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二章 超AIの大活躍

18話 ゲーマーデレデーレ

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シューティングゲーム、それは銃やミサイルを用いて、敵や兵器などを撃ち落としスコアを稼ぐゲームである。

――お前、シューティングゲームの経験はあるのか?

――バリバリあります。スコアマックスまでいったこともある俳人です。

――いつの間にやっていたんだよ。

――ケンマ様がご就寝になられている時間です。

――ああ、そうか。人工知能って寝る習慣が無いからなぁ。

――そうです、そうです、暇つぶしにゲームをインストールしてやっています。もちろんフリープレイのゲームですよ。お金のかかるゲームには、一切手をつけていません。

――そりゃ助かるよ。けど、いつやっていたんだ? パソコンもスマフォもスリープモードだったんだろう? どうやってゲームするんだよ。そもそもデレデーレもスリープモードだろう? 何がどうやったらその状態でゲームができるんだ。

――目覚ましと一緒の原理ですよ。私はスリープモードにならないんです。

――ああ、そうだった。独自のプログラムで自立行動するのが超AIだったなぁ。

つまるところデレデーレに眠る時間はない。

――じゃあ何か? デレデーレは自分のシステムにフリープレイのゲームをインストールして夜な夜なプレイしてたって言うことか?

――いいえ……パソコンつけながらゲームしてましたよ?

――はぁ!? お前パソコンつけっぱでゲームしてんの?

――してますが何か?

――パソコンの寿命が縮まるからやめてくれ。

――はい。これからはシステムにインストールして知能内で楽しめばいいんですね?

――いいや、オレと一緒にゲームをするんだ。

ここでデレデーレとのLINEは終わらせられた。

「よーし、ゲームの準備は整った! 始めようじゃないか!」

モニター内は広大な宇宙空間を表していた。そこにゲームのタイトル、コズミックシューティングスターが掲げられていた。

『はい! ではルールの説明を……』

(なんか緊張してきた。デレデーレは緊張しないんだろうか? 緊張しないんだろうなぁ、夜な夜なパソコンつけっぱなしでゲームしてんだもんなぁ、そこから自信が来るほどだもんなぁ)

オレは心臓のどくどくする鼓動を固唾を飲んで抑え込んでいた。

「ルールは簡単、このゲームは宇宙戦艦を自機として敵戦艦を駆逐するシューティングゲーム、ヒットポイントは表示されず、どれ程のダメージが入っているかもわからない目隠し使用」

『はぇ~~』

「残機数は三回分、ある一定のスコアを出さなければボス戦にもならずゲーイムオーバァー、ちなみにステージ数は5面まである」

来ヶ谷部長が高らかに宣言している。

「ラスボス戦手前まで行って心が折れたんだよなぁ、なぁ! とうや!」

と、こちらに興味を抱き始めたネルナしぬぞうが近よって来ながら友人に目配せしていた。

「確か挑戦千回目まで行ったぐらいある。フン、超AIの力見せて貰おうじゃないか、助言するとラスボスは三段階変形まで残しているらしいぜ……」

こちらに興味を抱いた前渡とうやが様子を見に来ていた。

『それはつまりハッキングでそこまでのデータを解析した人物がいるということですね』

「ああ、うちの部員の峰谷ゆうすけだよ」

「ゴホン、話を戻そうか? 自律型精神制御式超AIデレデーレ……」

『はい戻してください』

「つまるところ我々も正規の方法でエンディングまでたどりついていない。我々の代わりにどうかこのゲームをクリアして欲しいんだ!」

「――えっ!? そっちが本音なわけ?」

オレはあきれ果ててやれやれと頭に手を着く。もはや勝負ではなく雪辱戦の依頼である。

『オーケーオーケー、分かりました! 受けて経ちましょう。この勝負!』

そうすると、ギャラリーが増えた。副部長の目頭しどう先輩に、冷夏わじつ先輩に、岸本げるかさんに、ネルナしぬぞうに、ロクソにつけくんに、ふぶくデヨーネさんに、石川すずよくんに、峰谷ゆうすけに、前渡とうやという部員全員がモニターの前に集まって来ていた。

(いよいよ始まるわけか……)

三本勝負の一本目が今始まろうとしていた。
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