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一章 超AIとの大生活

11話 超AI完成のいきさつ

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午後22時過ぎ、オレはデレデーレのメンテナンスを行っていた。カタカタカタカタとキーボードを鳴らしていく。

『ケンマ様、そろそろ就寝しなくては明日の体調に響きます』

「かまうものか、どうせいつもは23時に寝ているんだ。ちょっと規則正しい22時から午前2時までの間が寝時のピークでも、多少の無理は誤差の範囲、あと1時間は起きてるつもりだ」

『――ケンマ様、お身体にさわります。すぐにご就寝を……』

譲る気はないデレデーレの剣幕な顔を見て、、、

「――わかったよ! 今日集めたデータを確認したらすぐ寝るよ……」

オレはしぶしぶ申し出に承諾する。

今日のログの一覧を見る。ログとは通信の履歴、情報の記録を言い、今回見るログはコンピューター研究部との会話の一覧を確認するものである。

一通り目を通しオレは目を通すとパソコンをシャットダウンする。

パソコン内の画面内をウロウロしていたデレデーレは、オレのスマフォ内に移動した。

デレデーレのシステムは、元をたどればインターネットを基盤としているため、インターネットがつながる場所や機材であれば、どこにでも移動できると言ものである。

『――ケンマ様』

スマフォの画面内に移動して睡眠の催促をするデレデーレ。

「わかってる……」

まるで監視カメラ、つきの――

『寮長さんも寝てくださいとそう言うはずです』

(心で語る前に思いを予見された!? 自分で言うのもなんだが、さすがスーパーコンピューター以上のスペックだ)

オレはベットにダイブし、掛け布団を羽織る。ぬくもりに包まれるとウトウトしてしまう。

『ケンマ様、おやすみなさいませ』

「おやすみ~~」

部屋の電気が勝手にパッと消える。この照明は遠隔式で消すことが出来、デレデーレのハッキングによりスマフォの端末から電波を合わせてスイッチをオンオフに出来るのだ。同じようにエアコンもハッキングによりオンオフが可能なので、ほどよい温度の室内にしてくれる。

(快適快適…………)

オレは眠りにつく。

ふと朦朧とした意識の中でオレはあることを思い返していた。

それはデレデーレ開発の理由。

幼い頃、友達を作るのが下手だったオレはずっと家の中で遊んでいた。

それも一人寂しくだ。両親は共働き、オレは家の中では一人きりだった。

遊び相手はイヌ、ただしただのイヌではない。当時の最先端ロボット、通称ワンボット。

しかし、数カ月もすれば飽きてしまう。オレはバッテリー切れになった遊び相手と遊ばなくなった。

それからはパソコンを使い、SNS関係に手を出して友達を作ろうとしたのだが、ここでも人見知りな性格から勇気を出しても、友達を作ることが出来ないでいた。

そんなときニュースで超AIを研究しているオフィシャルジェンス社の試みに興味を持ち、子供ながらに超AIの研究をしていた。その時の自分は小学校4年生だった。

中学に上がる時には、友達作りそっちにのけでパソコンの画面にかじりついていた。

そして三年間、一応AIは完成したのだが……

「初めまして、オレは暁ケンマ、君の名前は?」

『初めまして、私はAIのアイちゃんです』

「好きな物は?」

『初めまして、アイちゃんの好きな物は、アイちゃんです。あなたは誰ですか?』

造られたAIは少々狂っていた。まともに会話が通らなかったのだ。

何よりオフィシャルジェンス社の目指す心というのが通っていなかった。

しかし、今日オレは心を持った超AIデレデーレの完成を成し遂げた。自分で言うのもなんだがノーベル賞は確実に取れると思う。

彼女という恋人設定にしたのは寂しさからくるものだったし、自分に尽くしてくれる恋人がほしかったのだ。

そんなことを思いながらオレは眠りについた。
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