41 / 81
第3章 ゆるやかな流れの中で
瞬の気持ち
しおりを挟む後ろから榊に抱えられるように座っていると風が避けられるのか、全く寒さは感じなかったが、それでは榊が寒いのではないかと心配になり、その顔を仰ぎ見ると、榊もじっと瞬の事を見詰めていたらしく、目と目がバチリと合ってしまって、慌てて目を逸らす瞬だった。
また今ので股間が更にズンと重苦しくなってしまった。
硬く革の下着でそれを下向きに強制的に固定されているのだから、瞬から言わなければ気付かれる筈も無いのに、思わずその刺激にゾワリと全身にさざ波が立ってしまった。
心臓がドクドクと脈打つ音が自分の耳の鼓膜を震わせて、榊にまで聞こえているんじゃないかと心配すれば、更にそれは逆効果をもたらしてしまった。
「凄くドキドキしてますね。
ここも痛いですか?」
榊に張り詰めた股間を握られてしまった。
その衝撃たるや一撃で重くるしさなんてとっくに通り越し、ドクドクとそこに血液が集まり、それが脈打つ度に痛い。
冷静にそれを収めようとする瞬のそこに榊の指の熱がじわじわと染み込んで来るようで、瞬は思わず叫び逃げ出したい衝動に駆られていた。
ただ榊はそこを優しく手を添えている程度の事で、刺激になるような指の動きを加えたわけでもない。
それなのに瞬の反応の良さに榊も驚くというより、納得してしまった。
そんな事ダイレクトに聞かれた事などなくて、瞬は何と言って答えていいやら返答に詰まる。
「あの…その、違います!
寒くて心臓が驚いてドキドキしちゃっただけで」
そう言うと今度は榊の腕が瞬の薄い身体をギュッと抱き締めて来た。
もう瞬は口から心臓が飛び出してしまうんじゃないかと言うくらいびっくりして思わず声を発してしまう。
「ひゃっ!」
「ふっ。
思った通り瞬はいつも可愛い反応をしてくれますね。
私も躾け甲斐がいっぱいありました。
そのままで聞いてください。
そして今聞いた事はこれからもずっと瞬の胸の中にだけしまっておくと約束できますか?
それが負担になるなら辞めて置きます。
ただ瞬も気付いているでしょうが、堂島様から任された瞬の躾けはもう既に終わっているのです。
今ここに居ても先にも進めませんし、今更後戻りもできない。
瞬には辛い事の繰り返しの日々じゃないですか?」
その問いには瞬の首が強く横に振られた。
どんな辛い事でも榊がしてくれる躾けなら今までだってこれからだって耐えられる自信があった。
それが例え他の少年達のように後ろの孔で男の人を迎え入れる事になろうと全然平気だと思えた。
いずれは主人である堂島を迎え入れるであろう事になったとしても、別れる事が決まっているなら初めては榊に躾けて欲しい瞬だった。
10
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる