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ヤンデレメーカー#11 ツンギレ雷
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僕らを乗せた車はその後しばらくしてマンションに着いた。
途中から僕の肩に頭を預けて寝始めちゃったテディ。前髪のぱらつく寝顔は幼く見えてちょっと…いやぶっちゃけかなり可愛い。
抱きしめてやろうかな?って男の自分ですら思っちゃう感じなのだけど、そんな良くない母性を刺激してくるテディを揺り起こした。
「うう…」
うっすら開いた薄紫色の瞳。金髪と相待ってミステリアスで胸がザワザワして…
「え、もうラブホ着いた…?」
誰と勘違いしてるのか分からんテディに僕はドスッとゲンコツを入れた。
僕の変なドキドキを返してほしい、フン!
***
「藍い~そんな怒っちゃダメじゃん」
ガラガラとキャリーケースを引きずりながらマンションの廊下、僕のうしろをついてくる歳下アイドルくんを無視しながら歩いた。
『テディって誰でも良いんだよ』って亜蓮さんが以前言っていたセリフを思い出す。
実際女の子の扱い手慣れてるしね。出入り多そうですしね。良いけど。
「ねえ~~~」
半泣き感出してるテディをまたも無視した。嫉妬心マシマシの癖に誰と僕を勘違いしてるのかねフン。
「ラブホくらい誰でも行くじゃん。ちょっと寝ぼけてただけでさ、過去のことじゃあん」
僕行ったことないけど!!!
キレ気味にピ、っとエレベータのボタンを押した。
「藍」
エレベーター待ちの僕についに追いついたテディ。頭上から話しかけられてドキッとした。見上げるとシュンと落ち込んだテディの顔。
うわっ間近で見るとなんて整いすぎてるんだ、ってドキッとしてたら手首を押さえられて強引にキスされた。
「これで許してよ」
何でキスが免罪符になるんだテディその自信何なんだそもそもお前が相手間違えたのが悪いんだろでも何で僕もこんな怒ってるんだろういやおかしくない色々…
とか諸々の思いが瞬時に頭の中を駆け巡ったのだが。
フリーズした僕に機嫌良くもう一回キスしてこようとしてきた美男をぐいーーと押して退けられたのは僕にしては良く出来たと思う。
ほらエレベーターも来たし…。
なんか変に気まずい2人っきりのエレベーター内。
僕は仕切り直しにちょっとした相談をした。
「ねえねえ、テディ。ところでさ、ちょっと協力してくれない…??」
内容を聞いて快諾してくれたテディ。
「藍のためなら良いよ」
馴れ馴れしく腰を抱いてきた。このプレイボーイめ。
でもこれでさっきのはチャラにしてやろう。そう思った僕だった。
***
ピンポンととある部屋のインターホンを鳴らす。
「何」
ぶっきらぼうな声の主はこの部屋の住人のもの。
「雷、テディだよ。ちょっとお願いあるんだけど。ここ開けてくんない」
しばらくしてガチャ、と開いたドア。
「何テディ…」
「ど、どうも~!」
テディの背後からひょこ、と姿を現した僕を死ぬほどイヤそうな顔をして見下ろした雷さん。
「お願いっていうのはあ、寮母さんと仲良くしてねっていうお願い」
「はあ!?死ねよ」
く、口悪…ッ!
「そんな言い方しなくて良いだろ」
「テディもこんな奴に協力するなよ!」
僕がインターホン押してもどうせ雷さんは出てくれないからと、テディにピンポンだけお願いしたのだが!
何か雲行き怪しくてヒヤヒヤする…!
「せっかく寮母さん来たんじゃん」
「今までだって追い返してきたろ」
「雷い。今までとは違うんだよ」
「良いよどうだって!俺は寮母なんかいらないっつーの!オマエと違って!」
う、うおおおバチバチが止まらない!
ってかテディにマミーがいないのを知らないのか!?知ってて言ってる!?
