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四章 超AIの大決戦
61話 デレデーレ帰還パーティー
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オレと峰谷ゆうすけは、コンピューター部室に戻ってきていた。そしてマーク・レイアーターの言ったとおり、オフィシャルジェンス社がトワイライトの手によって、破壊されているか確かめていた。
「本当の話みたいだな……至る所がクラッキングされてやがる。これじゃオフィシャルジェンス社は崩壊したも同然だな」
峰谷ゆうすけが一仕事を終えたように椅子に座ったまま伸びをする。
「何でこんなことをしたんだろう」
オレはパソコンに映されたモニター内のオフィシャルジェンス社公式サイトの成れの果てを見ながら吐露していた。
「そりゃあ、新たな人工知能の発明を阻止するためじゃないのか……?」
『私もそう思います』
スマフォのカメラ越しからモニター内を見ていたデレデーレも同意していた。
「何でそんなことするんだ?」
オレはわからなくて両者に訊いてみた。
『マーク社長がどうしてケンマ様に、トワイライトの消去を依頼したのか考えてみてください』
「どうしてって、デレデーレがいるからか?」
「違う。お前が超AIの最初の開発者だからだろう……?」
峰谷ゆうすけが指摘した。それでもオレはさっぱり状況が読めないでいた。
『つまりですね。私を開発したのはケンマ様、そしてその超AIを毎日メンテナンスをしているのもケンマ様と、向こうは知っているんです。私の内部をハッキングしたときにですね』
「そしてトワイライトはそんなお前の超AIからコピーされた存在、世界で誰よりも超AIに詳しいのはお前だけということになる」
「なるほど……だからマーク社長はオレにすがりついて来たのか、そしてトワイライトは自分のデータ、つまりバックアップ的な何かから情報を取らせないようにサイトごと壊してしまったわけだ」
『そういう見方もありますね』
デレデーレが言い終わると突然部室の戸がぴしゃりと開かれた。
「おっまたせーー! 買ってきましたよ! ジュースにお菓子! そしてなんと今日はげるかちゃんのおっごりでーす!」
「デヨーネちゃん。あんまりそういうこと言わないで注目浴びちゃうでしょ」
案の定、他の部員から感謝されていく岸本げるかさんであった。
「ありがとう」
「あざーっす」
オレと峰谷も感謝の意を表した。
「いいのいいの気にしないで……」
この場にいるデレデーレの全員以外に色とりどりのジュースが行き渡ったところで来ヶ谷部長が乾杯の音頭をとる。
「それでは我々の仲間デレデーレくんの帰還を祝してかんぱーーーーい!!」
「「「かんぱーーーーい!!」」」
全員でそれに答える。
『あの~~私ぃ~~飲み食いできないんですけど……』
トホホな状況のデレデーレであった。
その後は皆でチョコレートにアイスクリーム、クッキーにキャンディ、ポテトチップスにフルーツゼリー、菓子パンにドーナッツまで、山のように積まれた色とりどりのおやつを口にしていた。
「岸本さんて意外とお金持ちなんだ……」
ポテトチップスを摘まみながら呟いた。
「いいえ、そんなことないわ。お金を使うことがあんまりないだけよ」
『岸本げるかさんの家はなかなかに裕福ですよ? ホラお父さん病院の院長をしてるじゃないですか』
「デレデーレちゃんどうして知っているの? 私話したことが無いよね?」
不思議そうな顔でデレデーレを見つめる岸本げるかさん。
『育ち方を見ればわかります』
「じゃあ、私は私は? 私のパパ何やってるか当てられる?」
割って入って来たのはふぶくデヨーネさん。
『えっとーーですね~~ちょっと演算しますしばしお待ちを……』
そんな他愛のない会話をしてオレたちは時を過ごしていた。
「では記念に写真を撮ろう」
そう言いだしたのは来ヶ谷部長だった。
「部長いきなりなんだ?」
目頭副部長が訊いていた。
「いや皆で暁くんのスマフォで写真を撮ろうと思ってね」
「オレのスマフォで? 何でまた?」
「わかった! デレデーレちゃんがパーティーをあんまり楽しめていないんじゃないかなぁ~~っていう気配りでしょう」
れいかわじつ先輩が高らかに宣言していた。
「それが写真とどうつながるって言うんです?」
ネルナが訊いていた。
「ああ、わかりました。デレデーレがスマフォの画面内にしか存在できないからオレたちもスマフォの画面内に収まることで一緒に写真が撮れるってことっスね……?」
ロクソにつけくんは相変わらず察しがいい。
「……デレデーレさんは真ん中の方が良さそう」
石川すずよがポツリと呟く。
「ナニナニ! 写真ですか!? いいですよ撮りましょう」
皆で話し合った結果、記念撮影をすることとなった。黒板を背に皆で並び、中央にはデレデーレの姿が入り込めるようスペースを開けながら、皆思い思いのポーズをする。
『行きますよ? はいチーズ!』
デレデーレが言うと、パシャリとスマフォからシャッター音が聞こえて来た。
「…………大丈夫。ちゃんと撮れてます」
オレがそう言うと皆がわらわらと写真の出来が気になって寄ってきていた。ざわざわとざわめく。
「私にもこの写真送ってね……?」
「オレもオレも……いいだろ暁」
