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侯爵令嬢の憂い

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リードとミレイの婚約は元々、先代国王と先代侯爵が決めたものだった。
つまり、リードとミレイ、それぞれの祖父だ。

先代国王は大変な豪傑で頭が切れ、これ以上ない名君として名を馳せた。
しかし、その息子である当代国王は……


先代国王の実績とご威光は、彼にとってプレッシャーにしかならず、人としての器も小さかった。
積もり積もっていく不信は、誰の目から見ても国王としてふさわしいものとは言えず……

そして、その孫である、リードは更に愚かしかった。

彼が発した婚約破棄の言葉によって、裏で国を支え続けた侯爵家との縁もとうとう切れた。
国政への不満と共に、リードの悪評は学園にも、王宮にも、市井にも瞬く間に広がっていく。



(……こうなることも、必然だったのかしら?)
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