48 / 71
三章 超AIの大失踪
48話 ネットサーフィンで探し出す
しおりを挟む
壁に掛けられた時計の時刻は午後11時を回ろうとしていた。いつまでもパソコンとにらめっこしている。
「ヒカリ探すぞ、デレデーレを――」
『前にケンマ様に仕えていた超AI様のことですね。かしこまりました』
オレはメンテナンスのモニター画面からメニュー画面に戻すと検索サイトを開く。
「さてヒカリ、デレデーレに関する全てのデータを検索せよ」
『検索欄にデレデーレをっと、これでよろしいでしょうか?』
「よし、それで検索開始」
もう夜遅いので隣の体育会系を起こすまいと小声で話を進める。
『――検索しました。検索結果15件です』
「15件……やはり少ないな」
一件一件そのサイトを見て回る。
「まず一件目、リア充カップルのデレデレ現場……なんだただの画像データかよ。しかも隠し撮りって普通に犯罪じゃないの~~」
そこには噴水を背景にキスをする二人の男女が撮影されていた。
「二件目、マイナーゲームデレコちゃんの市場価格。やっす300円かよ。ああでも昔のハードがもう売ってないんじゃないかなこのゲームは……」
検索すれば何かしらの情報は出てくるのだろうが、あいにくオレには興味がなかった。
「三件目、こっちも同じかデレコちゃんの中古価格100円」
いったいどんなゲームでこんなに安くなっているのか逆に興味を引かれてしまう。
「そんなにもクソゲーなのか? えっと次は四件目、人生相談サイトキューピット? どこかで聞いたサイト名だな」
『はい、以前ケンマ様が本サイトに登録し占ってもらおうとしたサイトですね』
「あ~~、はいはいあったね~~そんなサイト……アクセス数でも見てみるか……」
調べてみると二週間前から更新がないのかアクセス数が10378から205にまで激減していた。
「やっぱりシステム面に問題があったんだろうなぁ、オレの登録IDじゃ弾かれてしまったし」
『再度、登録してみますか?』
「もういいって次五件目のサイトに行くぞ」
その後もネットサーフィンを続けて行くのだが、5件目から15件目までも、くだらないサイトを徘徊することとなりデレデーレに関することは何も分からなかった。
「ヒカリ検索方法の仕方を変えるぞ……」
『どんな内容でしょうか』
「ネット内を徘徊するAIの女の子」
『検索します、ネット内を徘徊するAIの女の子……』
(以前デレデーレは言っていた暇な時間には動画を見たりゲームをしていたりすると……この検索方法なら少しは引っ掛かるはず)
『出ました検索結果203件です』
「ヒカリ一つ一つ調べるのも面倒だ。出来るだけ情報量の多いサイトだけをピックアップするのは可能か?」
『はい、もちろんでございます』
「なら、やってくれ……」
『はい、サイト内のデータを一括検証、平均値以上のサイトを絞り込みその中から選りすぐりのサイトをピックアップ』
要するにサイト数が多すぎるので少なめに絞ろうという魂胆だ。
『――4件のサイトがピックアップされました』
「なになに一つ目は小説投稿? 匿名希望の作者に主人公はデレデーレ? アイツは何をやっているんだ? まっるきり今はやりのファンタジー作品だし」
しかもアクセス数は底辺中の底辺、二週間前に続きを書くのをやめてしまっているのだ。
(この2週間、続きがないってどんだけモチベ下がってんのよ)
『二つ目に参りましょう』
「二つ目、伝説の電子状の女の子を追いかけてみたとかいう画像サイトねぇ~~」
サイト内を一通り見てみたのだが女の子の画像なんてどこにもない。
(アイツのことだすぐに見つけ出しハッキングして自分の画像を消していったんだろう)
『三つ目、ツイッター。匿名希望のアカウントですがこちらも二週間前に活動を停止していますね』
「どこに根拠があってこのツイート主がデレデーレだと思っているんだ?」
『データを復元します』
すると匿名希望の名前欄がレーデレデになってしまった。逆から読むとデレデーレ。
「なるほど、データ側の方からしか見えない景色もあるって訳ね」
日記のようなツイートを一つづつ読んでいく。これも二週間前から更新が途絶えている。
『四つ目なんですが、これはオフィシャルジェンス社のサイトですね』
「オフィシャルジェンス? やっぱり繋がりがあったか? けどサイトを見てもデレデーレのことなんか書かれていなかったぞ?」
『……これ以上のことは分かりかねます』
(ん~~、どれもこれも二週間前に更新を途絶えているところを見ると……オフィシャルジェンス社に接触した可能性がその時にあるってことか……分からんがオレなりに調べてみるか)
