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第二部 淡水の王者と虫の王者
ビショップは、つらいよ 新歓コンパ編
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大学の新歓コンパと言えば、酒、一気と昔から悪評が高い。
が、時代も変わり、昨今では、強い規制が布かれている。
大昔の新歓コンパと言えば、3年生が仕切って、4年は出ない事が多い。
今では、4年生もしくは、部活の担当教授もしくは、担当講師がコンパに
付き添わなければならない。
しかも、20歳を過ぎていても酒は厳禁となっている。
今まで、数々の悪行を重ねてきた結果といえよう。
像研に所属してる村元政夫も、お目付け役として新歓コンパに参加していた。
像研とは、映像研究会の略で、昔は映研と呼ばれていたのだが、
かなり前の時代に、映画研究会から有名な映画監督が出てしまい、
映画研究会に映研の座を取って変わられてしまったのだ。
伝統ある映像研究会から、有名人が出たという話は、一切ないので、
仕方が無かった。
「しかし、俺たちも酒なしって、どうにかならんのですかね?」
3年の新部長が、村元に聞いてきた。
「諦めろ。何十年も前の先輩の方々が悪行を重ねてきた結果だ。」
「一気とかで人が死んだんでしたっけ?」
「酔って悪さした奴なんかも、あちこちの大学で居たらしいぞ。」
「俺たちの爺さん世代ですよね?」
「だろうな。」
「まったく、迷惑な年寄り連中ですね。」
「まあな。」
酒を飲まない連中にとっては、美味しいものが食べれてワイワイやれるので、
新歓コンパは楽しいものになっている。
昔は、2次会でカラオケ等に繰り出すのが、当たり前だったが、今では、
1次会でお開きが当たり前となっている。
「運動部に迷惑かけたら、アホらしいからな。皆まっすぐ帰れよ。」
文化部であれど、現在の日本では、不祥事を起こせば全ての部活に影響する。
村元達は居酒屋の2階で、新歓コンパを行っていたが、1階では剣道部の
新歓コンパが行われていた。
1階で、同じ4年の元剣道部員に出会った。
4年になると同時に引退してるため、元部員ということになっている。
「就職、警察だっけ?」
村元が聞いた。
「ああ、さすがにうちの大学で上級職は無理だから、一般だけどな。」
「それで、見張り役か?」
「剣道部や柔道部は、特錬員制度がなくなったとはいえ、圧倒的に警察関係
に就職が多いからなあ。」
「まあ、そうだろうな。」
「それに今年は、凄い新人が入ってるし。」
「そんなに凄い新人が?」
「高校選手権3連覇、全日本女子3年連続ベスト4だ。」
「女子か?」
「まあご存じのとおり、うちの男子は弱小だから・・・。」
剣道部も1次会でスパっと終わり解散となった。
一人で、アパートへ向かってる村元に女性が話しかけてきた。
「先輩も、今、お帰りですか?」
「あ、ああ。君も新歓コンパの帰り?」
「ええ。一緒に帰ってもいいですか?」
「こっち方面なの?」
「はい、駅裏の学生マンションです。」
「ああ、女性だけの奴ね。」
「そうです。」
「じゃあ近いから、送るよ。」
こうして、二人は並んで帰る事になった。
「先輩は、どちらのサークルに?」
「ああ像研だよ。君は?」
「私は剣道部です。」
「そういや名前聞いてなかったね。」
「本当ですね。」
「俺は村元政夫 4年だよ。」
「私は1年の川俣千夏です。」
「剣道部の1年かあ。なんか凄い人入ったらしいね。」
「そうなんですか?」
「高校選手権3連覇とかの・・・。」
「あ、ああ・・・。そんなに凄くないですよ。」
「いやいや、高校日本一って事だよね?凄いんじゃないかな?」
「そ、そうですかね・・・。」
「どんな人なの?」
「え・・・えっと、こんな人です。」
そう言って、川俣千夏は、自分を指さした。
「えっ・・・。」
村元的には、もっとごっつい人かと想像してたのだが。
「へ、変ですかね?」
「い、いやいや、君みたいな可愛い子が高校日本一って・・・。」
「・・・。」
