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夢から覚めて

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「あんたが教会に訪ねて来た日から、今日で……一週間になる」

「いっしゅうかん!?!」

絶句してしまった。それはちょっと、想像を超えすぎてる。

「わ、わたし一週間ずっと、眠ってたの……!?」

驚きながらそう言うと、アストは頷いた。

い、一週間……数字が頭の中でぐるぐる回ってる。
全然実感がない。確かに喉は渇いてたしお腹も空いてる気はするけど、何が何でも今食べなきゃ無理、倒れる!っていう程の追い詰められた感じはないし……いや、倒れてたんだけど!

「で、でも……全然そんなに眠ってた気がしない……」

呆然と呟く。
そう、正直言うと倒れたっていう実感すらない。でも確かに、直前は気持ち悪かったんだよな……
今はすっきりしてる。そこで急に、まだ手にしたままのコップに思い至った。

「あ、もしかしてこれ、特別なお水!?これを飲んだからいろいろスッキリと……!?」

「いや、ただの水」

「あ、あれ……」

はっと思いついて言ってみるけど、スパッと否定された。
そっか、ただのお水……いやでも、すごく美味しいよ……
という事で二杯目もおいしくいただく事にした。
水を飲んでる最中も、わたしの疑問にアストが答えてくれる。

「まだ、調べてる最中……っていうか、あんたの体を診ただけじゃ、はっきりした事は言えないが……叔父貴が言うには、反動が来たんじゃないかって」

「反動?」

水を飲み終えた空のコップを、枕元の棚に戻す。
アストは、ベッドの横に置いてあった簡易な椅子を引っ張ってきて、そこに座った。

「塔に仕掛けがあるかもしれないって言われたこと、覚えてるか」

そう言われて、わたしはこくっと頷いた。

「そっちの関係がどうとか言ってた。……ああ、もう来るから、叔父貴に聞いてみたらいい」

アストが、ドアの方へ視線を送る。それとほぼ同時に、ゆっくりと……ていうか、静か~に扉が開いた。
なるべく音をたてないように、そぅっと開けてくれてるのが分かる。

「ああ、ローズ様……目が覚められたのですね」

顔を出した神官様は、カーテンが開いているのと、わたしがベッドの上で起き上がっていることでほっと安心の息を吐いたみたいだった。

「お、おはようございます……わたし、ものすごく長い間眠ってたんですね……」

そのタイミングで、アストがベッドを離れた。

「軽く腹に入れるもの貰ってくる」

入れ違うように部屋を出ていくアストに、わたしと神官様は声をかけて見送った。

「ああ、行ってらっしゃい」

「あ、ありがとう……!」

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