そしてそれからも調べていくオレ、気が付くと午前6時を回っていた。
「ヒカリ探すぞ、デレデーレを――」
『前にケンマ様に仕えていた超AI様のことですね。かしこまりました』
オレはメンテナンスのモニター画面からメニュー画面に戻すと検索サイトを開く。
「さてヒカリ、デレデーレに関する全てのデータを検索せよ」
『検索欄にデレデーレをっと、これでよろしいでしょうか?』
「よし、それで検索開始」
もう夜遅いので隣の体育会系を起こすまいと小声で話を進める。
『――検索しました。検索結果15件です』
「15件……やはり少ないな」
一件一件そのサイトを見て回る。
「まず一件目、リア充カップルのデレデレ現場……なんだただの画像データかよ。しかも隠し撮りって普通に犯罪じゃないの~~」
そこには噴水を背景にキスをする二人の男女が撮影されていた。
「二件目、マイナーゲームデレコちゃんの市場価格。やっす300円かよ。ああでも昔のハードがもう売ってないんじゃないかなこのゲームは……」
検索すれば何かしらの情報は出てくるのだろうが、あいにくオレには興味がなかった。
「三件目、こっちも同じかデレコちゃんの中古価格100円」
いったいどんなゲームでこんなに安くなっているのか逆に興味を引かれてしまう。
「そんなにもクソゲーなのか? えっと次は四件目、人生相談サイトキューピット? どこかで聞いたサイト名だな」
『はい、以前ケンマ様が本サイトに登録し占ってもらおうとしたサイトですね』
「あ~~、はいはいあったね~~そんなサイト……アクセス数でも見てみるか……」
調べてみると二週間前から更新がないのかアクセス数が10378から205にまで激減していた。
「やっぱりシステム面に問題があったんだろうなぁ、オレの登録IDじゃ弾かれてしまったし」
『再度、登録してみますか?』
「もういいって次五件目のサイトに行くぞ」
その後もネットサーフィンを続けて行くのだが、5件目から15件目までも、くだらないサイトを徘徊することとなりデレデーレに関することは何も分からなかった。
「ヒカリ検索方法の仕方を変えるぞ……」
『どんな内容でしょうか』
「ネット内を徘徊するAIの女の子」
『検索します、ネット内を徘徊するAIの女の子……』
(以前デレデーレは言っていた暇な時間には動画を見たりゲームをしていたりすると……この検索方法なら少しは引っ掛かるはず)
『出ました検索結果203件です』
「ヒカリ一つ一つ調べるのも面倒だ。出来るだけ情報量の多いサイトだけをピックアップするのは可能か?」
『はい、もちろんでございます』
「なら、やってくれ……」
『はい、サイト内のデータを一括検証、平均値以上のサイトを絞り込みその中から選りすぐりのサイトをピックアップ』
要するにサイト数が多すぎるので少なめに絞ろうという魂胆だ。
『――4件のサイトがピックアップされました』
「なになに一つ目は小説投稿? 匿名希望の作者に主人公はデレデーレ? アイツは何をやっているんだ? まっるきり今はやりのファンタジー作品だし」
しかもアクセス数は底辺中の底辺、二週間前に続きを書くのをやめてしまっているのだ。
(この2週間、続きがないってどんだけモチベ下がってんのよ)
『二つ目に参りましょう』
「二つ目、伝説の電子状の女の子を追いかけてみたとかいう画像サイトねぇ~~」
サイト内を一通り見てみたのだが女の子の画像なんてどこにもない。
(アイツのことだすぐに見つけ出しハッキングして自分の画像を消していったんだろう)
『三つ目、ツイッター。匿名希望のアカウントですがこちらも二週間前に活動を停止していますね』
「どこに根拠があってこのツイート主がデレデーレだと思っているんだ?」
『データを復元します』
すると匿名希望の名前欄がレーデレデになってしまった。逆から読むとデレデーレ。
「なるほど、データ側の方からしか見えない景色もあるって訳ね」
日記のようなツイートを一つづつ読んでいく。これも二週間前から更新が途絶えている。
『四つ目なんですが、これはオフィシャルジェンス社のサイトですね』
「オフィシャルジェンス? やっぱり繋がりがあったか? けどサイトを見てもデレデーレのことなんか書かれていなかったぞ?」
『……これ以上のことは分かりかねます』
(ん~~、どれもこれも二週間前に更新を途絶えているところを見ると……オフィシャルジェンス社に接触した可能性がその時にあるってことか……分からんがオレなりに調べてみるか)
