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第二部 淡水の王者と虫の王者
ビショップは、つらいよ 出会い編
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ビショップこと村元政夫が大学4年生の時、単位が足りず、
1年生の履修科目を受ける羽目になった。
元々、法学を履修するつもりだったのだが、彼が1年の頃から、
休講となり、いつかは、臨時でもやるのではないかと噂はあったが、
結局、無いままで終わった。
他の同級生たちは、遅くても3年生時には見切りをつけ、さっさと
政治学を履修していた。
卒業の為、4年生で政治学を履修するのは、村元ただ一人だった。
その為に、学校の購買に教科書を買いに来ていた。
1年は、合同販売会がある為、それで購入する事が出来る。
購買の中の本屋ではあるが、大学ともなると普通の本屋なみにでかい。
「たくっ、政治学の教科書なんて何処にあるんだよ・・・。」
毒づきながら探してると、棚にようやく1冊見つけることが出来た。
あった、あった、と手に取ろうとすると、もう一人の手が伸びてきた。
すらっと背筋が伸びた美しい女性だった。
「えっと、2年生?」
1年は合同販売会があるので、2年生かと思い聞いてみた。
「いえ、1年です。」
女性が答えた。
「合同販売会で買えなかったの?」
「部活がありまして、参加できなかったんです。」
「なるほど。」
強豪の運動部なんかは、学校の行事より部活を優先する事が許されている。
「いいよ。持ってって。俺は何とかなるから。」
「えっ、でも・・・。」
「気にしないでいいよ。」
そう言って、村元はその場を去った。
その夜、友人宅にて。
「政治学の教科書何処にあるんだ?」
「1年の時の教科書なんて、何処にあるかわかるわけないだろっ。」
「てめえ、親友が困ってんだ、探せよ。」
「さっさと政治学取らなかった、お前が悪いんだろ。」
「いいから探せよ。」
村元は友人をせかして探した。
男の一人暮らしなら、何処かに埋まっているもので、何とか見つけることに
成功した。
「これで、何とかなるな。」
「ふんっ。」
友人が手のひらを出してきた。
「何だ?」
「5000円になります。」
「ふざけんなっ!」
「そうかあ・・・政治学ってレポート提出があるんだよなあ。」
「あ、あるのかっ?」
「まあ、どっか埋まってんだろ。」
友人を無視して、発掘作業に取り掛かる村元。
「ちょっ、おまっ金払ってからだろ。」
「学食2日分で手を打て。」
「3日分だっ!」
「ちっ。」
商談は成立し、レポートまで手に入れることが出来た。
大学の教授は毎年、多くの生徒を受け持つ。
何百人と受け持つ生徒が3年前のレポートを丸写しで出したとしても、
気づく事は、まずない。
そもそも読んでるのかも怪しいものである。
「あの教授な、就活や部活の欠席は、出席扱いにしてくれるけど、
レポート出さないと単位はくれないから、気を付けろよ。」
「サンキュー。」
友人の忠告を受けて、村元は礼を言ってアパートへと帰って行った。
政治学の初日、90分もある講義をまともに聞いてる者なんて居ない。
最初の出席が終われば、ばれない様に寝てるか、他の事をしてればいい。
教授の自己紹介から始まるわけだが、
「政治学を履修してる者は、殆どが1年生だと思うが、中には2年生もいる。
が、今年は4年生もいる。1年の者は他の教授からも聞いてると思うが、
1年で選択できるものは出来るだけ多くの科目を履修するといい。
そうしないとこの中にいる4年生のように卒業前に慌てる事になるからな。」
と、人をネタにして、掴みをとる。
もちろん1年の多くは、笑っている。
2年生になると、あまり笑えないらしい。
殆どの大学がそうだが、4年生は授業がない。
理系なら卒研、文系なら卒論がある位だ。
第一に優先されるのが、就職活動になる。
村元も政治学が終われば、家に帰るだけだ。
さっさと仕舞、学食へ向かおうとしていた。(奢りに・・・。)
「あのう、先輩。」
先日の女性が話しかけてきた。
「はい?」
「教科書、なんとかなりました?」
「ああ、なんとかなったよ。」
「よかった。」
「気にしなくていいよ。3年もいるとさ、何とかなるもんだよ。」
「酷いですよね。笑いもんにして。」
「いやいや、毎年だから。」
「そうなんですか?」
「そうそう。あれで掴みは取れてると思ってるからね。」
「なるほど。」
「でもさ、教授が言うように履修は出来るだけした方がいいよ。」
村元は実体験を含めて女性に言った。
