩きだした。
この世界の人々の見世物にされるのが嫌で逃げ出したい気持ちもあったのは確かだけど。
些細な音なのに、それ以上に気になって仕方なくて。まるで足が勝手に動いたようだった。
「……ツヴェルク?貴方が歌ってたの?」
どんな風に何処を歩いてきたのか不明だが、花と真ん中に噴水がある中庭にたどり着いた。
ここは城の中でもひときわ薄明かりで、見上げれば星がきれいに見える。
キョロキョロと視線を惑わせるとその噴水の所に座っているツヴェルクが
こちらをじっと見つめている。
ずっと聞こえていた音はもう聞こえない。まさか彼が私を呼んだのだろうか?
昼間は愛くるしい表情で足元にまとわりついたり抱っこされていたツヴェルク。
でも今は神秘的な瞳の色で、私を冷静に見つめて。何か言いたそうにしている気がする。
理解してあげたいけれど、あいにくそのすべを知らない。
「お前にはあれが歌に聞こえるのか」
「王様」
近づいてじっと見つめ合っていたら、後ろから声をかけられた。
パーティだからか昼間とは違い武装はしていないけれど、
どの貴族達よりも美しく目立つ優雅な格好の王様。
厭味ったらしくないのは顔が派手で、過剰な装飾は殆どしていないからか。
「他の誰にも聴こえない音らしい。どうやらお前は騙りの類ではないようだ」
「貴方には何に聞こえますか?」
「わからん。……ただ、懐かしい気持ちになる。変な音だ」
私だけでなく王様にも聞こえていたらしい。不思議な音。
声とはちがうでも声のように意志を感じる。でも何を言っているかはわからない。
誰にでも聞こえるわけではないのならやはり私は特殊な存在なのだろうか。
「神様がこの世界に居るとしても、私は会っていないし説明も受けていない。
儀式を行うのはそれが私の使命だと言われたからで。強い気持ちが有るわけじゃ」
「お前の気持ちなど知らん。神がそう望んだのならなるべくして世界は動いていくだろう」
そう言うと、すらりと抜かれた剣が私の首元に突き立てられる。
「使えないとわかったら、私を殺しますか」
「そうだな。お前のような存在はたとえ無能でも神の子として崇めはじめる愚か者が出る」
「……」
「この国に統治者は1人でいい。お前を保護するのは勝手な行動をされては困るからだ。
領土の件で隣国とは水面下でまだくすぶっている。
この国が恵まれているのを妬んでいる連中にお前を利用されては面倒だからな」
「儀式を行うことでこの世界は救われるんでしょうか」
「救われると、信じている者は多い」
じっと動かずにまっすぐ彼を見つめていた。怖いからというのもあるけれど。
すると剣は首から遠のき彼の鞘に戻った。
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