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第1章 執着と躾
地下室(2)
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裸に剥かれても寒くはなかった。窓が無くとも換気も空調もしっかりと管理が行き届いているのが分かる。
ただ瞬は子供だと言っても責任感が強く弟が生まれてからは、長男として父や母の手を煩わせないよう、身の廻りの事も勉強も一人でなんでも頑張ってやって来た。
だから見た目の幼さとは裏腹に少し大人びたところがある子供だったかもしれない。
わがままは言わなかったし、物分かり良く両親の言葉にも従った。
ただそれは瞬の心のどこかに良い子でいなければ母に嫌われてしまうかもしれない、母に嫌われたら父にも嫌われてしまう。
幸せそうな家族に見えても瞬だけはこの家の中で浮いた存在だったのだ。
瞬は父と前の妻との間の子供であり、今の母親とは血が繋がってはいない。
父が学生時代に付き合っていた女性が妊娠したから認知してくれと言ってきて父は認知して入籍までしたが、若かった彼女はまだやりたい事があると瞬を父に押し付けて家を出て行ったそうだった。
それ以来産みの母親とは音信不通らしく、瞬は母親の記憶はほとんどなかった。
だから父が再婚した時は新しいお母さんが出来た事を心から喜んだ瞬だった。
その新しい母親もはじめは優しかったが、弟が生まれてからはガラリと性格が変わってしまった。
やはりお腹を痛めて産んだ自分の子供の方が可愛いらしく、弟が生まれてからは瞬にはあまり構ってはくれなくなった。
挙げ句に父の会社が傾き、瞬に養子の話が来てからはもう既に他人の子だと言うように、食事も一人自分の部屋で取るように言われてしまった。
それまで瞬は嫌われないようになんとか上手くやって来たつもりだったのに、家族ゴッコが崩れるのは一瞬の事だった。
だから今の瞬には堂島という新しい父親を頼りに生きて行くしか無くなっていた。
今まで育って来た家には、自分の居場所なんてはじめから無かったのである。
そんな必要とされていない自分を受け入れてくれ、息子にしたいと申し出てくれた堂島の事を思うと、まだ顔も知らない父親だというのに瞬の心は熱くなる。
一日でも早くここを出て堂島に会いたかった。
会ってお礼が言いたかった。
あなたの息子に迎えてくれてありがとうございますと、一生期待に添えるように頑張りますと、その想いを伝えたいと切に願うのだった。
その為にはここで頑張って勉強をして、様々な課題をクリアしなければならないのである。
それなのに今瞬の前には高い塀が立ちはだかっていた。
なんでも自立するよう今まで頑張って来た瞬の生活からしたらそれは逆行している事のように思われて悲しくもなる。
トイレで用を足すだけなのに、このチューターと呼ばれる大人の男に伴われ、目の前で排泄しなければならないらしい。
それもいいと許しが出るまでは我慢しなければならないのだった。
今にも出したくて仕方がないのに、部屋の隅にある変な椅子へ座るように言われ、おずおずとそこに座った。
すると榊は瞬の腕を取り瞬の顔の横にあるバーのところで固定してしまった。
椅子にはいくつかこのような拘束具が付いているようだった。
そして足も折り曲げられカエルのように開かされた変な格好で固定されてしまった。
瞬の全身は羞恥と恐怖に打ちひしがれる。
また無毛のぺたんとした下腹部に小さな陰経が縮こまっていた。
尿意を必死に堪えているその尖端からはわずかに湿り気が伺える。
性的刺激を受けた事もないその幼い茎は周りを表皮が覆っていた。
その幼い陰経にこの先刺激を与えられたら、歓喜を覚えるように変えて行くのもこのチューターの仕事であった。
ただ瞬は子供だと言っても責任感が強く弟が生まれてからは、長男として父や母の手を煩わせないよう、身の廻りの事も勉強も一人でなんでも頑張ってやって来た。
だから見た目の幼さとは裏腹に少し大人びたところがある子供だったかもしれない。
わがままは言わなかったし、物分かり良く両親の言葉にも従った。
ただそれは瞬の心のどこかに良い子でいなければ母に嫌われてしまうかもしれない、母に嫌われたら父にも嫌われてしまう。
幸せそうな家族に見えても瞬だけはこの家の中で浮いた存在だったのだ。
瞬は父と前の妻との間の子供であり、今の母親とは血が繋がってはいない。
父が学生時代に付き合っていた女性が妊娠したから認知してくれと言ってきて父は認知して入籍までしたが、若かった彼女はまだやりたい事があると瞬を父に押し付けて家を出て行ったそうだった。
それ以来産みの母親とは音信不通らしく、瞬は母親の記憶はほとんどなかった。
だから父が再婚した時は新しいお母さんが出来た事を心から喜んだ瞬だった。
その新しい母親もはじめは優しかったが、弟が生まれてからはガラリと性格が変わってしまった。
やはりお腹を痛めて産んだ自分の子供の方が可愛いらしく、弟が生まれてからは瞬にはあまり構ってはくれなくなった。
挙げ句に父の会社が傾き、瞬に養子の話が来てからはもう既に他人の子だと言うように、食事も一人自分の部屋で取るように言われてしまった。
それまで瞬は嫌われないようになんとか上手くやって来たつもりだったのに、家族ゴッコが崩れるのは一瞬の事だった。
だから今の瞬には堂島という新しい父親を頼りに生きて行くしか無くなっていた。
今まで育って来た家には、自分の居場所なんてはじめから無かったのである。
そんな必要とされていない自分を受け入れてくれ、息子にしたいと申し出てくれた堂島の事を思うと、まだ顔も知らない父親だというのに瞬の心は熱くなる。
一日でも早くここを出て堂島に会いたかった。
会ってお礼が言いたかった。
あなたの息子に迎えてくれてありがとうございますと、一生期待に添えるように頑張りますと、その想いを伝えたいと切に願うのだった。
その為にはここで頑張って勉強をして、様々な課題をクリアしなければならないのである。
それなのに今瞬の前には高い塀が立ちはだかっていた。
なんでも自立するよう今まで頑張って来た瞬の生活からしたらそれは逆行している事のように思われて悲しくもなる。
トイレで用を足すだけなのに、このチューターと呼ばれる大人の男に伴われ、目の前で排泄しなければならないらしい。
それもいいと許しが出るまでは我慢しなければならないのだった。
今にも出したくて仕方がないのに、部屋の隅にある変な椅子へ座るように言われ、おずおずとそこに座った。
すると榊は瞬の腕を取り瞬の顔の横にあるバーのところで固定してしまった。
椅子にはいくつかこのような拘束具が付いているようだった。
そして足も折り曲げられカエルのように開かされた変な格好で固定されてしまった。
瞬の全身は羞恥と恐怖に打ちひしがれる。
また無毛のぺたんとした下腹部に小さな陰経が縮こまっていた。
尿意を必死に堪えているその尖端からはわずかに湿り気が伺える。
性的刺激を受けた事もないその幼い茎は周りを表皮が覆っていた。
その幼い陰経にこの先刺激を与えられたら、歓喜を覚えるように変えて行くのもこのチューターの仕事であった。
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