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第一部 失業したおっさんがVRMMOで釣りをしていたら伯爵と呼ばれるようになった理由(わけ)
ゲーム過去編「黒き戦士たち」
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「すまないガルフ、俺には僧侶は無理っぽい。」
βが始まってすぐ、10年来の仲間の一人が言った。
「いや、いいさ。何か他の職で、合うのを見つけてくれ。」
今までのネットゲームでは、彼が僧侶役を担当していたが、
VR機では勝手が違うらしい。
「とりあえず、僧侶抜きでβはやってみよう。」
ガルフの言葉に、仲間たちは、頷いた。
ギルド「黒き戦士たち」は、10年前に別のネットゲームで、
立ち上げたギルドだ。
10人で、ずっと攻略組として頑張ってきたが、VFGXに参加したのは、7人。
リーダーのガルフとしては、今後も人を増やすつもりはない。
正式版がサービス開始になり、ギルドが実装されると直ぐにギルドを
立ち上げた。
「βでは、僧侶無しでやってきたが、正式版では僧侶は必要だと思う。」
「確かにね、回復は他職で出来るっても、本職にはかなわないでしょ。」
ギルドに2人居る女性の一人が言った。
「聞いた話なんだが、僧侶のギルドが出来たらしいぞ。」
βで僧侶を諦めた男が言った。
「本当か?」
「ああ、サーラントってのが、立ち上げたらしい。」
「サーラントって言うと、あのサーラントか?」
「恐らく。β版のドラゴンを一人の死者も出さずに倒した僧侶かと。」
β版のドラゴンは、いくつものPTが倒していた。
6人で挑んでも3人生き残ってたらいい方で、5人死亡して勝ったPTも
少なくない。
そんな中、おそらく唯一の死亡者ゼロがサーラント達だった。
「しかし、僧侶だけのギルドで何をするつもりなんだ?」
「さすがに僧侶だけじゃあ、冒険も厳しいでしょ。派遣とかするんじゃない?」
女性が言った。
「それは、うちにとっても願ったり叶ったりだな。」
「確かに。」
「ちょっとアポをとってみる。」
「ガルフ、あんた一人で大丈夫なの?」
「おいおい、俺だってリアルじゃあ社会人なんだぜ?」
「サーラントって氷の女王って、呼ばれてた女だぞ?」
男がガルフに忠告した。
「そりゃあ、β時代のように僧侶が蔑ろにされてりゃあ、仕方ないだろ?」
「それは、そうなんだが、女性への対応がガサツなお前に出来るのかなと?」
「うっ・・・。」
ガルフは、言葉に詰まりながらも、眠れぬ教会とアポをとり、後日、
教会を訪れることになった。
「初めまして、私が眠れぬ教会のGM(ギルドマスター)、サーラントです。」
そう言って、サーラントはにっこりと微笑んだ。
【誰だ、氷の女王と言ったのは、太陽の女神じゃないかっ!】
ガサツ、武骨、という言葉が似合うガルフは、挨拶だけでやられてしまった。
「は、初めまして、黒き戦士たちのGMのガルフと言います。」
「お噂はかねがね聞いております。βのドラゴンを最初に倒された方ですよね?」
「え、ええ。仲間は3人死にましたけど。」
「最初の達成者は、情報もありませんし、仕方ないと思いますよ?」
「いえ、何度が挑戦したんですが、死者ゼロは無理でした。
サーラントさん達の方が凄いですよ。」
「私たちの方は、私以外の5人が凄かったんですの。」
「頑強も居たんですよね?」
「気になります?VFGXで1、2を争う壁として?」
まだ正式版が始まってまもない、バーチャルファンタジーGXではあるが、
β時代にある程度有名になってる者たちには、通り名があった。
本人たちがつけるわけではなく、勝手に周りの者たちが、そう呼ぶだけなのだが。
VFGX内では、、双璧と呼ばれる二人が居る。
それが、ガルフとベルラインだった。
「まあ、多少は。あれ程男らしい女性も居ませんからね。」
「確かに。」
そう言って、サーラントは笑った。
「うちのギルドには僧侶が居ません。なので、教会の方に派遣して頂きたいと