どちらにしても怖い!!テディ傷つかないでくれよ!?くうう巻き込んでしまってごめんんん!!!僕はそっとテディの手のひらを握った。同じくそっと握り返してきたテディ…。
「…雷。藍は皆と仲良くしたいんだよ」
「知らねーよ!」
「俺も亜蓮もサミーも、藍を気に入ってる。雷だって気に入る」
「うっせえ!勝手に決めんな!」
中性的な美しい顔立ちに全く似合わない乱雑さだった。一番血気盛んかもしれない。
「まあまあ。良い子だから。一旦何かお願いしてみなよ。ちゃんとやってくれるからさ」
「頼みたいことなんかねーよ!」
「はあ…雷。藍に残ってもらうには寮母の仕事してもらわないとダメなんだよ。
それに良い加減にしないと…」
怒るよ、と続けるもんだと思っていたのだが。
「サミーがブチギレるぞ。死にたいのか」
シン…と一瞬空気が凍って、数秒してから雷さんは折れた。
「…くそうぜえ。入れ…」
え、何?サミーさんてそんな怖いの??リーダーだから?あんなに優しそうなのに???あの垂れ目の人の良さそうな笑顔が頭の中を過ぎる。
謎すぎるサミーさんの影響力を感じた一幕だったのだが、それもそのはずなんである。サミーさんが実は元××だったなんて…。後で知るんだけどね…。
***
テディは仕事の都合もあるし、部屋に戻ってもらうことにして僕だけ雷さんのお部屋にお邪魔した。
「お、お邪魔しま~す」
「ってか男のくせに寮母って何なんだよ。しかも早速テディに取り入ってて気持ち悪ッ」
そう吐き捨てられてちょっと傷付く。ううう取り入った訳ではううう。
「いやー、その、寮母ってのは表現の問題で、要はスタッフの1人と思ってもらえれば!あとテディはフレンドリーなだけで、ね…?」
エヘ、とせめても愛想笑いをした僕。
「……」
ツンと冷たい雷さん。ううう冷たすぎるこの視線、凍りついてしまいそうだ!
「…はあ、どうでも良いけど。んで?お前に何が出来る訳」
来た来た!
「家事は何でも得意なんですけど、特に料理系は得意ですよ!タンパク量とかカロリー計算しながら献立作るのも、やれますよ!もし糖質制限とかしてたらお役に立てるかと…!」
「…まじ?フーン…」
雷さんはちょっと悩んでいる。
おお!?効いてる!?
あ、ありがと~~テディ!!!!ナイスタレコミ!!!
「あー、じゃあさ。ちょっとお願いしたいことあるんだけど」
「はい、何でもどうぞ!?」
きっと仲良くなれる、そう思っていた。
思ってたんだけどね…。
続く
途中から僕の肩に頭を預けて寝始めちゃったテディ。前髪のぱらつく寝顔は幼く見えてちょっと…いやぶっちゃけかなり可愛い。
抱きしめてやろうかな?って男の自分ですら思っちゃう感じなのだけど、そんな良くない母性を刺激してくるテディを揺り起こした。
「うう…」
うっすら開いた薄紫色の瞳。金髪と相待ってミステリアスで胸がザワザワして…
「え、もうラブホ着いた…?」
誰と勘違いしてるのか分からんテディに僕はドスッとゲンコツを入れた。
僕の変なドキドキを返してほしい、フン!
***
「藍い~そんな怒っちゃダメじゃん」
ガラガラとキャリーケースを引きずりながらマンションの廊下、僕のうしろをついてくる歳下アイドルくんを無視しながら歩いた。
『テディって誰でも良いんだよ』って亜蓮さんが以前言っていたセリフを思い出す。
実際女の子の扱い手慣れてるしね。出入り多そうですしね。良いけど。
「ねえ~~~」
半泣き感出してるテディをまたも無視した。嫉妬心マシマシの癖に誰と僕を勘違いしてるのかねフン。
「ラブホくらい誰でも行くじゃん。ちょっと寝ぼけてただけでさ、過去のことじゃあん」
僕行ったことないけど!!!
