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「第2回誰がお嬢様に付き添うか会議を始めます。」
ダリアの言葉で、また変な会議が始まる。
私の部屋で・・・。
いま3人の前には、パンにクリームが添えられたものが置かれている。
エルミナは、そのおやつに釘付けだった。
リリアーヌは勝手に毒見をしたし、この中で、口にしていないのはエルミナだけだった。
当然、私の物はない。
太るからっ!
「何故、このような不毛な会議を?」
リリアーヌが抗議する。
私は、不憫に思い口を出した。
「エルミナ、食べてみたら?」
「そ、そうですね。」
そうして、大事そうに一口頬張るエルミナ。
目を見開いて固まる。
うんうん、美味しいよね。
甘味は正義だ。
ダイエットの天敵ではあるけど・・・。
「エルミナ、会議中ですよ。」
ダリアが注意した。
「意味のない会議では?」
「意味がないとは、どういう事ですか?」
「ここで何を話し合おうと、リリアーヌが担当を外される事はないと思います。」
正論だ。
「それはそうですが、声をあげなければ変わるものも変わりませんよ?」
「そもそもダリアは、お茶会の準備を理由に、お嬢様の担当を断ったのでは?」
ほう、そんな話があったのか。
「そ、それはそうですが・・・。」
「ダリアが断ったので、お嬢様の担当はサリーという事になったでしょう?」
はい?
「サリーが私の担当なの?」
「その予定でしたが、サリーでは手が負えないだろうって事で、急遽、リリアーヌが担当となりました。」
手に負えないって何?
私は、猛獣かっ!
「お菓子に集中したかったんでしょ?今のままでいいじゃないですか?」
リリアーヌが言った。
「・・・。」
ダリアが撃沈した。
まあいい、こんな会議は、どうでもいい。
「エルミナ、クリームはどうだった?」
私は、エルミナに感想を聞いた。
「とても美味しかったです。これは、お茶会でも話題になる事、間違いありません。」
「料理長と副料理長の手伝いがなければ、作れないのは問題なのでは?」
リリアーヌが、ダリアに突っ込んだ。
「・・・。」
ダリアは何も言わない。
言わないけど、ぐぬぬぬ・・・って、心の声が聞こえる。
翌日、私はシェリルに設計図を渡し、ある物の製造を依頼した。
「これはお金になりますか?」
完全に目がお金になってるシェリルが聞いてきた。
「ならない。」
「そ、そうですか・・・。」
「ねえ、アーマード商会ってお金に困ってるの?」
「そんな事はありませんよ。パターゴルフの件でも、王家やピザート家から、お金を頂いておりますし。」
「そう、なら、そんなお金、お金って言わなくてもいいんじゃない?」
「アーマード商会は、王都では無名です。それが悔しいんです。」
「そんなもんじゃないの?王都の人達が、いちいち貴族お抱えの商会なんて、知らないでしょう?」
「それが悔しいのです。」
キーっとハンカチでも咥えそうな勢いだ。
「まあ、でもねえ。私に言われても。」
「私はお嬢様が、金の生る木だと思っています。」
おいっ!失礼だろ、宰相家令嬢に。
「確かにお嬢様の発想力は目を見張るものがあります。」
リリアーヌが注意せずに同意した。
こ、こいつら・・・。
「という事で、お嬢様。何か案を下さい。お金になりそうな物をっ!」
「知るかっ!そもそも私が考えたって、貴族向けでしょ?そんなんで、王都に知られる事には、ならないんじゃないの?」
「はっ・・・。」
駄目だ、この人。
商売人に向いてないんじゃないの?
