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第一部 失業したおっさんがVRMMOで釣りをしていたら伯爵と呼ばれるようになった理由(わけ)
ゲーム過去編「薬草」
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「サーラントさん、どうかしたのか?」
ビショップもギルドに馴染んできて、ONしたらとりあえず、
ギルドルームに顔を出していた。
もちろん、その後は、女子会とやらがルーム内のあちこちで、
始まってるので、さっと居なくなるのだが。
「実は、野武士から僧侶の派遣要請があるのですが。」
「シンゲンさんの所なら、何も問題がないんでは?」
「それが少し、困った方でして。」
「ほう。」
「誰を派遣していいものか・・・。」
「それなら俺が行こう。」
「しかし、いつも問題があるような所にばかり、ビショップさんに
行ってもらうのは気が引けるんですが・・・。」
「いやあ、俺は打たれ強いから大丈夫、大丈夫。」
そう言って、ビショップは、野武士からの依頼を受けた。
「君がクレインさん?眠れぬ教会のビショップです。」
「クレインです。よろしくお願いします。では行きましょうっ」
クレインは、速攻でパーティー申請をした後、進みだした。
「ちょっ、何処行くの?」
「レベル上げです。」
そうして、ガンガン考えもなしに進んで行き、5戦目で全滅した。
次の日、ビショップは、クレインに直接呼び出された。
「もう少し、考えてレベル上げしない?」
ビショップが提案すると。
「大丈夫ですっ!」
とまた、二人で、陰鬱な森に特攻した。
今回は、2戦目で全滅した。
それを繰り返すこと一週間。
「ちょっ、クレインさん。さすがに無理だよ?場所変えるか、
パーティー増やすかしないと・・・。」
「大丈夫です。」
「いやいや、全然大丈夫じゃないよ。俺たち樹海の心中カップルなんて、
呼び名で有名になってるよ・・・。」
「むっ・・・。」
「野武士の人とか、知り合いとか居ないの?」
「居ますよ。盾が。」
「それ、ベストメンバーじゃんっ。」
「あまり、呼びたくありません。」
「仲悪いの?」
「リアル知り合いです。」
「それなら、呼ぼうよ・・・。」
「・・・。」
クレインは渋々、個人トークで知り合いを呼んだ。
「どうも。聖騎士団のカルディナでーす。」
「眠れぬ教会のビショップです。」
「あなたが心中カップルのお相手さんね。」
「心中カップルじゃありません。」
クレインが否定する。
「ねえ、クレイン。二人で陰鬱な森でレベル上げってあんた馬鹿なの?」
「経験値多いから効率がいいでしょっ!」
「悪いでしょ・・・効率は・・・。」
「クレインさんは言っても聞かなくて。」
「すみませんねえ。この娘、いまリアルで怪我してて気がたってるんですよ。」
「リアルの事は関係ないでしょ。」
「ま、まあ、人間色々ありますから。それより今日は何処で
レベル上げしましょうか?」
「あら、ビショップさんって大人な男性ですね。」
「ええ、まあそれなりに。」
「てっきり、教会は俺のハーレム的な人かと思ってました。」
「ははは・・・。実際に男一人だと居場所なんてないもんですよ。」
「それで、クレインの無謀なLv上げにも付き合ってるんですね。」
「無謀じゃありませんっ!」
結局、この日は、初期ダンジョンに挑み、2時間近く戦闘が出来た。
いつもの何十倍の経験値を獲得することが出来た。
さすがに、それで理解したのか、クレインも無謀なレベル上げをする事は、
なくなった。
武者の甲冑に身を包み、160センチ(兜を含む)の小柄なクレインをいつしか、
武者たんと人は呼ぶようになった。
本人は納得していないが。
ビショップと言えば、相変わらずクレインと行動することが多く、
周りから、武者たんの薬草と呼ばれるようになった。
もちろん、本人は納得していないが。
「それにしても、ビショップさんは、JD二人も侍らしてウハウハでしょ?」
いつもの3人で冒険中にカルディナが言った。
「前に言わなかったっけ?うちの奥さん怖いって。」
