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第二部 淡水の王者と虫の王者
ミミズ狩りとは
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ミミズ狩り。正式名称ではないが、プレイヤー達は、皆、そう呼んでいる。
このクエストが実装されたのは、正式サービスが始まって1年位の時。
いわば初心者救済クエストと言える。
一日一回で、Lv19以下のキャラが受けることが出来る。
1週間、毎日やれば、あっという間にレベル20になれるという、お手軽クエストである。
「おばあ様、カルディナを呼びましたので、暫くお待ち下さい。」
「カルディナさんていうのが、未菜さんなのね?」
「そうです。ゲームの中では、カルディナで通してください。」
「ええ、心得てますよ。」
それから暫くして、カルディナ達が待ち合わせ場所へやってきた。
「クレイン、一人連れてきたんだけど?」
「なっ!!ミ、ミズガルドさんっ!」
「やっほー。」
気軽に返事をするミズガルド。
「ちょ、ちょっとカルディナ。」
そう言って、クレインは、カルディナの額をがっちりキープしていた。
「い、いきなり、なんなのよ?」
「ミズガルドさんとどういう、知り合いですか?」
「うちのギルドとヨルムンガンドは、交流あるのよ。」
「そんな事は、百も承知です。でもあなたは別です。」
「ミ、ミズたん、助けて。」
「まあまあ、クレイン。その位にして。もう一人の方を紹介して下さる?」
「あっ、すみません。まさかミズガルドさんが来てくれるなんて、思ってもみなかったんで。」
「ねえ、これよ?普通、この反応なのよ?」
ミズガルドは、カルディナを突っついた。
「紹介が遅れてすみません。こちらが私の祖母のグランマです。」
「グランマです。宜しくお願いします。」
「「そ、祖母?」」
「はい、私のおばあ様です。」
「ま、まてまてまて・・・。おばあ様って・・・先生?」
「お久しぶりね。カルディナさん。近くに居るんだったら、少しは顔を出しなさいね。」
「・・・。」
よくよくグランマを見てみると、その佇まいは、カルディナが知ってる先生以外の何者でもなかった。
「も、申し訳ありません。」
カルディナは、その場に土下座した。
「い、色々、忙しくて、顔を出す暇もなく、本当に申し訳ありません。」
「ねえ、カルディナの奴どうしたの?」
ミズガルドは、個人トークではなく、小声でクレインに聞いた。
「祖母は、カルディナの薙刀の先生なんです。」
「ああ、なるほど。」
ミズガルドは、薙刀を持ってるグランマを見た。
「あんた、薙刀使わないの?」
ミズガルドは、カルディナに聞いた。
「いや、ほら。槍術士でしょ?薙刀は・・・。それに薙刀見たことないし。」
「そういや、私も初めてかも。」
ミズガルドが言った。
「先生。すみません。どうしても盾持ちをやりたくて、両手持ち武器は、選びませんでした。」
「全然気にしないわ。元気ならいいのよ。今度、ゆっくり遊びに来てね。」
「は、はい。必ず。」
カルディナは、土下座を辞めて、その場に立った。
「あ、私は、カルディナの友人のミズガルドと言います。」
まだ、名乗ってないのを思い出したミズガルドが自己紹介をした。
「ど、どういうことです?」
クレインが突っかかってきた。
「えっ、もしかして焼きもち?」
カルディナがちょっとニヤケながら言った。
クレインは、軽くカルディナを無視した。
「私が言うのもなんですが、カルディナは、ガチな女性なんで、ヨルムンガンド自体、関わらない方がいいと思います。」
クレインは、ミズガルドに助言した。
「いや、それはわかってるし。それにゲストキー渡しちゃってるからなあ。」
「なっ!」
キッとカルディナを睨むクレイン。
「どういうことですか?」
「い、いや、私に言われても・・・。」
「その件については、私の独断ね。」
「ヨルムンガンドってターヤさんが居ますよね?」
「ええ、うちの副GMよ。」
「万が一にもサポート協議会に目を付けられたらどうするんですか?」
「それに関しては、私が謝るわ。御免、とっくに目を付けられちゃった。」
「・・・。」
「ターヤはさ、なんやかんやいっても、うちの副GMだから何とでもなるんだけど。ルビアさんに見つかっちゃった。」
「ど、どどどど、どうするんですかっ!」
「もう、協議会も終わって、何とか無事に済んだみたいよ。クレインは、何も聞いてないの?」
