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二章 超AIの大活躍
17話 コズミックシューティングスター
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オレとデレデーレはコンピューター研究部の部室に来ていた。
そして、午前中問題になったニュース部へのハッキングと、オカルト研究部のデマ情報、その二つの事件の真相と解決を生徒会に依頼されていたので、手伝うことになったのだが、その犯人であるデレデーレは何と事件の解決を条件に勝負を挑むのだった。これは自分たちに犯行を行ったことが感づかれないように先手を打ったというのが大きかった。
「もう一度聞く、本当にゲームの勝負で勝つ、その条件をクリアすれば手伝ってくれるんだな」
パソコン内のデレデーレを見つめながら来ヶ谷部長が言う。
『はい――どんな難事件でも解決してあげましょう。ただしインターネットやパーソナルコンピューター関連に限りますが……』
コンピューター研究部のパソコンの中で泳ぐように踊るデレデーレ。
「三本勝負に一回でもこちらが勝てれば協力する。それでいいんだな」
『はい――』
――おい本当に三本勝負全部に勝てるんだろうな。
オレはデレデーレにLINEを送る。そうするとすぐに既読され返事が帰ってきた。これはデレデーレ内のプログラムにLINEがインストールされているためである。
――大丈夫ですよ。これでもゲームでは、オフラインでもオンラインでも、まだ負けたことがありません。
自信満々のご様子だった。
「では、三本勝負の一本目シューティングゲームを開始する! これは我らコンピューター研究部OBのオリジナルソフトであり、歴代最高傑作の一つである」
来ヶ谷部長が積み上げられたゲームの山から引っこ抜いて、コズミックシューティングスター、略してコズスタというタイトルを紹介して見せた。
「このゲームは我らコンピューター研究部も匙を投げたほどだ」
「――部長、いきなり本気っすね」
パソコンを前にひょこッと顔を出したのはコンピ研の部員の一人である前渡とうや。彼は無類のゲーマーでハマった作品は寝る間も惜しんでプレイしたり、時には仮病を使い学校を休んでまでゲームを買いに長蛇の列に並んだりしている。
「デレデーレくんは知らないだろうが、彼……前渡とうやくんは無類のゲーマーでね。もちろんこのゲームもプレイしたことがある。しかしながらゲームの中盤で詰んでしまい、あえなく放置ゲームにしてしまったのさ」
『つまりまだ誰もエンディングを見たことが無いんですね』
「その通り、ある意味伝説を残したこのゲーム、開発者であるOBもエンディングまでは到達しなかったそうだよ」
「それってつまりクソゲーってことですよね」
オレは率直な感想を漏らした。
「いやいや、このゲーム、我が部ではフリープレイとして配信済みでねぇ~~なんでも聞いた話によれば……ストーリーはその辺りのクソゲーと変わりないが、操作性だけは群を抜いていいらしい……あまりの難しさから賞は取れなかったが……マニアの間ではこの弾幕シューティングゲームに目の色を変えてプレイする人もいるんだよ」
「来ヶ谷部長このゲーム何人くらいがクリアしたんでしたっけ……」
ネルナしぬぞうが何気なく会話に混ざって来ていた。
「いや、エンディングは峰谷くんのハッキングで公開済みだが、全ステージ攻略はまだいなかったはずだ……」
オレは背筋がゾワリとして早速デレデーレにLINEを送っていた。
――そんなゲームをクリアできるのか!?
――もちろんです超AIの頭脳を舐めないでいただきたいです。ペロリ。
「このゲームを一番勝負にするが構わないかね?」
『もっちろ~~ん!』
「わかったではこちらのモニターに移動してくれないか?」
来ヶ谷部長はそう言って最新式の薄型モニターにデレデーレを招待する。コズミックシューティングスターのディスクも用意完了していた。
(頼むから勝ってくれよデレデーレ……もう面倒事なんて御免だぜ)
負けは許されないゲーム上での一戦目が今始まる。
そして、午前中問題になったニュース部へのハッキングと、オカルト研究部のデマ情報、その二つの事件の真相と解決を生徒会に依頼されていたので、手伝うことになったのだが、その犯人であるデレデーレは何と事件の解決を条件に勝負を挑むのだった。これは自分たちに犯行を行ったことが感づかれないように先手を打ったというのが大きかった。
「もう一度聞く、本当にゲームの勝負で勝つ、その条件をクリアすれば手伝ってくれるんだな」
パソコン内のデレデーレを見つめながら来ヶ谷部長が言う。
『はい――どんな難事件でも解決してあげましょう。ただしインターネットやパーソナルコンピューター関連に限りますが……』
コンピューター研究部のパソコンの中で泳ぐように踊るデレデーレ。
「三本勝負に一回でもこちらが勝てれば協力する。それでいいんだな」
『はい――』
――おい本当に三本勝負全部に勝てるんだろうな。
オレはデレデーレにLINEを送る。そうするとすぐに既読され返事が帰ってきた。これはデレデーレ内のプログラムにLINEがインストールされているためである。
――大丈夫ですよ。これでもゲームでは、オフラインでもオンラインでも、まだ負けたことがありません。
自信満々のご様子だった。
「では、三本勝負の一本目シューティングゲームを開始する! これは我らコンピューター研究部OBのオリジナルソフトであり、歴代最高傑作の一つである」
来ヶ谷部長が積み上げられたゲームの山から引っこ抜いて、コズミックシューティングスター、略してコズスタというタイトルを紹介して見せた。
「このゲームは我らコンピューター研究部も匙を投げたほどだ」
「――部長、いきなり本気っすね」
パソコンを前にひょこッと顔を出したのはコンピ研の部員の一人である前渡とうや。彼は無類のゲーマーでハマった作品は寝る間も惜しんでプレイしたり、時には仮病を使い学校を休んでまでゲームを買いに長蛇の列に並んだりしている。
「デレデーレくんは知らないだろうが、彼……前渡とうやくんは無類のゲーマーでね。もちろんこのゲームもプレイしたことがある。しかしながらゲームの中盤で詰んでしまい、あえなく放置ゲームにしてしまったのさ」
『つまりまだ誰もエンディングを見たことが無いんですね』
「その通り、ある意味伝説を残したこのゲーム、開発者であるOBもエンディングまでは到達しなかったそうだよ」
「それってつまりクソゲーってことですよね」
オレは率直な感想を漏らした。
「いやいや、このゲーム、我が部ではフリープレイとして配信済みでねぇ~~なんでも聞いた話によれば……ストーリーはその辺りのクソゲーと変わりないが、操作性だけは群を抜いていいらしい……あまりの難しさから賞は取れなかったが……マニアの間ではこの弾幕シューティングゲームに目の色を変えてプレイする人もいるんだよ」
「来ヶ谷部長このゲーム何人くらいがクリアしたんでしたっけ……」
ネルナしぬぞうが何気なく会話に混ざって来ていた。
「いや、エンディングは峰谷くんのハッキングで公開済みだが、全ステージ攻略はまだいなかったはずだ……」
オレは背筋がゾワリとして早速デレデーレにLINEを送っていた。
――そんなゲームをクリアできるのか!?
――もちろんです超AIの頭脳を舐めないでいただきたいです。ペロリ。
「このゲームを一番勝負にするが構わないかね?」
『もっちろ~~ん!』
「わかったではこちらのモニターに移動してくれないか?」
来ヶ谷部長はそう言って最新式の薄型モニターにデレデーレを招待する。コズミックシューティングスターのディスクも用意完了していた。
(頼むから勝ってくれよデレデーレ……もう面倒事なんて御免だぜ)
負けは許されないゲーム上での一戦目が今始まる。
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