「まあゲーム位なら、心の浮気で許されるんじゃ?」
「間違いなく殺されるよ。」
「あら、じゃあクレインに守ってもらえば?」
「むっ・・・。」
「どうかなあ、クレインさんより強いと思うよ。」
「ああ、ビショップさんはクレインのリアル知らないから。」
「いや、多分知ってるよ。」
「「えっ?」」
二人が驚いた。
「うちの奥さんって剣道全日本女子2連覇中だから。」
「えっ・・・、千夏さん?」
「そう。俺も何度か会ったことあるよね?」
「ヒモで、無職の旦那さん・・・。」
「最低・・・。」
「いやいやいやいや、働いてるよ。ちゃんと。」
「剣道の強い人って警察官が殆どなんですよね?奥さんも警察官ですか?」
カルディナが聞いた。
「それは、大昔の事だよね?特錬員制度があった頃の。」
「今は無いんですか?」
「ないねえ。うちの奥さんも普通のOLだしね。」
「カルディナは、CM見たことありませんか?千夏さんは化粧品のCMに出てます。」
「あっ、見たことある。村元千夏、めっちゃ美人じゃないですか?」
カルディナが言った。
「そ、そうかなあ。」
ビショップは、少しだけ照れた。
「なるほど、美人だから浮気しないんですね。」
「いや、そういう問題じゃあ・・・。」
「千夏さんは、凄く優しくていい人です。恐妻なんかじゃありません。」
クレインが言った。
「いや、恐妻ってのはね。旦那にだけ厳しいんだよ・・・。」
ビショップが切実に言う。
次の日は、ビショップはゲームにONしなかった。
その次の日、ビショップはクレインに呼び出された場所に行った。
「クレインさん。うちの奥さんにメールした?」
「ええ。」
「なんて・・・。」
「一緒にゲームしてますって。」
「それだけ?」
「何か色々根ほりはほりメールで聞かれましたけど・・・。」
「で、どんなギルドに居るって言ったの?」
「男一人で、女だらけのギルドに。」
「ダメでしょ。それは・・・。」
「でも、全然無事じゃないですか?」
「そりゃ、これゲームだし。リアルの俺は傷だらけだよ?マジで。」
「千夏さんは、そんな事しません。」
「するって・・・。」
それからのビショップは、ゲームが終わると妻に逐一報告する日々と
なってしまった。
そして、現在。
クレインとビショップは、二人で陰鬱な森を冒険していた。
かつての樹海の心中カップルも、今では、二人だけで何とかなるようにまで
成長していた。
「それにしても、今日のクレインは機嫌が悪すぎるな。」
デュエル大会前のクレインは、酷く機嫌が悪かった。
今も、個人トークで顔を真っ赤にして、話している。
鎧姿で実際に真っ赤に見えるわけではないが、そんな感じで。
内容までは聞こえないが、怒っているのは確かだ。
【何か機嫌が良くなるようなネタは無いもんかねえ】
ビショップは、考える。
【クレインの好きなものって・・・、そういや聖騎士団のベルラインさんが
お気に入りだったような?】
そう、思案していると、ギルド一斉メールが届いた。
「何だろ?」
そうして、メールを開くとSSだけが添付され内容がないものだった。
開いてみると、ベルサラ究極の一枚が表示された。
【これは天からの思し召しに違いないっ】
ビショップは確信した。
「お待たせしまた。」
やや、怒気を孕んだ声だった。
「クレイン、何があったか知らないが機嫌を直せ。」
「機嫌わるくありません。」
明らかに機嫌が悪い。
「そういうえば、聖騎士団の副団長だったよな、ベルラインさんは?」
「そうですが?」
ビショップにとっても、最初に忠告してくれた恩人でもあった。
「あの人、女性なのにすごく男らしいよな。」
「当たり前でしょ。ベルさんなんだから。」
「さっきな、そのベルラインさんのSSが届いたんだが、要る?」
「ほー、とりあえず送ってください。チェックします。」
そうして、ビショップは、SSをクレインにメールした。
SSを見たクレインは、血の気が引くように怒りが静まった。
武者姿なので、顔の表情もわかりにくいが、付き合いの長いビショップは
ある程度の判断は出来る。
【おっし、大成功だ。誰かは知らんが一斉メールくれた奴に感謝だな】
その後、クレインは何やらメールをしていた。
