浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#8-1】退路を塞がれるだけでは済まなかった話

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でもと反論しかけた僕に、暁都さんは矢継ぎ早に続けた。



「仕事用にパソコン必要なら俺の貸してやるよ」
「着替えも寝巻きも全部準備するし」


「それにな、携帯なんかあるから元彼が気になるんだよ、ならしばらく携帯から距離を取るのが正解だ。違うか?」



うぐっ・・!
ここにしばらく住んだって何も問題はないはずだと言わんばかりに外堀を埋められていく。でも一番肝心の・・!




「でも・・あの、その、僕まだ・・」

「?・・ああ!別に無理にアナタを襲ったりはさすがにしないよ。安心して?
ここにいりゃ3食昼寝&この色男の俺付き。良いでしょ?海も見えるこの高級マンション、家賃タダだし、ね!」




両肩をタアン!と叩かれて押し切られそうになった、いやでも・・!

「で、でも!僕、元彼に居場所ばれましたし!!ここにいると迷惑掛かるかも!」



 
色々はしょって言った。そうなんだ、元彼と今彼(みたいな人)が衝突なんてなったら色々イヤすぎるし・・!

そう言うと一瞬暁都さんは目を丸くしたが、すぐに立て直してニヤリと笑った。




「元彼の襲来が気になる訳ね?良いよ別にソイツが来たら俺が説教して追い払うし。むしろ会ってみたいもんだわ」


心底ワクワクしてる顔で彼は言った。


「てな訳で君今日からここが根城ね。以上!」
そう締めくくられてしまった。



え、僕本当にここに住むの・・?なんて信じられない思いでいたが、その後もっと信じられないことが実現することになるなんて、その時は思いもしなかった。
 







 
「はい君の寝巻き~下着~明日の着替え~♪」

ここはとある百貨店。例の外車で連れて来られて来てしまった。



機嫌よく暁都さんはぽいぽいとロクに値段も見ずに棚から選び取っていく。


しかし僕には値段は見えている。ただの何でもないハンドタオルが5000円て何この店・・!?




『本当困ります!!自分で買いたいけど買えないし・・!!!』


ひそひそと言った。自分で買えない己のダサさよ。


「え?なに?良く聞こえねえなあ。・・まあ金は気にするな。その分サービスしてくれればそれで良いよ♪」

『何を!?』


「え、まず執筆作業する俺にコーヒー出す係でしょ?あとは風呂入る時に背中流してもらって~耳かきもお願いしよっと」




大きい声でこんなとこで何を!?
わ~っと僕は暁都さんの口を押さえて言った。

「声が大きい!!!!」


ふはは!と吹き出して彼は言った。



「一番うるさいの君だよ?レジ行ってくるね~」

心底楽しそうにレジに去って行った。くそ、わざとか・・!それにしてもお金持ちの道楽は、僕には良くわからない。






続く
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