「シェリルさん、実はこれ、お嬢様が作りました。」
そう言って、リリアーヌは自分の胸に飾ってあるブローチを誇張させる。
「えっ・・・。」
「これなら、貴族以外にも売れますよ。」
「た、確かに・・・。」
「言っとくけど、私は忙しいから作らないわよ。そもそも、それは、レントン商会のエンリの磨き技術があってこそでしょ?アーマード商会の出る幕はないわ。」
「はっ、そう言えばそうでした。」
リリアーヌが今頃、気が付いたように、そう言った。
駄目だ、こいつら。
「いいんです。もう・・・。所詮、うちは田舎の商会に過ぎないのですから。」
イジケやがった。
とても大人の女性とは思えない。
「じゃあさ、喫茶店でもやる?」
「何ですかそれ?」
シェリルが聞いてきた。
旧フォールド領にも、王都にも喫茶店は存在していない。最初の頃は、不思議に思ったものだが、そもそもが必要ないのだろう。
貴族は、各家でお茶会が出来るし、主だった商会は、王都に支店を持っている。
つまり、商談スペースに困っていない。
普通の庶民は、お茶なんてしない。
その結果、お菓子屋や、飲食店はあっても、喫茶店はない。
「紅茶を飲んだり、お菓子を食べるお店よ。もちろん、お菓子や、茶葉は持ち帰り用に販売するのよ。」
「わざわざ、お店で、お茶を飲みますか?」
リリアーヌが疑問を呈した。
「貴族は飲まないでしょうね。でも、使用人はどうかしら?所用で、平民街に出向くこともあるでしょう?」
「確かに。そういうお店があれば、サボ・・・ごほんっ、休憩もできますね。」
こいつ、サボるって言いそうになりやがった。
私の部屋で堂々とサボってるでしょうがっ!
私は心の中で強く突っ込んだ。
「お嬢様っ!何だか行けそうな気がしますっ!」
大丈夫かコイツ・・・、詐欺に簡単に引っ掛かりそうで、心配だ。
「いいこと、シェリル。まずは、お母様に相談しなさい。勝手にやると碌なことにならないからね。」
「ご領主ではなく、ピザート家の奥様にですか?」
「ええ、そうよ。」
「わかりました。」
まあ、お母様なら、キッパリと反対してくれる事だろう。
商売ってのは、そんなに簡単なものじゃあないしね。
うん、そう思っていた時期もありました。
というか、翌日なんだけど・・・。
「喫茶店っていうものは、大賛成よ。」
お母様がそう言った。
今は、叔父様とお母様、シェリルに私と4人で話し合い中だ。
どうして、こうなった。
「ただね、名前はどうにかならないかしら?」
「じゃあ、カフェなんてどうです?」
「それがいいわ。」
私の提案に、お母様は二つ返事で頷いた。
「お菓子やお茶を買う人間は居るだろうが、わざわざ、お店に行くものが居るだろうか?」
叔父様が当たり前のような正論を言った。
「お菓子もお茶も美味しくて、雰囲気が良ければ客は入ると思うわ。完成したら、私も行ってみたいと思うもの。」
「義姉上、カフェを作るのは、平民街ですよ?」
「あら、アウエリアだって、いつも行ってるもの。私が行っても問題ないでしょ?」
「アウエリアは、特殊なだけで。」
「あら?主人もあなたも、貴族学院時代は、よく行ってたんでしょ?」
「うっ・・・。」
叔父様は、それ以上、何も言えなくなった。
「お菓子は誰が作るんですか?」
私は、一番疑問に思っていることを口にした。
まさか、ダリアがお店で働くわけには、いかないだろう。
「とりあえず、アウエリアお抱えの飴屋と、もう一人欲しいわね。」
何故、あの飴屋が私のお抱えなんだ・・・。
「もう、お店をやるのは決定ですか?」
叔父様が、お母様に聞いた。
「ええ。土地もあるし、構わないでしょ?」
と、土地?
「確かにメイン通りに、商会所有の土地がありますが・・・。」
なんで、そんな土地が・・・。
「シェリル、採算は取れるのか?」
「大丈夫ですっ!」
いや、駄目よ。叔父様、この人に聞いちゃダメ。
「シェリル。お茶会でお菓子の品評会を開催しようと思うの。参加賞と賞金も出すわ。人を集めて頂戴。」
「了解しました。」
な、なんだ?具体的な話が。
「開催はいつ頃でしょうか?」
「来週から、社交シーズンが始まるわ。その時にしましょう。当家にて開催するわ。」
「了解しました。優勝者をカフェで雇うのですか?」
「それは、伏せておきましょう。」
「了解しました。」
おいおいおい、話、めっちゃ進んでるっ!
「お、叔父様、大丈夫なんですか?」
「義姉上が、関わっていれば、話題にもなるし、元々うちが持っている土地だしね。アウエリアが心配しなくても大丈夫だ。」
「まあ、叔父様がそういうなら。」
「来週からは、ユリアナも王都に来るから、何とかなるだろう。」
ユリアナとは、叔父様の奥さんで、アーマード伯爵夫人だ。
私が会うのは初めてとなる。
ダリアの言葉で、また変な会議が始まる。
私の部屋で・・・。
いま3人の前には、パンにクリームが添えられたものが置かれている。
エルミナは、そのおやつに釘付けだった。
リリアーヌは勝手に毒見をしたし、この中で、口にしていないのはエルミナだけだった。
当然、私の物はない。
太るからっ!
