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r15◆ヤンデレメーカー#46 暴力的支配、ふたりの

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※そういう描写がところどころあるので一応r15にしました。




「あ、やだ、辞めて雷さん、サミーさんも…!」

細い指先が服の中で肌を這い上がる。同時に服の上からも噛み付くように肌を喰まれて、いけない刺激に肌が粟立つ。

両方から攻め立てられているのに、僕には抵抗の手立てがない。

「藍を攫った男にはこんなことさせてた?」

冷たい地を這うような声でサミーさんが言う。

「や、ないない、ないですそんなこと…!」
「本当に?こんなことも?」
「!」

雷さんに、ぎゅと乳首をつねられて痛みに喘いだ。コクコクと頷く。

「藍は正直でかわいいなあ。演技くささが微塵もないところが俺は気に入ってる。

……これが見え透いた嘘だったら刺してた」


そう言ってこめかにキスされた。なぜか僕は自分のこめかみを鋭利な何かで刺されるイメージが沸いて、こわくて怖くて縮こまった。


染谷さんのところにいた方がむしろ安全だった気さえする……。


サミーさんが骨太な手で僕の太ももを撫で上げながら聞いてきた。

「なあ藍。お前を監禁してた男ってどんな男?」
「…え?えっと…」

即答出来なかったのは、サミーさんが報復に行くんじゃないかって思ってしまったから。

「そんな怯えた顔するなって。藍がちゃんと良い子に話してくれたら、俺はソイツを沈めないで済むんだ」

人の良さそうな垂れ目でニコ、と間近に笑われてゾクリと心底震えた。

沈めるって…床に?海に?言葉ひとつで全然意味変わっちゃうよ。


どうして肝心のところをわざと省くの…?


「な?ほら。良い子だから吐こうな」

頭をやさあしく撫でられて、僕はぶるぶる背筋が震えながら言った。


「あの人を殺さないって誓ってくれるなら…」

それを聞いて雷さんもサミーさんも、すごく怖い顔をした。

「男を庇うのか」
「俺たちより懐いたんだ?」

刺すような声が僕を追い詰める。けど、頑張って首を振って答えた。

「ち、違うんです。僕は人が傷つくのは見たくないんです。どんな人でも。それだけです。だから…」

少し沈黙があってからサミーさんが言った。

「…今回だけ許してやる。でも藍。これからよその男にそんな優しさ向けるのはナシだぜ。

…あ、でも藍はもうここから出ないからその心配はなかったな」


機嫌よくサミーさんは僕を抱きしめ、舌を絡めてキスをした。負けじとばかりに雷さんは、僕の肌をきつく優しく引っ掻いた。




愛撫の最中に尋問は始まった。

「藍。それで?」
「あ、えっと…それで…僕を捕まえていたのは、染谷さんていう週刊誌記者の人で…」

僕はぽつぽつと話した。捕まった経緯、捕まってからの暮らし。染谷さんとどんな関係だったか、とか。

キスされたこととかは黙っておいた。僕は余計なことを聞いて欲しくなくて、サミーさんの胸に額を擦り付けた。

「藍。今日でソイツのことは全部忘れような。ソイツのことを思い出すのもダメだし、名前なんか口にするのもダメだ。腕を引かれた時の肌の感触だの、声だの。何もかも忘れろ。藍だってそうしたいだろう?」


曖昧に頷く。染谷さんは酷い人だったけど、おぞましい人ではなかったから。

今度は背後から雷さん。

「そうに決まってるよな?藍。藍の頭ん中には俺たちだけがいれば良いんだ。藍もそう思うだろ?じゃなきゃ許さない」

アイスピックで刺すみたいな冷たい声。初めて会った時は僕をただ拒絶するだけの声だったのに。

今では僕が離れて行かないように、まるで十字架に貼り付けにしているみたいだ。その声で。


「藍はおれたちのことだけ考えてれば良いんだよ。……目を閉じて、ずっと。そのまま」

雷さんが僕の目を覆った。2人に挟まれて、触れている肌があつく感じた。

「他は何もいらない。だよな?」

暗示にかけられていくみたいだ……。


僕は曖昧にただ頷いた。


機嫌良くふたりは僕の肌にその手を滑らせ、絡みついた。そうしてサミーさんが僕のズボンのベルトに触れ、ファスナーに手をかけ……。

「や……っやめてくださ」
「藍。大人しくしな」

雷さんはたしなめる様に冷たく僕を叱り、そしてキスをした。薄い舌が遠慮なく滑り込んでくる。

女の子みたいに綺麗な顔した雷さんのキスは、やっぱりどこか中性的だった。例えて言うなら、濡れたお花とキスしてるみたいな感じ。

元々女の子とキスすらしたことなかった僕は、変なドキドキで頭が真っ白になる。ちゅ、と離れるときに雷さんは僕の唇をそうっと舐めた。

うすく目を開けると、興奮気味な顔をした雷さんと目が合って、ドキッとしてしまった。

「……見んな」

そう言ってまたも僕の瞳を閉じさせた。


ソワソワしてしまう。あんな顔した雷さんは見たことがない。あれじゃ好きで好きでしょうがない人にする顔だ。

「藍。雷に興奮しすぎじゃない」

僕自身をさすさすと撫でるイケナイ指先の感触は、さっきからずっと感じていたけれど。

苛立ちを含んだサミーさんの声が聞こえる。

「こっちの反応が如実だよ。……素直なのは良いけどね。俺は面白くない」

不機嫌な声と、嬉しそうな笑い声が両方から聞こえた。ゾクリと身体が震える。視界が塞がれてると、何だかおかしくなりそうだ。

「雷。どけよ」

そういって僕に覆い被さり、抱きしめてきた大柄な身体。その手は僕自身を容赦なく追い上げていく。キスされている。テディもキスが好きだったけど、こんな荒く奪うような感じではなかったなと思い出す。

「……!」

我慢できなくてドク、と欲を吐いた。信じられない気持ちで泣きそうだった。恥ずかしい。ふたりに見られているのだ。

「最高だよ藍」
「藍。これからずっと俺たちと暮らそうな」
「でも……テディが」
「テディも入れてやっても良いってば」
「でも……皆で付き合うなんて、そんな悪いこと……」
「皆が納得してれば問題ないだろ?」
「でも……」
「みんな案外このアイディア、気にいるさ。手を替え品を替え、楽しませてあげる。

藍だってここにいたほうが楽しいって絶対思う様になる」



頭がぼんやりする。言われていることが唯一の正解の様な気がしてくる。丸め込まれている?いや頭の中から丸ごと支配されていくみたいだ。

「藍。返事は」

書き換えられていく。皆の思う様に。

「ほら返事」

自分じゃなくなっていくんだろうか。

「藍。ブチ犯すぞ」

粗暴な性質をあらわにした男の声がそばで聞こえる。ガリときつく耳を齧られてびくびく震えた。

「藍。良い子にしろよ」

グ、と首に手を掛けられる。この感触を僕は覚えている。雷さんの手だ。

僕は観念した。彼らからは逃れられないのだ。


「……わ、わかりました……」



その瞬間、僕は目を閉じているけれど、空気が華やぐのが感じ取れた。だけどそれは桜が咲くような可愛らしいものではなかった。

地獄に咲く華が、期待に胸を膨らませて花開くような感じ。決して咲いてはいけない、悪の華が……。







続く
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