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少しの歪み

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ロカは代々受け継がれていた能力が消え、勉学、武力共に更に力を入れてゆく。皇子を支える右腕として活躍するのはもう少し彼が大人になってからだった。

しかし現実は異なり、既にロカは世に名を馳せていた。とある論文を提出したことで瞬く間に彼の顔と名前が知れ渡る事となった。


その論文内容とは「神観念について」というものであり、主に神の存在や目に見えない御使いについてだった。論文の内容は読めば読むほど難しく、けれど信ぴょう性があるものばかりだったという。

大昔には神と人間が共存していた可能性が高いこと。人の信行神が減り神という存在が消えつつある事、そして神の御使いとして妖精が存在する事。



信憑性がある、と言われる理由は

御伽噺で出てくる妖精の特徴、「赤い瞳」が関係していて。ロカ、そして皇子の瞳がほぼ同時に赤色に変わった事から真実味を増した

 何故瞳の色が変わったのか、

その問いに答えたのは意外にも皇子であり


とある場で皇子はこう口にした。

“神はいる。だからここに五体満足で俺は立っている。赤い瞳は神に…そして妖精に寵愛を受けたからだろう”

と、皇子の身内が亡くなり彼が姿を現したパーティーで断言した。



死んだと言われていた皇子が生きて、公の場に姿を出したことでロカの論文は…、

今となっては“真実”として貴族や平民たちからは受け入れられた。



妖精の寵愛を受けたと誰もが信じ、

2人の人気は急上昇。


(そんな展開……なかった筈なのに、)

考えれば考えるほど頭が痛くなりそうだから、緩く頭を振って気を紛らわす。

確かに異変というか、“変化”はあったけれど彼等が学園に通う事に変わりは無いわけで…

後は学園で主人公と彼等が出会うだけ。


この世界は魔法が存在するからこそ、非現実的な存在すらも受け入れられるのかもしれないと思ったのはここだけの話し。

でもその魔法があるからこそ主人公と彼等の出会いに繋がる。



「貴族と平民の恋かぁ…」
















◾︎□◾︎□

魔法とロカの持つ能力は異なる

ロカの家系は身体“能力”が優れている
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