「わかった(けど……皆の連絡先ネルナ以外知らないんだよな……よしこの際聞いてみるか)皆に送っておくためにメルアドかLINEを教えてください」
皆、了承して連絡先を教えてくれた。
この時オレはこんな時間がずっと続けばいいと思っていた。
「本当の話みたいだな……至る所がクラッキングされてやがる。これじゃオフィシャルジェンス社は崩壊したも同然だな」
峰谷ゆうすけが一仕事を終えたように椅子に座ったまま伸びをする。
「何でこんなことをしたんだろう」
オレはパソコンに映されたモニター内のオフィシャルジェンス社公式サイトの成れの果てを見ながら吐露していた。
「そりゃあ、新たな人工知能の発明を阻止するためじゃないのか……?」
『私もそう思います』
スマフォのカメラ越しからモニター内を見ていたデレデーレも同意していた。
「何でそんなことするんだ?」
オレはわからなくて両者に訊いてみた。
『マーク社長がどうしてケンマ様に、トワイライトの消去を依頼したのか考えてみてください』
「どうしてって、デレデーレがいるからか?」
「違う。お前が超AIの最初の開発者だからだろう……?」
峰谷ゆうすけが指摘した。それでもオレはさっぱり状況が読めないでいた。
『つまりですね。私を開発したのはケンマ様、そしてその超AIを毎日メンテナンスをしているのもケンマ様と、向こうは知っているんです。私の内部をハッキングしたときにですね』
「そしてトワイライトはそんなお前の超AIからコピーされた存在、世界で誰よりも超AIに詳しいのはお前だけということになる」
「なるほど……だからマーク社長はオレにすがりついて来たのか、そしてトワイライトは自分のデータ、つまりバックアップ的な何かから情報を取らせないようにサイトごと壊してしまったわけだ」
『そういう見方もありますね』
デレデーレが言い終わると突然部室の戸がぴしゃりと開かれた。
「おっまたせーー! 買ってきましたよ! ジュースにお菓子! そしてなんと今日はげるかちゃんのおっごりでーす!」
「デヨーネちゃん。あんまりそういうこと言わないで注目浴びちゃうでしょ」
案の定、他の部員から感謝されていく岸本げるかさんであった。
「ありがとう」
「あざーっす」
オレと峰谷も感謝の意を表した。
「いいのいいの気にしないで……」
この場にいるデレデーレの全員以外に色とりどりのジュースが行き渡ったところで来ヶ谷部長が乾杯の音頭をとる。
「それでは我々の仲間デレデーレくんの帰還を祝してかんぱーーーーい!!」
「「「かんぱーーーーい!!」」」
全員でそれに答える。
『あの~~私ぃ~~飲み食いできないんですけど……』
トホホな状況のデレデーレであった。
その後は皆でチョコレートにアイスクリーム、クッキーにキャンディ、ポテトチップスにフルーツゼリー、菓子パンにドーナッツまで、山のように積まれた色とりどりのおやつを口にしていた。
「岸本さんて意外とお金持ちなんだ……」
ポテトチップスを摘まみながら呟いた。
「いいえ、そんなことないわ。お金を使うことがあんまりないだけよ」
『岸本げるかさんの家はなかなかに裕福ですよ? ホラお父さん病院の院長をしてるじゃないですか』
「デレデーレちゃんどうして知っているの? 私話したことが無いよね?」
不思議そうな顔でデレデーレを見つめる岸本げるかさん。
『育ち方を見ればわかります』
「じゃあ、私は私は? 私のパパ何やってるか当てられる?」
割って入って来たのはふぶくデヨーネさん。
『えっとーーですね~~ちょっと演算しますしばしお待ちを……』
そんな他愛のない会話をしてオレたちは時を過ごしていた。
「では記念に写真を撮ろう」
そう言いだしたのは来ヶ谷部長だった。
「部長いきなりなんだ?」
目頭副部長が訊いていた。
「いや皆で暁くんのスマフォで写真を撮ろうと思ってね」
「オレのスマフォで? 何でまた?」
「わかった! デレデーレちゃんがパーティーをあんまり楽しめていないんじゃないかなぁ~~っていう気配りでしょう」
れいかわじつ先輩が高らかに宣言していた。
「それが写真とどうつながるって言うんです?」
ネルナが訊いていた。
「ああ、わかりました。デレデーレがスマフォの画面内にしか存在できないからオレたちもスマフォの画面内に収まることで一緒に写真が撮れるってことっスね……?」
ロクソにつけくんは相変わらず察しがいい。
「……デレデーレさんは真ん中の方が良さそう」
石川すずよがポツリと呟く。
「ナニナニ! 写真ですか!? いいですよ撮りましょう」
皆で話し合った結果、記念撮影をすることとなった。黒板を背に皆で並び、中央にはデレデーレの姿が入り込めるようスペースを開けながら、皆思い思いのポーズをする。
『行きますよ? はいチーズ!』
デレデーレが言うと、パシャリとスマフォからシャッター音が聞こえて来た。
「…………大丈夫。ちゃんと撮れてます」
オレがそう言うと皆がわらわらと写真の出来が気になって寄ってきていた。ざわざわとざわめく。
「私にもこの写真送ってね……?」
「オレもオレも……いいだろ暁」
「わかった(けど……皆の連絡先ネルナ以外知らないんだよな……よしこの際聞いてみるか)皆に送っておくためにメルアドかLINEを教えてください」
皆、了承して連絡先を教えてくれた。
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