今日は、伺いました。」
「うちのギルドは、僧侶だけですので、まだ十分にレベルが上がっておりません。
各ギルドには、育成をお願いしてる所なんですの。」
「それは、当然ですね。うちのギルメンは、10年以上MMORPGをやってる者だけですんで、
僧侶を蔑ろにする輩は居りません。是非、協力させて下さい。」
「ありがとうございます。こちらも「黒き戦士たち」に協力頂ければ、
心強いです。」
「教会の方は、女性ばかりですか?」
「特に男女の制限は設けてないんですが、男性の僧侶を私が見かけた事が、
ないものでして。」
現在の教会のメンバーは、サーラントを合わして6名。
落ち込んでる僧侶を見かけては、サーラントが声を掛けてる状態だった。
「男のゲーマーは、向いてないと思ったら直ぐジョブチェンジしますからね。」
「なるほど、それじゃあ私が見かける暇がありませんね。」
そう言って、微笑むサーラントは、ガルフの目には輝いて見えた。
眠れぬ教会にとって、黒き戦士たちは、3番目の協力ギルドとなった。
「誰だ氷の女王って言った奴は、あれは太陽の女神だっ!」
ガルフは、ギルドに帰るなり、そう言い放った。
「おい、ガルフの奴が、完全にやられてるぞ。」
「あんたねえ、うちのギルドにも、いい女が二人も居るでしょ?」
「お前も合えば判る。」
あえて、女性の意見はスルーし、男性にだけ言った。
「あれ、無視するの?何ならそのサーラントっての虐めちゃおっかなあ。」
「俺が死んでも守るっ!」
「・・・。」
女性は、呆れて何も言えなくなった。
ガルフは、周りでは、不愛想、武骨、孤高等、一匹狼のイメージで思われている。
が、実際は、仲間思いで、面倒見もいい。
単に、ずっと同じ仲間としか冒険してない為、他の人間からしたら、
イメージしかわからない。
本人も他人に何を言われようが、気にもしていない。
他のメンバーも、十年以上のMMORPGの経験者だけあって、人付き合いも面倒見もいい。
その為、眠れぬ教会のギルメンからも好評で、皆進んで行きたがる位だ。
なんだかんだ言ってた女性も、今では、眠れぬ教会に赴き女子会に参加するくらい
仲が良くなっていた。
βが始まってすぐ、10年来の仲間の一人が言った。
「いや、いいさ。何か他の職で、合うのを見つけてくれ。」
今までのネットゲームでは、彼が僧侶役を担当していたが、
VR機では勝手が違うらしい。
「とりあえず、僧侶抜きでβはやってみよう。」
ガルフの言葉に、仲間たちは、頷いた。
ギルド「黒き戦士たち」は、10年前に別のネットゲームで、
立ち上げたギルドだ。
10人で、ずっと攻略組として頑張ってきたが、VFGXに参加したのは、7人。
リーダーのガルフとしては、今後も人を増やすつもりはない。
正式版がサービス開始になり、ギルドが実装されると直ぐにギルドを
立ち上げた。
「βでは、僧侶無しでやってきたが、正式版では僧侶は必要だと思う。」
「確かにね、回復は他職で出来るっても、本職にはかなわないでしょ。」
ギルドに2人居る女性の一人が言った。
「聞いた話なんだが、僧侶のギルドが出来たらしいぞ。」
βで僧侶を諦めた男が言った。
「本当か?」
「ああ、サーラントってのが、立ち上げたらしい。」
「サーラントって言うと、あのサーラントか?」
「恐らく。β版のドラゴンを一人の死者も出さずに倒した僧侶かと。」
β版のドラゴンは、いくつものPTが倒していた。
6人で挑んでも3人生き残ってたらいい方で、5人死亡して勝ったPTも
少なくない。
そんな中、おそらく唯一の死亡者ゼロがサーラント達だった。
「しかし、僧侶だけのギルドで何をするつもりなんだ?」
「さすがに僧侶だけじゃあ、冒険も厳しいでしょ。派遣とかするんじゃない?」
女性が言った。
「それは、うちにとっても願ったり叶ったりだな。」
「確かに。」
「ちょっとアポをとってみる。」
「ガルフ、あんた一人で大丈夫なの?」
「おいおい、俺だってリアルじゃあ社会人なんだぜ?」
「サーラントって氷の女王って、呼ばれてた女だぞ?」