そして、二人は、陰鬱な森へ特攻し、7戦目で全滅した。
ビショップの最後の言葉は、
「どうしてこうなった?」
だった。
ビショップもギルドに馴染んできて、ONしたらとりあえず、
ギルドルームに顔を出していた。
もちろん、その後は、女子会とやらがルーム内のあちこちで、
始まってるので、さっと居なくなるのだが。
「実は、野武士から僧侶の派遣要請があるのですが。」
「シンゲンさんの所なら、何も問題がないんでは?」
「それが少し、困った方でして。」
「ほう。」
「誰を派遣していいものか・・・。」
「それなら俺が行こう。」
「しかし、いつも問題があるような所にばかり、ビショップさんに
行ってもらうのは気が引けるんですが・・・。」
「いやあ、俺は打たれ強いから大丈夫、大丈夫。」
そう言って、ビショップは、野武士からの依頼を受けた。
「君がクレインさん?眠れぬ教会のビショップです。」
「クレインです。よろしくお願いします。では行きましょうっ」
クレインは、速攻でパーティー申請をした後、進みだした。
「ちょっ、何処行くの?」
「レベル上げです。」
そうして、ガンガン考えもなしに進んで行き、5戦目で全滅した。
次の日、ビショップは、クレインに直接呼び出された。
「もう少し、考えてレベル上げしない?」
ビショップが提案すると。
「大丈夫ですっ!」
とまた、二人で、陰鬱な森に特攻した。
今回は、2戦目で全滅した。
それを繰り返すこと一週間。
「ちょっ、クレインさん。さすがに無理だよ?場所変えるか、
パーティー増やすかしないと・・・。」
「大丈夫です。」
「いやいや、全然大丈夫じゃないよ。俺たち樹海の心中カップルなんて、
呼び名で有名になってるよ・・・。」
「むっ・・・。」
「野武士の人とか、知り合いとか居ないの?」
「居ますよ。盾が。」
「それ、ベストメンバーじゃんっ。」
「あまり、呼びたくありません。」
「仲悪いの?」
「リアル知り合いです。」
「それなら、呼ぼうよ・・・。」
「・・・。」
クレインは渋々、個人トークで知り合いを呼んだ。
「どうも。聖騎士団のカルディナでーす。」
「眠れぬ教会のビショップです。」
「あなたが心中カップルのお相手さんね。」
「心中カップルじゃありません。」
クレインが否定する。
「ねえ、クレイン。二人で陰鬱な森でレベル上げってあんた馬鹿なの?」
「経験値多いから効率がいいでしょっ!」
「悪いでしょ・・・効率は・・・。」
「クレインさんは言っても聞かなくて。」
「すみませんねえ。この娘、いまリアルで怪我してて気がたってるんですよ。」
「リアルの事は関係ないでしょ。」
「ま、まあ、人間色々ありますから。それより今日は何処で
レベル上げしましょうか?」
「あら、ビショップさんって大人な男性ですね。」
「ええ、まあそれなりに。」
「てっきり、教会は俺のハーレム的な人かと思ってました。」
「ははは・・・。実際に男一人だと居場所なんてないもんですよ。」
「それで、クレインの無謀なLv上げにも付き合ってるんですね。」
「無謀じゃありませんっ!」
結局、この日は、初期ダンジョンに挑み、2時間近く戦闘が出来た。
いつもの何十倍の経験値を獲得することが出来た。
さすがに、それで理解したのか、クレインも無謀なレベル上げをする事は、
なくなった。
武者の甲冑に身を包み、160センチ(兜を含む)の小柄なクレインをいつしか、
武者たんと人は呼ぶようになった。
本人は納得していないが。
ビショップと言えば、相変わらずクレインと行動することが多く、
周りから、武者たんの薬草と呼ばれるようになった。
もちろん、本人は納得していないが。
「それにしても、ビショップさんは、JD二人も侍らしてウハウハでしょ?」
いつもの3人で冒険中にカルディナが言った。
「前に言わなかったっけ?うちの奥さん怖いって。」
「まあゲーム位なら、心の浮気で許されるんじゃ?」
「間違いなく殺されるよ。」
「あら、じゃあクレインに守ってもらえば?」
「むっ・・・。」
「どうかなあ、クレインさんより強いと思うよ。」
「ああ、ビショップさんはクレインのリアル知らないから。」