「はい。肝に銘じときますね。」
村元は、女性と別れ、学食へ向かい、一番高いC定食を奢るはめになった。
「これが、あと2日続くのか・・・トホホ・・・。」
1年生の履修科目を受ける羽目になった。
元々、法学を履修するつもりだったのだが、彼が1年の頃から、
休講となり、いつかは、臨時でもやるのではないかと噂はあったが、
結局、無いままで終わった。
他の同級生たちは、遅くても3年生時には見切りをつけ、さっさと
政治学を履修していた。
卒業の為、4年生で政治学を履修するのは、村元ただ一人だった。
その為に、学校の購買に教科書を買いに来ていた。
1年は、合同販売会がある為、それで購入する事が出来る。
購買の中の本屋ではあるが、大学ともなると普通の本屋なみにでかい。
「たくっ、政治学の教科書なんて何処にあるんだよ・・・。」
毒づきながら探してると、棚にようやく1冊見つけることが出来た。
あった、あった、と手に取ろうとすると、もう一人の手が伸びてきた。
すらっと背筋が伸びた美しい女性だった。
「えっと、2年生?」
1年は合同販売会があるので、2年生かと思い聞いてみた。
「いえ、1年です。」
女性が答えた。
「合同販売会で買えなかったの?」
「部活がありまして、参加できなかったんです。」
「なるほど。」
強豪の運動部なんかは、学校の行事より部活を優先する事が許されている。
「いいよ。持ってって。俺は何とかなるから。」
「えっ、でも・・・。」
「気にしないでいいよ。」
そう言って、村元はその場を去った。
その夜、友人宅にて。
「政治学の教科書何処にあるんだ?」
「1年の時の教科書なんて、何処にあるかわかるわけないだろっ。」
「てめえ、親友が困ってんだ、探せよ。」
「さっさと政治学取らなかった、お前が悪いんだろ。」
「いいから探せよ。」
村元は友人をせかして探した。
男の一人暮らしなら、何処かに埋まっているもので、何とか見つけることに
成功した。
「これで、何とかなるな。」
「ふんっ。」
友人が手のひらを出してきた。
「何だ?」
「5000円になります。」
「ふざけんなっ!」
「そうかあ・・・政治学ってレポート提出があるんだよなあ。」
「あ、あるのかっ?」
「まあ、どっか埋まってんだろ。」
友人を無視して、発掘作業に取り掛かる村元。
「ちょっ、おまっ金払ってからだろ。」
「学食2日分で手を打て。」
「3日分だっ!」
「ちっ。」
商談は成立し、レポートまで手に入れることが出来た。
大学の教授は毎年、多くの生徒を受け持つ。
何百人と受け持つ生徒が3年前のレポートを丸写しで出したとしても、
気づく事は、まずない。
そもそも読んでるのかも怪しいものである。
「あの教授な、就活や部活の欠席は、出席扱いにしてくれるけど、
レポート出さないと単位はくれないから、気を付けろよ。」
「サンキュー。」
友人の忠告を受けて、村元は礼を言ってアパートへと帰って行った。
政治学の初日、90分もある講義をまともに聞いてる者なんて居ない。
最初の出席が終われば、ばれない様に寝てるか、他の事をしてればいい。
教授の自己紹介から始まるわけだが、
「政治学を履修してる者は、殆どが1年生だと思うが、中には2年生もいる。
が、今年は4年生もいる。1年の者は他の教授からも聞いてると思うが、
1年で選択できるものは出来るだけ多くの科目を履修するといい。
そうしないとこの中にいる4年生のように卒業前に慌てる事になるからな。」
と、人をネタにして、掴みをとる。
もちろん1年の多くは、笑っている。
2年生になると、あまり笑えないらしい。
殆どの大学がそうだが、4年生は授業がない。
理系なら卒研、文系なら卒論がある位だ。
第一に優先されるのが、就職活動になる。
村元も政治学が終われば、家に帰るだけだ。
さっさと仕舞、学食へ向かおうとしていた。(奢りに・・・。)
「あのう、先輩。」
先日の女性が話しかけてきた。
「はい?」
「教科書、なんとかなりました?」
「ああ、なんとかなったよ。」
「よかった。」
「気にしなくていいよ。3年もいるとさ、何とかなるもんだよ。」
「酷いですよね。笑いもんにして。」
「いやいや、毎年だから。」
「そうなんですか?」
「そうそう。あれで掴みは取れてると思ってるからね。」
「なるほど。」
「でもさ、教授が言うように履修は出来るだけした方がいいよ。」
村元は実体験を含めて女性に言った。
「はい。肝に銘じときますね。」
村元は、女性と別れ、学食へ向かい、一番高いC定食を奢るはめになった。
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