男がガルフに忠告した。
「そりゃあ、β時代のように僧侶が蔑ろにされてりゃあ、仕方ないだろ?」
「それは、そうなんだが、女性への対応がガサツなお前に出来るのかなと?」
「うっ・・・。」
ガルフは、言葉に詰まりながらも、眠れぬ教会とアポをとり、後日、
教会を訪れることになった。
「初めまして、私が眠れぬ教会のGM(ギルドマスター)、サーラントです。」
そう言って、サーラントはにっこりと微笑んだ。
【誰だ、氷の女王と言ったのは、太陽の女神じゃないかっ!】
ガサツ、武骨、という言葉が似合うガルフは、挨拶だけでやられてしまった。
「は、初めまして、黒き戦士たちのGMのガルフと言います。」
「お噂はかねがね聞いております。βのドラゴンを最初に倒された方ですよね?」
「え、ええ。仲間は3人死にましたけど。」
「最初の達成者は、情報もありませんし、仕方ないと思いますよ?」
「いえ、何度が挑戦したんですが、死者ゼロは無理でした。
サーラントさん達の方が凄いですよ。」
「私たちの方は、私以外の5人が凄かったんですの。」
「頑強も居たんですよね?」
「気になります?VFGXで1、2を争う壁として?」
まだ正式版が始まってまもない、バーチャルファンタジーGXではあるが、
β時代にある程度有名になってる者たちには、通り名があった。
本人たちがつけるわけではなく、勝手に周りの者たちが、そう呼ぶだけなのだが。
VFGX内では、、双璧と呼ばれる二人が居る。
それが、ガルフとベルラインだった。
「まあ、多少は。あれ程男らしい女性も居ませんからね。」
「確かに。」
そう言って、サーラントは笑った。
「うちのギルドには僧侶が居ません。なので、教会の方に派遣して頂きたいと
今日は、伺いました。」
「うちのギルドは、僧侶だけですので、まだ十分にレベルが上がっておりません。
各ギルドには、育成をお願いしてる所なんですの。」
「それは、当然ですね。うちのギルメンは、10年以上MMORPGをやってる者だけですんで、
僧侶を蔑ろにする輩は居りません。是非、協力させて下さい。」
「ありがとうございます。こちらも「黒き戦士たち」に協力頂ければ、
心強いです。」
「教会の方は、女性ばかりですか?」
「特に男女の制限は設けてないんですが、男性の僧侶を私が見かけた事が、
ないものでして。」
現在の教会のメンバーは、サーラントを合わして6名。
落ち込んでる僧侶を見かけては、サーラントが声を掛けてる状態だった。
「男のゲーマーは、向いてないと思ったら直ぐジョブチェンジしますからね。」
「なるほど、それじゃあ私が見かける暇がありませんね。」
そう言って、微笑むサーラントは、ガルフの目には輝いて見えた。
眠れぬ教会にとって、黒き戦士たちは、3番目の協力ギルドとなった。
「誰だ氷の女王って言った奴は、あれは太陽の女神だっ!」
ガルフは、ギルドに帰るなり、そう言い放った。
「おい、ガルフの奴が、完全にやられてるぞ。」
「あんたねえ、うちのギルドにも、いい女が二人も居るでしょ?」
「お前も合えば判る。」
あえて、女性の意見はスルーし、男性にだけ言った。
「あれ、無視するの?何ならそのサーラントっての虐めちゃおっかなあ。」
「俺が死んでも守るっ!」
「・・・。」
女性は、呆れて何も言えなくなった。
ガルフは、周りでは、不愛想、武骨、孤高等、一匹狼のイメージで思われている。
が、実際は、仲間思いで、面倒見もいい。
単に、ずっと同じ仲間としか冒険してない為、他の人間からしたら、
イメージしかわからない。
本人も他人に何を言われようが、気にもしていない。
他のメンバーも、十年以上のMMORPGの経験者だけあって、人付き合いも面倒見もいい。
その為、眠れぬ教会のギルメンからも好評で、皆進んで行きたがる位だ。
なんだかんだ言ってた女性も、今では、眠れぬ教会に赴き女子会に参加するくらい
仲が良くなっていた。
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