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第2章 制服と征服
曖昧な時間の中で(2)
しおりを挟む食事も歯磨きもベッドの上で済ませてしまった。
ちょっと苦しいが食事の量が少なくとも食事と一緒に毎回ペットボトルのミネラルウォーターを1リットル飲まされていたので食後はお腹がいっぱいになってしまう。
その水には勿論次の利尿作用を引き起こす薬が混ぜられていた。
瞬は手を合わせ『ごちそうさまでした』と外の世界でも言っていたように挨拶をすると、瞬を隠さないように部屋の隅に控えている榊の方に視線を馳せて来る。
相変わらず鏡の向こうは瞬のこの瞬間も余す事なく見詰めているのであろう。
これからはじまる事は瞬にとって一日の内で一番の恥辱を感じる躾である。
何度同じことを繰り返えされようと、瞬の恥じらいは薄れる事はなく、毎回新鮮に恥辱を感じで身悶えてくれるのであるから、主人がそれを楽しみにしていないはずが無かった。
普段から恥ずかしがりで大人しい瞬があの瞬間だけは苦しそうに眉根を寄せて大きく声を上げる事だってある。
それくらい屈辱的で苦しい行為なのだがそれは毎朝訪れるのだった。
食事が終わるとまたあの変な椅子に座らされるという事が、もう瞬にも既にわかっているようだった。
そこからは長く屈辱的な行為が続く、だが逆らう事は許されないとその小さな身体で理解しようと頑張ってはいた。
そうだと分かっていても瞬の目はもう既に涙で潤んでいるようだった。
けして媚びているわけではなかったが、これからしなければならない事を思うと自然と恥じらいが湧いてきて堪え切れなくなる。
だからいっそ早く終わってくれと思うのか、瞬は潤んだ瞳を榊に縋らせて来る。
時計もカレンダーもなく、日の光も入らない部屋に閉じ込められていると瞬の中の時間の感覚ももうあやふやになってしまっていた。
ただこんな風に朝だと言われると朝だと思うようにしていた。
そんな曖昧な時間の中で瞬の躾は進められていたのだった。
本当の外の時間は夜かもしれないし、もしかしたらもう一か月も二か月も進んでいるのかもしれない。
その不安がないかと言ったら嘘になるが。
だが瞬の時間は今は全て榊とその主人に委ねられていた。
ここから出たければ今はそれに素直に従うしかないと思う。
だから屈辱的な事だろうとそれを甘んじて受け入れるしかない。
「食べ終わりましたか?
なら腕を回してください」
瞬は素直に榊の首に腕を回すとフワリとその身体は浮いてしまった。
瞬は最近こうしてよく榊に抱き上げられて椅子に座らされていた。
『一人で歩けます』と言ったら、榊に『恥じらいを忘れずに貞淑であれと教えた事が守れませんか?』と言われてしまい、瞬は何が間違っていたのかもわからずに、それでも逆らっては貞淑ではないと判断して黙って抱き上げてもらう事にした。
榊の制服の上からでも感じられる人肌の温もりは、一糸纏わぬ生活を強いられていた瞬にはとても居心地がいい瞬間でもあった。
だがそれは一瞬の出来事で、ベッドから椅子までの距離なんて大人の足ではほんの数歩の事、またすぐにあの冷たい椅子の上に降ろされると、手足を開いて拘束されてしまうのだった。
長いと一日の大半をこの椅子の上で過ごす事もある。
椅子に仰向けに横たえられたり、うつ伏せになったり体位を変えるのも榊によって行われる。
そしてこの狭い部屋の中でさえほとんど歩く事はなかった。
使わなくなった足の筋肉は徐々に落ちていくだろう。
瞬の手足はここに連れて来られた時より幾分細くなったような気がした。
それも瞬の主人のオーダーの一つなのである。
育ち盛りの瞬をここに預けて躾を受けさせているのには、瞬には余計な筋肉をつけさせない為でもあった。
外界に居ると子供はどうしても走り回り筋肉がついてしまう、特に男の子は活発であるから尚更だった。
ここなら必要な躾をしてもらえる上に、このように少しではあるが身体に細工も施してもらえる。
堂島にとって少年の体には筋肉など必要最低限ついていればそれで十分なのだった。
だからこの狭い部屋の中でもチューターに抱かれて移動する事が多い瞬は知らず知らずのうちに堂島の望む少年の身体へと近づいていた。
だが瞬にはその主人の意図など知るよしも無い。
ただ榊に抱き上げてもらえる時に感じる温もりだけは、とても心地よく感じているのだった。
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