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第二章 御剣星座標学園のオカルト研究部

13話 オカルト研究部のメンバー

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御剣星座標学園の新学期はいたってシンプルだった。夏休みの課題を各教師に提出することで本日の授業は終えることとなった。
そして、午前中のホームルームを終えた私は、今日から新しく始まる部活動に邁進するため、もとい儀式に参加するため、邪域へと足を進めていたのだった。もちろん肩にはバステトを、宙には漂うデビルンを、その2匹を連れて部室、もとい邪域へと足を進める。周囲の人々はバステトの声は聞こえないらしいし、デビルンの姿は見ることもできないらしい。
私は、オカルト研究部、そう書かれた部屋の前に立ち尽くす。そして、ノックをして中に入り込んだ。

「大邪神様にこの魂を授けよう……」

「何!? 魂を貰うのは俺様だぞ!!」

「(ええい、ちょっと黙っていてくれないかしら)」

部室、もとい邪域には幾人かの部員がいたので、そう声も出せないのでここは小声でデビルンを落ち着かせる。

「あ、ああ、デ、デイネブリス様~~昨日の動画見ましたよ~~最高でした~~。しかし、昼間ではなく夜間に行った方が私としては雰囲気が出ていいのではないでしょうか……?」

邪域に入って早々、話しかけて来たのは離岸クリスまたの名をクリスチャン。私の同級生だった。

「ん? 動画の話かしら。日の光が当たらないように魔法陣には日傘のサポートを付けておいたのだけど。それに夜間は危ないし、、下手したら補導されてしまうでしょう。その辺りを考慮して、昼間にしたって訳」

実際は降霊術をしていたのだけど、言っても意味はないのでやめておいた。

「フムフム、これが本物のバステトちゃん、たしか闇の黒猫、またの名をデネブリスカトゥス! ――種も仕掛けもなくあんなことが出来るなんて流石です~~」

この子にはCGの事はバレていないようで安心した、それからバステトをモフモフしている。

「…………クリスさん、少し静かにしてもらえないか。読書に集中出来やしない」

机に面と向かって読書をしていたのは、副部長、もとい邪神官の幹部である幹久ドクハ、またの名をビーブリオテーカである、2つ上の3年生の女性の先輩だった。流石に先輩にはCGの件はバレていた。

「すみません! ビーブリオテーカ先輩!」

「まぁ、以後気をつけるように……それと、アゲハさんCGはバレバレでしたよ。突風と光芒はリアリティがありましたけどね」

「――お褒めと指摘ありがとうございます。ビーブリオテーカ様」

「おいっ! 突っ込まないのかよ。あの動画とやらはリアルだって……」

デビルンが話しかけて来た。この場では正直言って迷惑なので釘を刺しておく。

「(お黙りなさい。この場で私に話を掛けて来ないでちょうだい。もし、答えを返せば、独り言を発する変な子に見えてしまうじゃないの……? だから部活中、もとい邪神域では静かにしているように、でなければ契約は伸びる一方よ)」

「う~~、わかった。大人しくしておく」

「――えっ、ビーブリオテーカ先輩、CGってどうゆうことですか?」

クリスチャンとビーブリオテーカ様が話し込んでいるので、こちらのコソコソ話は聞こえなかったのだと願いたい。

「さて、バステト食事にしましょう」

「はい、主様」

近場の席に座り、購買部で買っておいたサンドイッチと、家から持って来たキャットフードを広げる。

「さ、流石、き、期待の新人、ぼ、僕とはレベル、の、の違う、ど、動画を上げてくれるね」

「居たんですか!? ソリトゥス様!」

「あ、う、うん、影が薄くて気が付かなかったかい。ぼ、僕も、これで、立派なオカルト少年になれたかなぁ」

「いえ、影が薄いと言うか……部室、もとい邪域そのものが暗いからではありませんか」

室内はカーテンで密閉され光の入る隙間などない、邪域を照らしているのは無数の蝋燭のみだった。

「……そ、そうか、透明化の魔法でも使えそう、な、なのかなぁ~~と思ったのに……」

この人は一つ上の2年生で男性の先輩、来翔メイカ先輩、またの名をソリトゥス幹部様。少し活舌が悪いのはいつものことだ。

「部長、もとい邪神官様はまだですか?」

「ま、まだだね」

「そうですか」

「……………………何かな?」

「いえ、まだ来ないんですよね? あのお方は……」

「す、すぐ、く、来るさ」

私と違ってカップラーメンを食べているコミュ障のソリトゥス様。特に話題が無くて困っていると、待ち人ではない人が声を掛けて来た。

「――もうーーお二方、暗いです! もっと元気を出しましょう!」

空気の読めないクリスチャンが抱き着いてきた。正直、食べている時は邪魔でしかない。

「誰かを待っているのか?」

「(ええ……)」

デビルンの問いに私は静かに、さり気なく答えた。

「う、うん?」

「何でもありませんわ。ソリトゥス様……」

そして私の待ち人は来た。ノックもせずに盛大に扉を開け放ち、こう言った。

「――我が名はダークネス・カイザー、さぁ、今宵も世界征服の野望のための会議をしようではないか。オカルト研究部の同志諸君よ!」

黒条サイコ……私が一目惚れした3年生の男性先輩が、部室、もとい邪域に足を踏む入れるのだった。
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