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三章 超AIの大失踪

44話 ヒカリとの日常生活

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ヒカリを完成させてから一か月後。

オレはいつものごとく朝からヒカリに起こされてジョギングに出ていた。

それから7時には寮の食堂で朝食を食べ、スマフォで今日のニュースを見る。

(…………? 今日の17時オフィシャルジェンス社から重大発表か……)

『楽しみですか?』

ヒカリが訪ねてくきた。

「まぁな……人工知能研究者には誰もが目をつけてるって話だし……いつかオレも入社してみたいと思っている。詳しく知りたいなら、検索してみるといい」

オレはどんな会社か説明した。オフィシャルジェンス社とは人工知能専門の研究会社である。

『……いえ興味はありません』

ヒカリはそっけなく返してきた。

それから8時には学校内に入り込み、徹夜の疲れを朝から癒すため机に伏して眠りこけていた。

予鈴のチャイムが鳴り、その響きによって目を覚ます。

じきにホームルームが始まり朝の授業が始まる。

一時間目は数学の授業、二時間目は歴史の授業、三時間目は体育の授業、四時間目は国語の授業、そして昼食の時間となる。

昼食は相変わらず購買部を避けて学食で済ませていた。食べ終わるとスマフォでちょっとしたソシャゲをして過ごす。そして午後の授業が始まる。

5時間目は文学の授業、6時間目は英語の授業であったが自習となった。

本日全ての授業が終わり、ホームルームの時間となる。

ホームルーム後は掃除の時間、班分けはすでにおなじみのメンバーで行動し、終了すると完全に下校時刻となる。

本日はコンピューター研究部へと足を運ばないことにした。そしてそのまま寮へと帰宅するのだが、今日はヒカリに外の景色を見せて反応を見るテストをすることにした。つまり遠出だ。

「どうだ? たまには違う景色を見るというのは……」

『ネットの画像の方が素晴らしい街並みを見ることが出来ます』

「……ああ、そうかい」

期待していたほどの反応は見られない。やはり感情がないのだ。アイツのあのAIの様にはいかないか。

その時、、、

ブーーンブーーンとスマートフォンが鳴る。電話の連絡が入っているのだ。連絡の相手はネルナしぬぞうだった。

「もしもしネルナか……どうした? 今ヒカリとデート中なんだけど」

『はぁ? そんなことしてる場合か? 来ヶ谷部長が寂しがってるぞ。今日は来ないのかなぁとか言って何度も何度も廊下に出ている』

電話越しから伝わるネルナの声には少々焦りの気持ちが溢れていた。

「何でまた? オレは部員じゃないんだぞ……」

『お前はニュースとか見ないのか? 今日、オフィシャルジェンス社から重大発表があるのを訊いていないのか? ネットでニュースぐらい見れるだろう――今すぐ確認しろ」

「ああぁ……それなら知ってるぞ。今日の午後17時に発表があるってことぐらい」

『なら何故うちに来ない。皆お前が来るのを待っているんだぞ』

「と言ってもなぁ~~、本来オレはそっちの部活動に参加している訳ではないんだが……」

『何言ってやがる……あれだけAI研究の為の協力をさせておいて、こっちに用事があると言えばとたんに姿を消しやがる。都合がよすぎるんじゃないか? 友達無くすぞ、たまには皆で会議しようぜ……』

「わかったわかった。16時30分か、今から行くから待ってろよ。ちょっと遠出してそっちに行く時間はかかるかもしれないけど、来ヶ谷部長にもそう伝えておいてくれ」

『それでいい、皆待ってるから急いでこい――』

――ブツンと電話を切られてしまった。

(全く、話を聞いていないんだから)

『ケンマ様?』

「急いで戻るぞ、今日の遠出はおしまいだ」

オレは踵を返し急いで学校まで戻ることにした。

(オフィシャルジェンス社の重大発表ねぇ~~、いったいなんだろう)

この時のオレはまだ知らなかった、この発表がとんでもない展開を生んでいたことに。
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