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小さい頃の記憶2
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テーブルにある一つの、浄化された小さな魔石。それを見て両親は怒った顔になって言った。
「まさかこれは……盗んだのか!塔の間から!しかもこんな上等なカケラを!!」
「え……!?」
「まあ、なんてこと……大人しいから放っておいて大丈夫だと思っていたら、目を離した隙にこんなことするなんて!」
そんなこと言われるなんて思わなかった。
「あ、あのぅ……違うのです、これは……これは……」
シュン。。
びっくりしすぎてモジモジしてしまう。気持ちが急にしょんぼりとしぼんで、何を言えばいいのか分からなくなってしまった。うつむいて涙目になっている私に、両親は尚も言う。
「見てみろ、この魔石の純度。この清らかさは間違いなく最高級で我が領では数年に一度見るか見ないかというもの……それをお前はぁぁ!!」
???
話がよく見えなくて、涙も引っ込んでわたしはポカンとしてしまった。
それ、最高級どころか……数年に一度どころか……「いいよいいよ~こんな小さくて力もない魔石なら、浄化したところで大したものにならないし、おまけみたいなもんだからさ」って言って、浄化係の方に笑顔でもらったものなんですけど!?
「ちっ、違います。わたしそんなの……」
「この期に及んでまだ言い訳なんて言うの!?このっ、可愛くない……!」
お母様が手を振り上げた。叩かれる……!と思って身をすくめたけど、大きな声がそれを止めてくれた。
「こっ、これは……これはすごいぞぉ!!」
ピタッ。
あまりの大声にお母様の動きが止まった。
「な、なんですの……!?」
大声を出したのは浄化をするために雇われていた領民の人だった。
わたしに魔石のカケラを渡してくれたのもあの人で……
「すごいなぁ、これをお嬢様がやったのかい!?」
コクッ…
そうやって笑顔で言われて、喜ばれように驚きながらも頷く。
あれってわたしがやった…んだよね?さっき光が出たのって、わたしが手を前に出して力を込めたからだし……
「う、うん……手を出して……祈りをささげたの。そしたら手から光が出て……」
「お、おい。どういうことだ?」
「何の話だっていうの?」
状況がうまく飲み込めてないお父様とお母様に、領民の人が魔石を持ちながら説明してくれた。
「ああ、領主様に奥方様!さすがは領主様のとこのお嬢さんだ!この魔石はさっきあっしが渡したもんで……
このまんまじゃ何の役にも立ちゃしねぇってクズ石を、おもちゃ代わりに差し出したんですよ!そしたらお嬢様はそいつを見事に浄化なさった……
それどころじゃねぇ、こりゃぁ魔石がもともと持ってる力を何倍、いや、何十倍にも引き出してくれてるじゃねぇか!」
ざわざわ……
ほー…?
すごいな……
騒ぎで集まってきた使用人達から感心したようなため息があがった。
「この方が居ればこの領地は安泰だ!」
「!!」
そんなに褒めてもらえるなんて……!
喜びでいっぱいのまま、両親の顔を見あげる。
「ほう……この、ローズがか……」
「ふぅん、この子がねぇ……」
「ぁ……」
でも、見てられなくて俯いちゃった。
この平凡な、何も取り柄のなかったはずの娘が……?
両親たちの目は、そう言っているように見えたから。
「まさかこれは……盗んだのか!塔の間から!しかもこんな上等なカケラを!!」
「え……!?」
「まあ、なんてこと……大人しいから放っておいて大丈夫だと思っていたら、目を離した隙にこんなことするなんて!」
そんなこと言われるなんて思わなかった。
「あ、あのぅ……違うのです、これは……これは……」
シュン。。
びっくりしすぎてモジモジしてしまう。気持ちが急にしょんぼりとしぼんで、何を言えばいいのか分からなくなってしまった。うつむいて涙目になっている私に、両親は尚も言う。
「見てみろ、この魔石の純度。この清らかさは間違いなく最高級で我が領では数年に一度見るか見ないかというもの……それをお前はぁぁ!!」
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話がよく見えなくて、涙も引っ込んでわたしはポカンとしてしまった。
それ、最高級どころか……数年に一度どころか……「いいよいいよ~こんな小さくて力もない魔石なら、浄化したところで大したものにならないし、おまけみたいなもんだからさ」って言って、浄化係の方に笑顔でもらったものなんですけど!?
「ちっ、違います。わたしそんなの……」
「この期に及んでまだ言い訳なんて言うの!?このっ、可愛くない……!」
お母様が手を振り上げた。叩かれる……!と思って身をすくめたけど、大きな声がそれを止めてくれた。
「こっ、これは……これはすごいぞぉ!!」
ピタッ。
あまりの大声にお母様の動きが止まった。
「な、なんですの……!?」
大声を出したのは浄化をするために雇われていた領民の人だった。
わたしに魔石のカケラを渡してくれたのもあの人で……
「すごいなぁ、これをお嬢様がやったのかい!?」
コクッ…
そうやって笑顔で言われて、喜ばれように驚きながらも頷く。
あれってわたしがやった…んだよね?さっき光が出たのって、わたしが手を前に出して力を込めたからだし……
「う、うん……手を出して……祈りをささげたの。そしたら手から光が出て……」
「お、おい。どういうことだ?」
「何の話だっていうの?」
状況がうまく飲み込めてないお父様とお母様に、領民の人が魔石を持ちながら説明してくれた。
「ああ、領主様に奥方様!さすがは領主様のとこのお嬢さんだ!この魔石はさっきあっしが渡したもんで……
このまんまじゃ何の役にも立ちゃしねぇってクズ石を、おもちゃ代わりに差し出したんですよ!そしたらお嬢様はそいつを見事に浄化なさった……
それどころじゃねぇ、こりゃぁ魔石がもともと持ってる力を何倍、いや、何十倍にも引き出してくれてるじゃねぇか!」
ざわざわ……
ほー…?
すごいな……
騒ぎで集まってきた使用人達から感心したようなため息があがった。
「この方が居ればこの領地は安泰だ!」
「!!」
そんなに褒めてもらえるなんて……!
喜びでいっぱいのまま、両親の顔を見あげる。
「ほう……この、ローズがか……」
「ふぅん、この子がねぇ……」
「ぁ……」
でも、見てられなくて俯いちゃった。
この平凡な、何も取り柄のなかったはずの娘が……?
両親たちの目は、そう言っているように見えたから。
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