「何故、このような不毛な会議を?」
リリアーヌが抗議する。
私は、不憫に思い口を出した。
「エルミナ、食べてみたら?」
「そ、そうですね。」
そうして、大事そうに一口頬張るエルミナ。
目を見開いて固まる。
うんうん、美味しいよね。
甘味は正義だ。
ダイエットの天敵ではあるけど・・・。
「エルミナ、会議中ですよ。」
ダリアが注意した。
「意味のない会議では?」
「意味がないとは、どういう事ですか?」
「ここで何を話し合おうと、リリアーヌが担当を外される事はないと思います。」
正論だ。
「それはそうですが、声をあげなければ変わるものも変わりませんよ?」
「そもそもダリアは、お茶会の準備を理由に、お嬢様の担当を断ったのでは?」
ほう、そんな話があったのか。
「そ、それはそうですが・・・。」
「ダリアが断ったので、お嬢様の担当はサリーという事になったでしょう?」
はい?
「サリーが私の担当なの?」
「その予定でしたが、サリーでは手が負えないだろうって事で、急遽、リリアーヌが担当となりました。」
手に負えないって何?
私は、猛獣かっ!
「お菓子に集中したかったんでしょ?今のままでいいじゃないですか?」
リリアーヌが言った。
「・・・。」
ダリアが撃沈した。
まあいい、こんな会議は、どうでもいい。
「エルミナ、クリームはどうだった?」
私は、エルミナに感想を聞いた。
「とても美味しかったです。これは、お茶会でも話題になる事、間違いありません。」
「料理長と副料理長の手伝いがなければ、作れないのは問題なのでは?」
リリアーヌが、ダリアに突っ込んだ。
「・・・。」
ダリアは何も言わない。
言わないけど、ぐぬぬぬ・・・って、心の声が聞こえる。
翌日、私はシェリルに設計図を渡し、ある物の製造を依頼した。
「これはお金になりますか?」
完全に目がお金になってるシェリルが聞いてきた。
「ならない。」
「そ、そうですか・・・。」
「ねえ、アーマード商会ってお金に困ってるの?」
「そんな事はありませんよ。パターゴルフの件でも、王家やピザート家から、お金を頂いておりますし。」
「そう、なら、そんなお金、お金って言わなくてもいいんじゃない?」
「アーマード商会は、王都では無名です。それが悔しいんです。」
「そんなもんじゃないの?王都の人達が、いちいち貴族お抱えの商会なんて、知らないでしょう?」
「それが悔しいのです。」
キーっとハンカチでも咥えそうな勢いだ。
「まあ、でもねえ。私に言われても。」
「私はお嬢様が、金の生る木だと思っています。」
おいっ!失礼だろ、宰相家令嬢に。
「確かにお嬢様の発想力は目を見張るものがあります。」
リリアーヌが注意せずに同意した。
こ、こいつら・・・。
「という事で、お嬢様。何か案を下さい。お金になりそうな物をっ!」
「知るかっ!そもそも私が考えたって、貴族向けでしょ?そんなんで、王都に知られる事には、ならないんじゃないの?」
「はっ・・・。」
駄目だ、この人。
商売人に向いてないんじゃないの?