ミズガルドが、クレインに聞いた。
「何も聞いてません。うちには副GMが居ないので、サポート協議会に加入してませんし。最近は、聖騎士団に顔をだしてなかったので・・・。」
「心配させたくなくて、何も言わなかったのかもね。」
「そうですか。」
キッと再び、カルディナを睨む。
「リアルでゆっくり話しましょう。」
クレインの作り笑いの顔が、カルディナはとても怖かった。
「ちょっと、いいかしら?」
そう言って、グランマは、見た感じ魔法使いそのものの格好をしている
ミズガルドの横に立った。
「若干背筋が曲がってるわね?」
そう言って、手を添えて、ミズガルドの背筋を伸ばす。
「苦しい?」
「い、いえゲーム内なんで、特には。」
「この方がカッコいいわよ。苦しくないんだったら癖つけるといいわ。イメージトレーニングみたいなものだから、リアルもきっと姿勢が良くなるはずよ。」
「は、はあ。」
「あなたからみて、カルディナさんの姿勢はどう?」
「いつもシャキッとしてるなあと思いました。」
「でしょ?姿勢一つ変わるだけで、色々と変わってくるものよ。カルディナさん。ミズガルドさんとお友達なんでしょ?」
「え、ええ。」
「じゃあ定期的に姿勢を見てあげて。」
「は、はい。」
このままでは、礼儀と姿勢教室が始まってしまう勢いだったが、救世主が現れた。
「クレイン、すまない。少し遅れてしまった。」
ビショップが合流した。
「むっ、カルディナ・・・。」
ビショップはカルディナを見つけ、何か言ってやろうと思ったが、もう済んだことなので、飲み込んだ。
ビショップが遅れた理由は、5人の副GMに延々とお小言を頂いていたからだ。
現在、ビショップは、教会内で裏切り者扱いされている。
もちろんサーラントは、知らない事だが。
「ビショップさん、こちらが新人のグランマさんです。」
クレインが紹介した。
「どうも初めまして。ビショップです。」
「初めまして、グランマです。ビショップさんには、初めて会った気がしませんね。」
「私もです。」
「おばあ様、ビショップさんは、千夏さんの旦那さんです。」
「お、おばあ様っ?」
「あら、そうなの?」
「ちょ、ちょっと待て、クレイン。グランマさんは、おばあ様なのか?」
「ええ。そうです。」
「誠に申し訳ありませんっ!」
そう言って、ビショップはその場に土下座した。
「ねえ、何かさっき見なかった?」
ミズガルドが、カルディナに小声で聞いた。
「き、気のせいよ。」
「おじい様の13回忌にも行けず、ご無沙汰しており、本当に申し訳ありません。」
カルディナの土下座より、本気度3倍増しだった。
「それは、電話でも何度も聞いてます。顔をあげなさい。千夏は元気してるの?」
「は、はい。」
「あの子も色々と忙しいでしょ。千夏もこのゲームやってるの?」
「い、いえ自分だけです。」
「あら、残念ね。あの子とも戦ってみたかったわ。」
そう言って、グランマは悪戯っぽく笑った。
「ねえ、ビショップ。あんた先生とどういう関係よ?」
カルディナが、ビショップに近づいて聞いた。
「おばあ様だ。」
「は?」
「だから、おばあ様だ。正確には千夏のおばあ様だがな。」
「???」
「だから、うちの奥さんがグランマさんの孫になる。」
「へ?」
「クレインとうちの奥さんが従姉って知らなかったのか?」
「な、なんですってええええ。」
「あれ?カルディナ。知りませんでしたっけ?」
「知らないわよ。初耳よっ!」
「カルディナは、盆正月は海外行ってましたから、入れ違いだったのかも。」
「くっ・・・。私が親について海外旅行に行ってなければ、千夏さんもこんなぐうたらに引っかかる事はなかったのに・・・。」
カルディナは心底悔やんだ。
「何、その千夏って人、美人なの?」
一人蚊帳の外のミズガルドが、カルディナに聞いた。
「鮫島化粧品のCM出てる人よ。」
「あー、あの剣道の人?」
「そうよ。」
「むちゃくちゃ美人じゃないっ! えっ!!!ビショップの奥さん?」
「ま、まあ一応。」
「何で、こんな冴えない男とっ!!!」
「ちょっ、ミズガルド。俺のリアル知らないだろ。」
「知りたくないわよっ!世の中間違ってる。」
「ミズたんも、わかってくれるのね。」
「まあ、それに関しては、私も同感です。」
クレインも同意した。
「ちょっ・・・クレインまで・・・。」
「まだまだ、皆若いのね。3人ともこういう旦那さんを見つけなさい。」
「私より弱い男に興味ありません。」
クレインが言った。