「いや、多分知ってるよ。」
「「えっ?」」
二人が驚いた。
「うちの奥さんって剣道全日本女子2連覇中だから。」
「えっ・・・、千夏さん?」
「そう。俺も何度か会ったことあるよね?」
「ヒモで、無職の旦那さん・・・。」
「最低・・・。」
「いやいやいやいや、働いてるよ。ちゃんと。」
「剣道の強い人って警察官が殆どなんですよね?奥さんも警察官ですか?」
カルディナが聞いた。
「それは、大昔の事だよね?特錬員制度があった頃の。」
「今は無いんですか?」
「ないねえ。うちの奥さんも普通のOLだしね。」
「カルディナは、CM見たことありませんか?千夏さんは化粧品のCMに出てます。」
「あっ、見たことある。村元千夏、めっちゃ美人じゃないですか?」
カルディナが言った。
「そ、そうかなあ。」
ビショップは、少しだけ照れた。
「なるほど、美人だから浮気しないんですね。」
「いや、そういう問題じゃあ・・・。」
「千夏さんは、凄く優しくていい人です。恐妻なんかじゃありません。」
クレインが言った。
「いや、恐妻ってのはね。旦那にだけ厳しいんだよ・・・。」
ビショップが切実に言う。
次の日は、ビショップはゲームにONしなかった。
その次の日、ビショップはクレインに呼び出された場所に行った。
「クレインさん。うちの奥さんにメールした?」
「ええ。」
「なんて・・・。」
「一緒にゲームしてますって。」
「それだけ?」
「何か色々根ほりはほりメールで聞かれましたけど・・・。」
「で、どんなギルドに居るって言ったの?」
「男一人で、女だらけのギルドに。」
「ダメでしょ。それは・・・。」
「でも、全然無事じゃないですか?」
「そりゃ、これゲームだし。リアルの俺は傷だらけだよ?マジで。」
「千夏さんは、そんな事しません。」
「するって・・・。」
それからのビショップは、ゲームが終わると妻に逐一報告する日々と
なってしまった。
そして、現在。
クレインとビショップは、二人で陰鬱な森を冒険していた。
かつての樹海の心中カップルも、今では、二人だけで何とかなるようにまで
成長していた。
「それにしても、今日のクレインは機嫌が悪すぎるな。」
デュエル大会前のクレインは、酷く機嫌が悪かった。
今も、個人トークで顔を真っ赤にして、話している。
鎧姿で実際に真っ赤に見えるわけではないが、そんな感じで。
内容までは聞こえないが、怒っているのは確かだ。
【何か機嫌が良くなるようなネタは無いもんかねえ】
ビショップは、考える。
【クレインの好きなものって・・・、そういや聖騎士団のベルラインさんが
お気に入りだったような?】
そう、思案していると、ギルド一斉メールが届いた。
「何だろ?」
そうして、メールを開くとSSだけが添付され内容がないものだった。
開いてみると、ベルサラ究極の一枚が表示された。
【これは天からの思し召しに違いないっ】
ビショップは確信した。
「お待たせしまた。」
やや、怒気を孕んだ声だった。
「クレイン、何があったか知らないが機嫌を直せ。」
「機嫌わるくありません。」
明らかに機嫌が悪い。
「そういうえば、聖騎士団の副団長だったよな、ベルラインさんは?」
「そうですが?」
ビショップにとっても、最初に忠告してくれた恩人でもあった。
「あの人、女性なのにすごく男らしいよな。」
「当たり前でしょ。ベルさんなんだから。」
「さっきな、そのベルラインさんのSSが届いたんだが、要る?」
「ほー、とりあえず送ってください。チェックします。」
そうして、ビショップは、SSをクレインにメールした。
SSを見たクレインは、血の気が引くように怒りが静まった。
武者姿なので、顔の表情もわかりにくいが、付き合いの長いビショップは
ある程度の判断は出来る。
【おっし、大成功だ。誰かは知らんが一斉メールくれた奴に感謝だな】
その後、クレインは何やらメールをしていた。
そして、二人は、陰鬱な森へ特攻し、7戦目で全滅した。
ビショップの最後の言葉は、
「どうしてこうなった?」
だった。
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