キレ気味にピ、っとエレベータのボタンを押した。
「藍」
エレベーター待ちの僕についに追いついたテディ。頭上から話しかけられてドキッとした。見上げるとシュンと落ち込んだテディの顔。
うわっ間近で見るとなんて整いすぎてるんだ、ってドキッとしてたら手首を押さえられて強引にキスされた。
「これで許してよ」
何でキスが免罪符になるんだテディその自信何なんだそもそもお前が相手間違えたのが悪いんだろでも何で僕もこんな怒ってるんだろういやおかしくない色々…
とか諸々の思いが瞬時に頭の中を駆け巡ったのだが。
フリーズした僕に機嫌良くもう一回キスしてこようとしてきた美男をぐいーーと押して退けられたのは僕にしては良く出来たと思う。
ほらエレベーターも来たし…。
なんか変に気まずい2人っきりのエレベーター内。
僕は仕切り直しにちょっとした相談をした。
「ねえねえ、テディ。ところでさ、ちょっと協力してくれない…??」
内容を聞いて快諾してくれたテディ。
「藍のためなら良いよ」
馴れ馴れしく腰を抱いてきた。このプレイボーイめ。
でもこれでさっきのはチャラにしてやろう。そう思った僕だった。
***
ピンポンととある部屋のインターホンを鳴らす。
「何」
ぶっきらぼうな声の主はこの部屋の住人のもの。
「雷、テディだよ。ちょっとお願いあるんだけど。ここ開けてくんない」
しばらくしてガチャ、と開いたドア。
「何テディ…」
「ど、どうも~!」
テディの背後からひょこ、と姿を現した僕を死ぬほどイヤそうな顔をして見下ろした雷さん。
「お願いっていうのはあ、寮母さんと仲良くしてねっていうお願い」
「はあ!?死ねよ」
く、口悪…ッ!
「そんな言い方しなくて良いだろ」
「テディもこんな奴に協力するなよ!」
僕がインターホン押してもどうせ雷さんは出てくれないからと、テディにピンポンだけお願いしたのだが!
何か雲行き怪しくてヒヤヒヤする…!
「せっかく寮母さん来たんじゃん」
「今までだって追い返してきたろ」
「雷い。今までとは違うんだよ」
「良いよどうだって!俺は寮母なんかいらないっつーの!オマエと違って!」
う、うおおおバチバチが止まらない!
ってかテディにマミーがいないのを知らないのか!?知ってて言ってる!?
どちらにしても怖い!!テディ傷つかないでくれよ!?くうう巻き込んでしまってごめんんん!!!僕はそっとテディの手のひらを握った。同じくそっと握り返してきたテディ…。
「…雷。藍は皆と仲良くしたいんだよ」
「知らねーよ!」
「俺も亜蓮もサミーも、藍を気に入ってる。雷だって気に入る」
「うっせえ!勝手に決めんな!」
中性的な美しい顔立ちに全く似合わない乱雑さだった。一番血気盛んかもしれない。
「まあまあ。良い子だから。一旦何かお願いしてみなよ。ちゃんとやってくれるからさ」
「頼みたいことなんかねーよ!」
「はあ…雷。藍に残ってもらうには寮母の仕事してもらわないとダメなんだよ。
それに良い加減にしないと…」
怒るよ、と続けるもんだと思っていたのだが。
「サミーがブチギレるぞ。死にたいのか」
シン…と一瞬空気が凍って、数秒してから雷さんは折れた。
「…くそうぜえ。入れ…」
え、何?サミーさんてそんな怖いの??リーダーだから?あんなに優しそうなのに???あの垂れ目の人の良さそうな笑顔が頭の中を過ぎる。
謎すぎるサミーさんの影響力を感じた一幕だったのだが、それもそのはずなんである。サミーさんが実は元××だったなんて…。後で知るんだけどね…。
***
テディは仕事の都合もあるし、部屋に戻ってもらうことにして僕だけ雷さんのお部屋にお邪魔した。
「お、お邪魔しま~す」
「ってか男のくせに寮母って何なんだよ。しかも早速テディに取り入ってて気持ち悪ッ」
そう吐き捨てられてちょっと傷付く。ううう取り入った訳ではううう。
「いやー、その、寮母ってのは表現の問題で、要はスタッフの1人と思ってもらえれば!あとテディはフレンドリーなだけで、ね…?」
エヘ、とせめても愛想笑いをした僕。
「……」
ツンと冷たい雷さん。ううう冷たすぎるこの視線、凍りついてしまいそうだ!
「…はあ、どうでも良いけど。んで?お前に何が出来る訳」
来た来た!
「家事は何でも得意なんですけど、特に料理系は得意ですよ!タンパク量とかカロリー計算しながら献立作るのも、やれますよ!もし糖質制限とかしてたらお役に立てるかと…!」
「…まじ?フーン…」
雷さんはちょっと悩んでいる。
おお!?効いてる!?
あ、ありがと~~テディ!!!!ナイスタレコミ!!!
「あー、じゃあさ。ちょっとお願いしたいことあるんだけど」
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きっと仲良くなれる、そう思っていた。
思ってたんだけどね…。
続く
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