「シェリルさん、実はこれ、お嬢様が作りました。」
そう言って、リリアーヌは自分の胸に飾ってあるブローチを誇張させる。
「えっ・・・。」
「これなら、貴族以外にも売れますよ。」
「た、確かに・・・。」
「言っとくけど、私は忙しいから作らないわよ。そもそも、それは、レントン商会のエンリの磨き技術があってこそでしょ?アーマード商会の出る幕はないわ。」
「はっ、そう言えばそうでした。」
リリアーヌが今頃、気が付いたように、そう言った。
駄目だ、こいつら。
「いいんです。もう・・・。所詮、うちは田舎の商会に過ぎないのですから。」
イジケやがった。
とても大人の女性とは思えない。
「じゃあさ、喫茶店でもやる?」
「何ですかそれ?」
シェリルが聞いてきた。
旧フォールド領にも、王都にも喫茶店は存在していない。最初の頃は、不思議に思ったものだが、そもそもが必要ないのだろう。
貴族は、各家でお茶会が出来るし、主だった商会は、王都に支店を持っている。
つまり、商談スペースに困っていない。
普通の庶民は、お茶なんてしない。
その結果、お菓子屋や、飲食店はあっても、喫茶店はない。
「紅茶を飲んだり、お菓子を食べるお店よ。もちろん、お菓子や、茶葉は持ち帰り用に販売するのよ。」
「わざわざ、お店で、お茶を飲みますか?」
リリアーヌが疑問を呈した。
「貴族は飲まないでしょうね。でも、使用人はどうかしら?所用で、平民街に出向くこともあるでしょう?」
「確かに。そういうお店があれば、サボ・・・ごほんっ、休憩もできますね。」
こいつ、サボるって言いそうになりやがった。
私の部屋で堂々とサボってるでしょうがっ!
私は心の中で強く突っ込んだ。
「お嬢様っ!何だか行けそうな気がしますっ!」
大丈夫かコイツ・・・、詐欺に簡単に引っ掛かりそうで、心配だ。
「いいこと、シェリル。まずは、お母様に相談しなさい。勝手にやると碌なことにならないからね。」
「ご領主ではなく、ピザート家の奥様にですか?」
「ええ、そうよ。」
「わかりました。」
まあ、お母様なら、キッパリと反対してくれる事だろう。
商売ってのは、そんなに簡単なものじゃあないしね。
うん、そう思っていた時期もありました。
というか、翌日なんだけど・・・。
「喫茶店っていうものは、大賛成よ。」
お母様がそう言った。
今は、叔父様とお母様、シェリルに私と4人で話し合い中だ。
どうして、こうなった。
「ただね、名前はどうにかならないかしら?」
「じゃあ、カフェなんてどうです?」
「それがいいわ。」
私の提案に、お母様は二つ返事で頷いた。
「お菓子やお茶を買う人間は居るだろうが、わざわざ、お店に行くものが居るだろうか?」
叔父様が当たり前のような正論を言った。
「お菓子もお茶も美味しくて、雰囲気が良ければ客は入ると思うわ。完成したら、私も行ってみたいと思うもの。」
「義姉上、カフェを作るのは、平民街ですよ?」
「あら、アウエリアだって、いつも行ってるもの。私が行っても問題ないでしょ?」
「アウエリアは、特殊なだけで。」
「あら?主人もあなたも、貴族学院時代は、よく行ってたんでしょ?」
「うっ・・・。」
叔父様は、それ以上、何も言えなくなった。
「お菓子は誰が作るんですか?」
私は、一番疑問に思っていることを口にした。
まさか、ダリアがお店で働くわけには、いかないだろう。
「とりあえず、アウエリアお抱えの飴屋と、もう一人欲しいわね。」
何故、あの飴屋が私のお抱えなんだ・・・。
「もう、お店をやるのは決定ですか?」
叔父様が、お母様に聞いた。
「ええ。土地もあるし、構わないでしょ?」
と、土地?
「確かにメイン通りに、商会所有の土地がありますが・・・。」
なんで、そんな土地が・・・。
「シェリル、採算は取れるのか?」
「大丈夫ですっ!」
いや、駄目よ。叔父様、この人に聞いちゃダメ。
「シェリル。お茶会でお菓子の品評会を開催しようと思うの。参加賞と賞金も出すわ。人を集めて頂戴。」
「了解しました。」
な、なんだ?具体的な話が。
「開催はいつ頃でしょうか?」
「来週から、社交シーズンが始まるわ。その時にしましょう。当家にて開催するわ。」
「了解しました。優勝者をカフェで雇うのですか?」
「それは、伏せておきましょう。」
「了解しました。」
おいおいおい、話、めっちゃ進んでるっ!
「お、叔父様、大丈夫なんですか?」
「義姉上が、関わっていれば、話題にもなるし、元々うちが持っている土地だしね。アウエリアが心配しなくても大丈夫だ。」
「まあ、叔父様がそういうなら。」
「来週からは、ユリアナも王都に来るから、何とかなるだろう。」
ユリアナとは、叔父様の奥さんで、アーマード伯爵夫人だ。
私が会うのは初めてとなる。
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