川俣千夏は、赤くなって下を向いた。
それから、二人は政治学で一緒になったり、村元が時間がある時は、
大会の応援にも行ったりした。
が、時代も変わり、昨今では、強い規制が布かれている。
大昔の新歓コンパと言えば、3年生が仕切って、4年は出ない事が多い。
今では、4年生もしくは、部活の担当教授もしくは、担当講師がコンパに
付き添わなければならない。
しかも、20歳を過ぎていても酒は厳禁となっている。
今まで、数々の悪行を重ねてきた結果といえよう。
像研に所属してる村元政夫も、お目付け役として新歓コンパに参加していた。
像研とは、映像研究会の略で、昔は映研と呼ばれていたのだが、
かなり前の時代に、映画研究会から有名な映画監督が出てしまい、
映画研究会に映研の座を取って変わられてしまったのだ。
伝統ある映像研究会から、有名人が出たという話は、一切ないので、
仕方が無かった。
「しかし、俺たちも酒なしって、どうにかならんのですかね?」
3年の新部長が、村元に聞いてきた。
「諦めろ。何十年も前の先輩の方々が悪行を重ねてきた結果だ。」
「一気とかで人が死んだんでしたっけ?」
「酔って悪さした奴なんかも、あちこちの大学で居たらしいぞ。」
「俺たちの爺さん世代ですよね?」
「だろうな。」
「まったく、迷惑な年寄り連中ですね。」
「まあな。」
酒を飲まない連中にとっては、美味しいものが食べれてワイワイやれるので、
新歓コンパは楽しいものになっている。
昔は、2次会でカラオケ等に繰り出すのが、当たり前だったが、今では、
1次会でお開きが当たり前となっている。
「運動部に迷惑かけたら、アホらしいからな。皆まっすぐ帰れよ。」
文化部であれど、現在の日本では、不祥事を起こせば全ての部活に影響する。
村元達は居酒屋の2階で、新歓コンパを行っていたが、1階では剣道部の
新歓コンパが行われていた。
1階で、同じ4年の元剣道部員に出会った。
4年になると同時に引退してるため、元部員ということになっている。
「就職、警察だっけ?」
村元が聞いた。
「ああ、さすがにうちの大学で上級職は無理だから、一般だけどな。」
「それで、見張り役か?」
「剣道部や柔道部は、特錬員制度がなくなったとはいえ、圧倒的に警察関係
に就職が多いからなあ。」
「まあ、そうだろうな。」
「それに今年は、凄い新人が入ってるし。」
「そんなに凄い新人が?」
「高校選手権3連覇、全日本女子3年連続ベスト4だ。」
「女子か?」
「まあご存じのとおり、うちの男子は弱小だから・・・。」
剣道部も1次会でスパっと終わり解散となった。
一人で、アパートへ向かってる村元に女性が話しかけてきた。
「先輩も、今、お帰りですか?」
「あ、ああ。君も新歓コンパの帰り?」
「ええ。一緒に帰ってもいいですか?」
「こっち方面なの?」
「はい、駅裏の学生マンションです。」
「ああ、女性だけの奴ね。」
「そうです。」
「じゃあ近いから、送るよ。」
こうして、二人は並んで帰る事になった。
「先輩は、どちらのサークルに?」
「ああ像研だよ。君は?」
「私は剣道部です。」
「そういや名前聞いてなかったね。」
「本当ですね。」
「俺は村元政夫 4年だよ。」
「私は1年の川俣千夏です。」
「剣道部の1年かあ。なんか凄い人入ったらしいね。」
「そうなんですか?」
「高校選手権3連覇とかの・・・。」
「あ、ああ・・・。そんなに凄くないですよ。」
「いやいや、高校日本一って事だよね?凄いんじゃないかな?」
「そ、そうですかね・・・。」
「どんな人なの?」
「え・・・えっと、こんな人です。」
そう言って、川俣千夏は、自分を指さした。
「えっ・・・。」
村元的には、もっとごっつい人かと想像してたのだが。
「へ、変ですかね?」
「い、いやいや、君みたいな可愛い子が高校日本一って・・・。」
「・・・。」
川俣千夏は、赤くなって下を向いた。
それから、二人は政治学で一緒になったり、村元が時間がある時は、
大会の応援にも行ったりした。
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