「頼りがいがない男は、パスかなあ。」
ミズガルドが言った。
「そもそも男はパスっ!」
最後にカルディナがズバッと言った。
このクエストが実装されたのは、正式サービスが始まって1年位の時。
いわば初心者救済クエストと言える。
一日一回で、Lv19以下のキャラが受けることが出来る。
1週間、毎日やれば、あっという間にレベル20になれるという、お手軽クエストである。
「おばあ様、カルディナを呼びましたので、暫くお待ち下さい。」
「カルディナさんていうのが、未菜さんなのね?」
「そうです。ゲームの中では、カルディナで通してください。」
「ええ、心得てますよ。」
それから暫くして、カルディナ達が待ち合わせ場所へやってきた。
「クレイン、一人連れてきたんだけど?」
「なっ!!ミ、ミズガルドさんっ!」
「やっほー。」
気軽に返事をするミズガルド。
「ちょ、ちょっとカルディナ。」
そう言って、クレインは、カルディナの額をがっちりキープしていた。
「い、いきなり、なんなのよ?」
「ミズガルドさんとどういう、知り合いですか?」
「うちのギルドとヨルムンガンドは、交流あるのよ。」
「そんな事は、百も承知です。でもあなたは別です。」
「ミ、ミズたん、助けて。」
「まあまあ、クレイン。その位にして。もう一人の方を紹介して下さる?」
「あっ、すみません。まさかミズガルドさんが来てくれるなんて、思ってもみなかったんで。」
「ねえ、これよ?普通、この反応なのよ?」
ミズガルドは、カルディナを突っついた。
「紹介が遅れてすみません。こちらが私の祖母のグランマです。」
「グランマです。宜しくお願いします。」
「「そ、祖母?」」
「はい、私のおばあ様です。」
「ま、まてまてまて・・・。おばあ様って・・・先生?」
「お久しぶりね。カルディナさん。近くに居るんだったら、少しは顔を出しなさいね。」
「・・・。」
よくよくグランマを見てみると、その佇まいは、カルディナが知ってる先生以外の何者でもなかった。
「も、申し訳ありません。」
カルディナは、その場に土下座した。
「い、色々、忙しくて、顔を出す暇もなく、本当に申し訳ありません。」
「ねえ、カルディナの奴どうしたの?」
ミズガルドは、個人トークではなく、小声でクレインに聞いた。
「祖母は、カルディナの薙刀の先生なんです。」
「ああ、なるほど。」
ミズガルドは、薙刀を持ってるグランマを見た。
「あんた、薙刀使わないの?」
ミズガルドは、カルディナに聞いた。
「いや、ほら。槍術士でしょ?薙刀は・・・。それに薙刀見たことないし。」
「そういや、私も初めてかも。」
ミズガルドが言った。
「先生。すみません。どうしても盾持ちをやりたくて、両手持ち武器は、選びませんでした。」
「全然気にしないわ。元気ならいいのよ。今度、ゆっくり遊びに来てね。」
「は、はい。必ず。」
カルディナは、土下座を辞めて、その場に立った。
「あ、私は、カルディナの友人のミズガルドと言います。」
まだ、名乗ってないのを思い出したミズガルドが自己紹介をした。
「ど、どういうことです?」
クレインが突っかかってきた。
「えっ、もしかして焼きもち?」
カルディナがちょっとニヤケながら言った。
クレインは、軽くカルディナを無視した。
「私が言うのもなんですが、カルディナは、ガチな女性なんで、ヨルムンガンド自体、関わらない方がいいと思います。」
クレインは、ミズガルドに助言した。
「いや、それはわかってるし。それにゲストキー渡しちゃってるからなあ。」
「なっ!」
キッとカルディナを睨むクレイン。
「どういうことですか?」
「い、いや、私に言われても・・・。」
「その件については、私の独断ね。」
「ヨルムンガンドってターヤさんが居ますよね?」
「ええ、うちの副GMよ。」
「万が一にもサポート協議会に目を付けられたらどうするんですか?」
「それに関しては、私が謝るわ。御免、とっくに目を付けられちゃった。」
「・・・。」
「ターヤはさ、なんやかんやいっても、うちの副GMだから何とでもなるんだけど。ルビアさんに見つかっちゃった。」
「ど、どどどど、どうするんですかっ!」
「もう、協議会も終わって、何とか無事に済んだみたいよ。クレインは、何も聞いてないの?」
ミズガルドが、クレインに聞いた。
「何も聞いてません。うちには副GMが居ないので、サポート協議会に加入してませんし。最近は、聖騎士団に顔をだしてなかったので・・・。」
「心配させたくなくて、何も言わなかったのかもね。」
「そうですか。」
キッと再び、カルディナを睨む。
「リアルでゆっくり話しましょう。」
クレインの作り笑いの顔が、カルディナはとても怖かった。
「ちょっと、いいかしら?」
そう言って、グランマは、見た感じ魔法使いそのものの格好をしている
ミズガルドの横に立った。
「若干背筋が曲がってるわね?」
そう言って、手を添えて、ミズガルドの背筋を伸ばす。
「苦しい?」
「い、いえゲーム内なんで、特には。」
「この方がカッコいいわよ。苦しくないんだったら癖つけるといいわ。イメージトレーニングみたいなものだから、リアルもきっと姿勢が良くなるはずよ。」
「は、はあ。」
「あなたからみて、カルディナさんの姿勢はどう?」
「いつもシャキッとしてるなあと思いました。」
「でしょ?姿勢一つ変わるだけで、色々と変わってくるものよ。カルディナさん。ミズガルドさんとお友達なんでしょ?」
「え、ええ。」
「じゃあ定期的に姿勢を見てあげて。」
「は、はい。」
このままでは、礼儀と姿勢教室が始まってしまう勢いだったが、救世主が現れた。
「クレイン、すまない。少し遅れてしまった。」
ビショップが合流した。
「むっ、カルディナ・・・。」
ビショップはカルディナを見つけ、何か言ってやろうと思ったが、もう済んだことなので、飲み込んだ。
ビショップが遅れた理由は、5人の副GMに延々とお小言を頂いていたからだ。
現在、ビショップは、教会内で裏切り者扱いされている。
もちろんサーラントは、知らない事だが。
「ビショップさん、こちらが新人のグランマさんです。」
クレインが紹介した。
「どうも初めまして。ビショップです。」
「初めまして、グランマです。ビショップさんには、初めて会った気がしませんね。」
「私もです。」
「おばあ様、ビショップさんは、千夏さんの旦那さんです。」
「お、おばあ様っ?」
「あら、そうなの?」
「ちょ、ちょっと待て、クレイン。グランマさんは、おばあ様なのか?」
「ええ。そうです。」
「誠に申し訳ありませんっ!」
そう言って、ビショップはその場に土下座した。
「ねえ、何かさっき見なかった?」
ミズガルドが、カルディナに小声で聞いた。
「き、気のせいよ。」
「おじい様の13回忌にも行けず、ご無沙汰しており、本当に申し訳ありません。」
カルディナの土下座より、本気度3倍増しだった。
「それは、電話でも何度も聞いてます。顔をあげなさい。千夏は元気してるの?」
「は、はい。」
「あの子も色々と忙しいでしょ。千夏もこのゲームやってるの?」
「い、いえ自分だけです。」
「あら、残念ね。あの子とも戦ってみたかったわ。」
そう言って、グランマは悪戯っぽく笑った。
「ねえ、ビショップ。あんた先生とどういう関係よ?」
カルディナが、ビショップに近づいて聞いた。
「おばあ様だ。」
「は?」
「だから、おばあ様だ。正確には千夏のおばあ様だがな。」
「???」
「だから、うちの奥さんがグランマさんの孫になる。」
「へ?」
「クレインとうちの奥さんが従姉って知らなかったのか?」
「な、なんですってええええ。」
「あれ?カルディナ。知りませんでしたっけ?」
「知らないわよ。初耳よっ!」
「カルディナは、盆正月は海外行ってましたから、入れ違いだったのかも。」
「くっ・・・。私が親について海外旅行に行ってなければ、千夏さんもこんなぐうたらに引っかかる事はなかったのに・・・。」
カルディナは心底悔やんだ。
「何、その千夏って人、美人なの?」
一人蚊帳の外のミズガルドが、カルディナに聞いた。
「鮫島化粧品のCM出てる人よ。」
「あー、あの剣道の人?」
「そうよ。」
「むちゃくちゃ美人じゃないっ! えっ!!!ビショップの奥さん?」
「ま、まあ一応。」
「何で、こんな冴えない男とっ!!!」
「ちょっ、ミズガルド。俺のリアル知らないだろ。」
「知りたくないわよっ!世の中間違ってる。」
「ミズたんも、わかってくれるのね。」
「まあ、それに関しては、私も同感です。」
クレインも同意した。
「ちょっ・・・クレインまで・・・。」
「まだまだ、皆若いのね。3人ともこういう旦那さんを見つけなさい。」
「私より弱い男に興味ありません。」
クレインが言った。
「頼りがいがない男は、パスかなあ。」
ミズガルドが言った。
「そもそも男はパスっ!」
最後にカルディナがズバッと言った。
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