そしてそれからも調べていくオレ、気が付くと午前6時を回っていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
雪町フォトグラフ
涼雨 零音(すずさめ れいん)
ライト文芸
北海道上川郡東川町で暮らす高校生の深雪(みゆき)が写真甲子園の本戦出場を目指して奮闘する物語。
メンバーを集めるのに奔走し、写真の腕を磨くのに精進し、数々の問題に直面し、そのたびに沸き上がる名前のわからない感情に翻弄されながら成長していく姿を瑞々しく描いた青春小説。
※表紙の絵は画家の勅使河原 優さん(@M4Teshigawara)に描いていただきました。
冬の水葬
束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。
凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。
高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。
美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた――
けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。
ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。
ボイス~常識外れの三人~
Yamato
ライト文芸
29歳の山咲 伸一と30歳の下田 晴美と同級生の尾美 悦子
会社の社員とアルバイト。
北海道の田舎から上京した伸一。
東京生まれで中小企業の社長の娘 晴美。
同じく東京生まれで美人で、スタイルのよい悦子。
伸一は、甲斐性持ち男気溢れる凡庸な風貌。
晴美は、派手で美しい外見で勝気。
悦子はモデルのような顔とスタイルで、遊んでる男は多数いる。
伸一の勤める会社にアルバイトとして入ってきた二人。
晴美は伸一と東京駅でケンカした相手。
最悪な出会いで嫌悪感しかなかった。
しかし、友人の尾美 悦子は伸一に興味を抱く。
それまで遊んでいた悦子は、伸一によって初めて自分が求めていた男性だと知りのめり込む。
一方で、晴美は遊び人である影山 時弘に引っ掛かり、身体だけでなく心もボロボロにされた。
悦子は、晴美をなんとか救おうと試みるが時弘の巧みな話術で挫折する。
伸一の手助けを借りて、なんとか引き離したが晴美は今度は伸一に心を寄せるようになる。
それを知った悦子は晴美と敵対するようになり、伸一の傍を離れないようになった。
絶対に譲らない二人。しかし、どこかで悲しむ心もあった。
どちらかに決めてほしい二人の問い詰めに、伸一は人を愛せない過去の事情により答えられないと話す。
それを知った悦子は驚きの提案を二人にする。
三人の想いはどうなるのか?
秘密部 〜人々のひみつ〜
ベアりんぐ
ライト文芸
ただひたすらに過ぎてゆく日常の中で、ある出会いが、ある言葉が、いままで見てきた世界を、変えることがある。ある日一つのミスから生まれた出会いから、変な部活動に入ることになり?………ただ漠然と生きていた高校生、相葉真也の「普通」の日常が変わっていく!!非日常系日常物語、開幕です。
01
この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。
二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。
彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。
信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。
歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。
幻想、幻影、エンケージ。
魂魄、領域、人類の進化。
802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。
さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。
私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる